制作年: 1995
リスボン市がモチーフの映画を、という同市の依頼にヴィム・ヴェンダース監督が応じた作品。製作はポルトガル映画界の重鎮、「階段通りの人々」のパウロ・ブランコと「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」のウルリッヒ・フェルスベルク。脚本も監督が執筆し、夫人のドナタ・ヴェンダースがそれをまとめる編集に当たった。撮影は「ポケットいっぱいの涙」のリザ・リンスラー。美術は「ことの次第」でも同監督と組んだパウロ・ブランコの子息ゼー・ブランコ。編集は「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」まで同監督の作品をほとんど手掛け、ドキュメンタリー映画作家としても活躍するペーター・プルツィゴッダとアンヌ・シュニーの共同。出演は同監督の常連リュディガー・フォーグラーが「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」に続く5度目のフィリップ・ヴィンター役、また映画監督フリッツ・モンロー役に「ことの次第」で同じ人物を演じた「チューズ・ミー」などのパトリック・ボーショウがそれぞれ扮する。音楽は「ベルリン・天使の詩」のユルゲン・クニーパーがスコアを書き、昨今国際的な注目を集めるポルトガルの民族音楽ファドのバンド、マドレデウスが音楽を担当(オリジナルを9曲)し、彼ら自身の役で出演。ヴォーカルのテレサ・サルゲイロは本作品中の紅一点のヒロインとして華を添えている。さらに「階段通りの人々」の巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督がゲストで登場している。