マイケル・ベイ マイケルベイ

  • 出身地:カリフォルニア州ロサンゼルス
  • 生年月日:1965/02/17

略歴 / Brief history

【ブロックバスター時代におけるアクション大作の若き覇者】アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。養父母に育てられ、実父はジョン・フランケンハイマーだと主張していたが真相は不明。15歳の時にはルーカス・フィルムで働いたともいう。1986年にウェスリアン大学を卒業、専門学校でも映画を学び、89年よりプロパガンダ・フィルム社でCMとミュージックビデオを撮り始める。CMでは広告業界のおよその受賞を果たし、最優秀ディレクターの称号を獲得。ミュージックビデオでもティナ・ターナー、ライオネル・リッチーらの作品を手がけ、92年にMTVアワードを受賞。これらの業績が製作者ジェリー・ブラッカイマーの目に留まり、95年の「バッドボーイズ」で映画監督デビューする。マイアミ市警の黒人刑事コンビを主人公とした「バッドボーイズ」は、MTV感覚の映像やアクションにより世界で1億4000万ドルの大ヒット。続く96年のブラッカイマー製作「ザ・ロック」も3億3000万ドル超のメガヒットとなって、若きヒットメイカーの地位を確立した。ブラッカイマーとのコンビはしばらく続き、「アルマゲドン」(98)以降は製作費が常に1億ドルを超えつつ、全世界興行収入もその2倍3倍を稼ぎ出す。真珠湾攻撃を背景としたロマンス「パール・ハーバー」(01)では考証面で物議を醸し、ブラッカイマーと離れたSFアクション「アイランド」(05)では国内成績が1億ドルに届かないといった低迷も尻目に、スティーヴン・スピルバーグと組んだ「トランスフォーマー」シリーズ(07・09)を再び世界的ヒットに導き、DVD売り上げの高成績も記録した。また01年には製作業に進出、中規模のスリラーやホラー映画をコンスタントに送り出している。【インフレ映像作家の騎手】ニュー・ハリウッド世代の作品で映像感覚を養い、無名のフィルムスクールを経て、MTV監督からいきなり大作映画に進出という、ブロックバスター時代の申し子的な監督。自身の製作会社では「テキサス・チェーンソー」(03)、「13日の金曜日」(09)といった70~80年代著名ホラーのリニューアル版を専らに作る点からも、嗜好の背景が察せられる。少年時に8ミリ撮影で玩具を爆破させ火事騒ぎになったというエピソードが示すように、スペクタクルな見せ場を好み、一貫して娯楽活劇大作を手がける。「ザ・ロック」ではCMや音楽ビデオで培った技術を最大限に注ぎ、以後のアクション映画に影響を与えたとされた。目まぐるしい編集、極端なアップ・ショット、過剰な破壊描写、動き回るキャメラといったベイ印の演出は、ブラッカイマーの志向とも合致し、現代ハリウッド大作の特徴として定着。一部でそのスタイルは(ベイの名と破壊=メイヘムの語をかけた)“ベイ・ヘム”と称され、「パール・ハーバー」や「トランスフォーマー」では設定や物語に矛盾を抱えるなど、“やりすぎ”“内容が空疎”との批判も常に受けてきた。しかしVFXを多用しながら実写スタントに拘り、ベイ・ヘムも一定の限度は超えない保守性も窺わせる。近年は大所帯を指揮する現場統括者としての技量に磨きがかかり、スピルバーグの直系に位置付けられるハイリスク=ハイリターン型監督の代表者となった。

マイケル・ベイの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • ソングバード

    制作年: 2020
    「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイプロデュースによるパンデミック・スリラー。2024年、致死率の高いウイルスCOVID-23が蔓延するLA。配達員のニコは、Qゾーンと呼ばれる施設に徹底隔離されそうになる恋人サラを救い出そうと荒廃した街を奔走する。出演は「君といた108日」のKJ・アパ、『ディセンダント』シリーズのソフィア・カーソン。監督は「ブラック・ファイル 野心の代償」の脚本を務めたアダム・メイソン。
  • フォーエバー・パージ

    制作年: 2021
    年に一夜だけ、殺人を含むあらゆる犯罪が合法になる“パージ法”が施行された米国を舞台に、壮絶なサバイバルを描いた大ヒットシリーズ第5弾。恐怖の一夜が明けた朝。しかし、人種差別主義の過激派組織が暴走し、終わりのない“無限パージ”に突入する……。出演は「アーミー・オブ・ザ・デッド」のアナ・デ・ラ・レゲラ、「闇の列車、光の旅」のテノッチ・ウエルタ。
  • アンビュランス(2022)

    制作年: 2022
    「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ監督によるカー・アクション。元軍人のウィルと血の繋がらない兄ダニーは、LA史上最高金額の銀行強盗を企てる。だが、二人が逃走のために乗り込んだのは、ウィルに撃たれた瀕死の警官を乗せた救急車だった。出演は、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のジェイク・ギレンホール、「マトリックス レザレクションズ」のヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、「ゴジラvsコング」のエイザ・ゴンザレス。
  • クワイエット・プレイス 破られた沈黙

    制作年: 2020
    サプライズヒットとなった2018年のホラー「クワイエット・プレイス」の続編。音に反応して人間を襲う“何か”によって荒廃した世界。夫と家を失いながらも、何とか生き延びたエヴリンは、新生児を含む3人の子どもと共に、新たな避難場所を求めて旅立つ。出演は「メリー・ポピンズ リターンズ」のエミリー・ブラント、「ダンケルク」のキリアン・マーフィ、「チャーリーズ・エンジェル」(19)のジャイモン・フンスー。前作に引き続き、メガホンを取るのは、エミリー・ブラントの夫ジョン・クラシンスキー。
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  • パージ:エクスペリメント

    制作年: 2018
    一年に一晩(12時間)だけ殺人含む全犯罪が合法になる法律・パージ法を活写した「パージ」シリーズの前日譚。経済が崩壊したアメリカで政権を持ったNFFAは犯罪率抑制のためパージ法を採用。全国適用を前にニューヨーク州スタテン島にて実験が行われる。監督は「フルートベール駅で」で共同プロデューサーを務めたジェラード・マクマリー。「パージ」を手がけたジェームズ・デ・モナコ監督が脚本を担当する。また、「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイや「ゲット・アウト」のジェイソン・ブラムが製作として参加。
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