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- 松下奈緒
略歴 / Brief history
奈良県生駒市で生まれ、兵庫県川西市で育つ。3歳からピアノを習い、2000年、モデル事務所“エリート・ジャパン”のコンテストでグランプリを獲得して日本コカ・コーラ『爽健美茶』のCMに起用される。“日本のスーパーモデル”のひとりと注目を集めたが、音大受験のためのレッスンを優先。東京音楽大学音楽学部音楽学科に進学し、ピアノを専攻する。大学在学中の04年に、日本テレビ『仔犬のワルツ』のピアニスト役で女優デビュー。演奏場面を吹き替えなしで自らつとめた。続くフジテレビ『恋におちたら・僕の成功の秘密』05ではIT業界で闘う主人公(草彅剛)を心配する心優しい女性を演じて評判に。シンガーソングライターに扮したTBS『タイヨウのうた』06などを経て、藤田明二監督「アジアンタムブルー」06で、阿部寛の余命わずかな恋人役を演じ、映画初出演を飾る。ドリームズ・カム・トゥルーのラブソングがモチーフの蝶野博監督「未来予想図/ア・イ・シ・テ・ルのサイン」07でもヒロインをつとめ、直球の恋愛映画が似合う品と華を見せたのち、主演3作目となる深作健太監督「XX(エクスクロス)/魔境伝説」07ではアクション・ホラーに挑戦する。女優業と並行して、NHK大河ドラマ『義経』05のコーナーBGM、連続テレビ小説『ちりとてちん』07のオープニングテーマの演奏も手がけるなど音楽活動でも実績を重ね、06年にデビューアルバム『dolce』を発表。07年には日本フィルハーモニー交響楽団との共演でモーツァルトの『ピアノ協奏曲第20番』を演奏し、アニメ映画「ピアノの森」07では歌手として主題歌を提供する。同年、NHK『グッジョブ』でドラマ初主演。明るい気配りで職場を盛り立てるOL・上ちゃん役で、清楚でなおかつ媚びのない魅力を打ち出す。雑賀俊郎監督「チェスト!」08では小学生の友情を見守る若い先生役を爽やかに好演するとともに、音楽と主題歌も担当。次いで10年、水木しげるの妻・武良布枝の自伝が原作のNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』のヒロインに選ばれる。背の高さが劣等感の内気な布美枝役は身長174cmのスタイルが活かされた起用で、売れない漫画家・茂(向井理)の赤貧時代を支える妻の辛抱を丁寧に演じて大きな脚光を浴びる。同年末のNHK『紅白歌合戦』では紅組司会をつとめた。翌11年はフジテレビ『CONTROL/犯罪心理捜査』の熱血刑事役で民放ドラマ初主演。女優とピアニストの両方でベストを尽くす才媛である。
松下奈緒の関連作品 / Related Work
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風の奏の君へ
制作年: 2024岡山県美作地域を舞台にしたあさのあつこの小説『透き通った風が吹いて』を原案に、「4月の君、スピカ。」の大谷健太郎が監督した人間ドラマ。美作に来たピアニストの里香に対し元恋人・淳也は冷たい態度を取る一方、淳也の弟・渓哉は彼女に恋心を募らせる。岡山県美作市で育った大谷監督の美作の小説と映画を全国に、との構想から製作に至った。ヒロインの青江里香を実際にピアニストとしても活動する松下奈緒が吹き替えなしで演じ、里香と運命的な出逢いを果たす真中渓哉を実写「東京リベンジャーズ」の杉野遥亮が、その兄で家業の茶葉屋を営む・真中淳也をロックバンドflumpoolのボーカルを務める山村隆太が演じる。 -
風よ あらしよ 劇場版
制作年: 2023大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝を描き第55回吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説原作、吉高由里子主演の2022年放送のNHKドラマを映画化。家のための結婚を蹴り上京した伊藤野枝は、青鞜社に入り婦人解放を訴え、波乱に満ちた人生を歩むが……。吉高由里子が主演した2014年NHK 朝の連続テレビ小説『花子とアン』のディレクターを務めた柳川強が演出を手がけ、2016年放送のTBSドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』で第35回向田邦子賞を受賞した矢島弘一が脚本を担当。短くも激しい人生を送る伊藤野枝を吉高由里子が、平塚らいてうを松下奈緒が、野枝の第一の夫であるダダイスト・辻潤を「正欲」の稲垣吾郎が、後のパートナーとなる無政府主義者・大杉栄を「福田村事件」の永山瑛太が演じる。 -
母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。
制作年: 2019宮川サトシによる自伝エッセイ漫画を「日日是好日」の大森立嗣監督が「愛しのアイリーン」の安田顕主演で映画化。平凡でユーモラスな宮川家の日常は、母が突然ガンを宣告されたことで変化していく。息子サトシは恋人・真里に励まされながら母のために奔走する。共演は、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の松下奈緒、「パンク侍、斬られて候」の村上淳、「孤狼の血」の石橋蓮司、「あやしい彼女」の倍賞美津子。脚本は大森立嗣。撮影を「日日是好日」の槇憲治、音楽を「俳優 亀岡拓次」の大友良英が務める。90点 -
エンジェルサイン
制作年: 2019漫画家の北条司が総監督を務めた実写オムニバス映画。世界108の国と地域から寄せられた『サイレントマンガオーディション』作品の中から選ばれた受賞作品と北条司による監督作を映画化。全編を通してセリフを用いず、映像と音楽のみで物語が展開していく。出演は、「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」の松下奈緒、「海を駆ける」のディーン・フジオカ、「闇の歯車」の緒形直人、「ピーチガール」の菊池桃子、「ザ・ファブル」の佐藤二朗。監督は、「NINJA THE MONSTER」の落合賢、「ナンナーク」のノンスィー・ニミブット、「Journey From the Fall」のハム・トラン、「劇場版「リケ恋 理系が恋に落ちたので証明してみた。」」の旭正嗣、「鏡は嘘をつかない」のカミラ・アンディニ。100点