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- 谷村美月
略歴 / Brief history
大阪府堺市の生まれ。小学2年生の頃より地元・大阪の劇団に所属し、モデルなどの活動を始める。2002年、NHK連続テレビ小説『まんてん』で、小日向文世演じる穂積の娘・美海役で女優デビュー。続いて、塩田明彦監督「カナリア」05で映画初出演も果たし、過酷な状況を生き抜く少女・由希を熱演して高崎映画祭新人女優賞を受賞するなど、14歳にして演技派と呼ばれる。以後も、09年に大阪薫英女学院高校を卒業して上京するまでは大阪と東京を頻繁に往復しつつ、数々の映画、ドラマで活躍。「海と夕陽と彼女の涙・ストロベリーフィールズ」06での勝気な少女・マキ、「リアル鬼ごっこ」07での少女戦士、「海炭市叙景」10の兄思いの妹など、目力を活かした凛とした役柄で魅力を発揮する。その一方、中性的な容貌から風変わりなキャラクターを演じることも多く、「銀河鉄道の夜」06では少年ジョバンニを男装して演じ、「死にぞこないの青」07では全身青塗りの幽霊・アオ、楳図かずお原作の「おろち」08ではタイトルロールのおろち、「神様のパズル」08では物理学の天才少女と、非日常的な役柄も確かな演技で説得力を持たせた。「神様のパズル」の三池崇史監督と再び組んだ「十三人の刺客」10では武家の新造という人妻役に挑戦し、翳りのある色気を放ったのが印象深い。テレビドラマはほかに、NHK『生物彗星WoO』06、『キャットストリート』08、『心の糸』10、日本テレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』06、フジテレビ『わたしたちの教科書』07、『太陽と海の教室』08、『医龍/Team Medical Dragon 3』10、WOWOW『パンドラ』08、テレビ東京『モリのアサガオ』10など多数。カルト的人気を集めたフジテレビの深夜不定期ドラマ『トリハダ』07~09では、毎回残酷な結末を迎えるヒロインをシリーズ通して演じ、深夜帯の視聴者層にもその名を浸透させた。
谷村美月の関連作品 / Related Work
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信虎
制作年: 2021武田信玄の父であり、甲府を開府した信虎の晩年を描く本格的時代劇。信玄によって追放され、京で足利将軍の奉公衆となった信虎。追放より30年の時が流れ、信玄が危篤に陥ったことを知った齢80の「虎」は、武田家存続のため最後の知略を巡らせる――。信虎を演じるのは36年ぶりの主演作となる寺田農。信虎の娘で15歳のお直に谷村美月。榎木孝明、永島敏行、渡辺裕之らベテラン俳優に加え、矢野聖人、荒井敦史、石垣佑磨の若手俳優も参加。また、武田家の映画「影武者」で織田信長を演じた隆大介の遺作となった。監督は「デスノート」の金子修介、音楽に「影武者」などの池辺晋一郎、武田家考証に武田氏研究の第一人者・平山優を迎えたほか、撮影の上野彰吾、衣裳の宮本まさ江、特殊メイク・スーパーバイザーの江川悦子、美術装飾の籠尾和人、VFXスーパーバイザーのオダイッセイなど、日本映画の最高峰のスタッフが結集。武田信玄生誕500年の記念イヤーである2021年日本公開。 -
心の傷を癒すということ 劇場版
制作年: 2020NHKで放送された全4話のドラマを再編集。韓国にルーツを持ち、自分が何者なのか模索する安和隆は、人の心に関心を抱いて精神科医の道へ。やがて結婚して穏やかに暮らしていたある日、大地震が神戸を襲う。和隆は心の傷に苦しむ被災者に寄り添うが……。出演は「Red」の柄本佑、「ヤクザと家族 The Family」の尾野真千子。