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ロン・フリックの関連作品 / Related Work
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バラカ
制作年: 1993世界24ケ国で撮影された自然や人々、そして祈りの風景で構成し、地球に生きる生命とその神秘への祈りを歌い上げる映像詩。監督・撮影は「コヤニスカッティ」(撮影)、『クロノス』(日本未公開)などのロン・フリック。製作は『クロノス』のマーク・マジッドソン、スーパーバイジング・プロデューサーはフリックの盟友アルトン・ウォルポール。原案はフリック、ジュヌヴィエーヴ&コンスタンチン・ニコラ、脚本・構成はフリックとマジッドソン、ボブ・グリーン、音楽は現代音楽の作曲家でアイマックス(巨大画面映画)などの音響設計も手掛けるマイケル・スターンズ、編集はフリックとマジッドソン、デイヴィッド・E・オーブリーがそれぞれ担当。撮影には50年代に最初に実用化された大型ネガ映画システムで現代でも画質は最高といわれるトッドAO70ミリ方式(「オクラホマ!」「サウンド・オブ・ミュージック」など)をアイマックスや博覧会映像も手掛けるフリックが改良したモデルが使用され、このシステムの誇る鮮明な画像とスローモーションや微速度撮影が自在に駆使され、音声も従来の6チャンネルからデジタル化されている。(公開版は35ミリ/ドルビーSR) -
コヤニスカッティ
制作年: 1983高速度撮影、微速度撮影、さらに編集技術のあらゆるテクニックを駆使して現代社会の現実と物質文明の危機を音と映像だけで描いたドキュメンタリー映画。提供は「アウトサイダー」のフランシス・フォード・コッポラ。コヤニスカッティとはアメリカ大陸の原住民のインディアン、ホピ族のことばで「バランスを失った世界」などを意味する。製作・監督はこの作品が第1作に当るゴッドフリー・レジオ。脚本は撮影を兼ねるロン・フリックにゴッドフリー・レジオ、マイケル・ホーニック、アルトン・ウォルポールが加わった計4人が共同執筆、音楽は環境音楽のパイオニア、フィリップ・グラス、音楽製作と録音はカート・マンカッシ、編集はアルトン・ウォルポールとロン・フリックが担当。画面は前半、まるで地球が誕生して間もない頃のような無限に拡がる大陸を映し出す。恐ろしいまでに大地は続き、雲は流れ、海は雄大にうねる。ゆったりとしたテンポでそれらを淡々と捉えた後、その大地に徐々に人類が入り込んでくる図が描かれる。やがて、ビルが建てられ、車が走り、人々が行き交う。画面のテンポはアップし、後半はめまぐるしい速さで展開する。ニューヨークの巨大な文明都市は、滑稽な機械人形と危く崩れやすいビルの集落として映る。巨大な月がビルの間から顔を見せる。映画のエンディングにコヤニスカッティの示す5つの意味が象徴的に提示される。気ちがいじみた生活混乱した生活バラバラになった生活バランスを失った生活生き方を変える必要のある生活。全篇をフィリップ・グラスの音楽がナレーションのように響きわたる。