益岡徹 マスオカトオル

  • 出身地:山口県下関市
  • 生年月日:1956/08/23

略歴 / Brief history

山口県下関市の生まれ。早稲田大学商学部在学中から演劇に熱中。1980年に卒業したのち、仲代達矢主宰の“無名塾”に入り、『ソルネス』で初舞台を踏む。以後、『マクベス』『ハムレット』などに出演する傍ら、映画にも少しずつ出るようになる。84年、早川光監督の自主プロ作品「アギ・鬼神の怒り」に鬼を征伐する中世の侍役で主演。ほかにも工藤栄一監督「野獣刑事」82の殺人犯、石山昭信監督「テラ戦士ΨBOY」85の超能力怪人などの特異な役があり、知る人ぞ知る存在だった88年、伊丹十三監督「マルサの女2」で宮本信子の同僚の国税局査察官役に抜擢される。長身のポーカーフェイスからユーモアが滲み出る魅力が初めて広く注目され、同年のNHK『続・イキのいい奴』でのとぼけた好演も評判になった。脇の巧演者像の定着以降は、原隆仁監督「夜逃げ屋本舗」92~95の中村雅俊のパートナー役をはじめ、さまざまな映画に出演するようになる。とりわけ山田大樹監督「七人のおたく」92や渡邊孝好監督「ぷりてぃ・ウーマン」03などでの、真面目な人物が困惑するコメディ演技は出色。テレビ朝日『京都地検の女』05~などテレビドラマの出演も数多く、厳しいが血の通った刑事や弁護士の役などを得意とする。その間も、三谷幸喜・作『出口なし!』『君となら』『巌流島』に連続出演するなど、コンスタントに舞台に立ち、近年は『炎の人』のゴーギャン役で知られる。無名塾以来の仲間・役所広司の監督作「ガマの油」09では、役所演じる主人公の心に生きるガマの油売り役。主演をつとめた緒方篤監督「脇役物語」10では、主人公の万年脇役俳優の悲哀より好人物の清潔感が強く出た点に、比重に関係なく役を生きる演技者の自負が窺えた。

益岡徹の関連作品 / Related Work

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  • 少年と犬(2025)

    制作年: 2025
    馳星周の直木賞受賞作を、高橋文哉&西野七瀬のダブル主演で映画化。震災から半年後の宮城県仙台市。職を失った青年・和正は、同じく震災で飼い主を亡くした一匹の犬・多聞と出会う。瞬く間に和正や家族に懐く多聞だったが、常に西の方角を気にしていた……。監督は「春に散る」の瀬々敬久。「冬薔薇(ふゆそうび)」の伊藤健太郎、「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の伊原六花が共演。
  • 雪の花 ―ともに在りて―

    制作年: 2024
    江戸末期に疱瘡(天然痘)と闘った医師・笠原良策の実話を基にした吉村昭の小説『雪の花』を、「雨あがる」「峠 最後のサムライ」の小泉堯史監督が映画化した時代劇。疱瘡が猛威を振るうなか、異国では種痘(予防接種)が行われていることを知った良策は、人々の命を救うために困難に立ち向かう。「居眠り磐音」で共演した松坂桃李と芳根京子が主人公の良策と妻の千穂を、蘭方医・日野鼎哉を「峠 最後のサムライ」の役所広司が演じる。2024年第37回東京国際映画祭ガラセレクション出品作品。
  • 愛にイナズマ

    制作年: 2023
    石井裕也が松岡茉優と窪田正孝をダブル主演に迎えて贈るヒューマンドラマ。プロデューサーに騙され、映画監督デビューの夢が泡と消えた26歳の折村花子は、ふと立ち寄ったバーで出会った舘正夫と共に反撃を決意。10年以上音信不通だった家族の元を訪れる。共演は「シン・仮面ライダー」の池松壮亮、「窓辺にて」の若葉竜也、「春に散る」の佐藤浩市。
  • 銀河鉄道の父

    制作年: 2023
    宮沢賢治を支え続けた父・政次郎と家族の深い愛を描いた門井慶喜の直木賞受賞作『銀河鉄道の父』を映画化。岩手県の花巻で質屋を営む宮沢政次郎の長男・賢治は家業を継ぐ立場でありながら、適当な理由をつけてはそれを拒んでいた。農業大学へ進学し、我が道を突き進む賢治に対し、政次郎は厳格な父親であろうと努めるが、つい甘やかしてしまう。やがて、妹・トシの病気をきっかけに筆を執る賢治だったが……。父の政次郎を役所広司、賢治を菅田将暉、妹のトシを森七菜が演じた。監督は「八日目の蝉」「いのちの停車場」の成島出。
  • 終わりの見えない闘い 新型コロナウイルス感染症と保健所

    制作年: 2021
    新型コロナウイルス感染拡大防止に当たる保健所に焦点を当てたドキュメンタリー。2020年春から約10か月間、公衆衛生の最前線である保健所にカメラを据え、保健師や公衆衛生医、保健所職員たちの奮闘や葛藤を取材。保健所機能の役割と今日的課題を描く。監督は、「風の舞 闇を拓く光の詩」の宮崎信恵。ナレーションは、「おとなの事情 スマホをのぞいたら」の益岡徹。
  • シン・ウルトラマン

    制作年: 2021
    1966年の放送開始以来、今なお根強い人気を誇る、“ウルトラマン”を企画・脚本庵野秀明、監督・樋口真嗣の「シン・ゴジラ」コンビが映画化。次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。通常兵器が役に立たない禍威獣に対するため、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍特対(カトクタイ)】を設立。メンバーは日々任務にあたっていた。そんなある日、大気圏外から銀色の巨人が突然出現し……主人公の神永新二を斎藤工、彼とバディを組む浅見弘子を長澤まさみが演じる。西島秀俊、Hey! Say! JUMPの有岡大貴、早見あかりらが脇を固めている。
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