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TBSドキュメンタリー映画祭2024、カンヌでも注目された海外作品2本を招待
2024年3月6日TBSテレビやTBS系列局の記者・ディレクターが手掛けた作品を上映する〈TBSドキュメンタリー映画祭2024〉が、東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌の全国6都市で3月15日(金)より順次開催。2021より続く同映画祭で初の海外招待作品として、「人体の構造について」「オキュパイド・シティ」の2作が上映されることが決まった。 「人体の構造について」(原題) 脳、大腸、眼球、男性器などの外科手術や帝王切開を医師の視点で撮影し、人体の神秘に迫る。監督は「リヴァイアサン」「カニバ パリ人肉事件38年目の真実」を手掛けた人類学者コンビのルーシァン・キャステーヌ=テイラー&ヴェレナ・パラヴェル。2022年度カンヌ国際映画祭で上映。 監督:ルーシァン・キャステーヌ=テイラー&ヴェレナ・パラヴェル 2022年/フランス、スイス、アメリカ/フランス語/118分 © Norte Productions - CG Cinéma - S.E.L - Rita Productions - 2022 https://www.youtube.com/watch?v=_pZ5SgxdMKQ 「オキュパイド・シティ」(原題) 「それでも夜は明ける」のスティーヴ・マックイーン監督が、妻で歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍『Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945) 』をベースに撮り上げた4時間超の大作。ナチス占領下のアムステルダムの記憶と、新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚きの形で重なっていく。製作はA24、2023年度カンヌ国際映画祭で上映。 監督:スティーヴ・マックイーン 2023年/イギリス、オランダ、アメリカ/英語/251分 © 2023 DE BEZETTE STAD BY AND OCCUPIED CITY LTD. ALL RIGHTS RESERVED. https://www.youtube.com/watch?v=2I5iLrcOSB8 -
“間”で魅せる、 今泉力哉の新境地 「アンダーカレント」
2024年3月6日2005年の出版以来、国内外から熱狂的な支持を集める、豊田徹也の漫画『アンダーカレント』(講談社刊)。「映画のよう」と絶賛される原作を、「窓辺にて」(22)、「ちひろさん」(23)などの今泉力哉監督が実写映画化した。 家業の銭湯「月乃湯」を共同経営していた夫・悟(永山瑛太)が失踪し、途方に暮れるかなえ(真木よう子)だが、何とか店を再開。折よく現れた、素性のわからない男性・堀(井浦新)が、住み込みで銭湯を手伝いはじめる。友人・菅野(江口のりこ)の勧めから、悟の調査を依頼した探偵・山崎(リリー・フランキー)とのやりとりで、悟の嘘を知ったかなえは、自身の心の奥底に沈めていた、ある悲しい記憶に踏み入ることに……。 死をモチーフに、普段、胸の奥にしまっていることを、湿度のある映像美で掘り下げていく本作。暗さや重さの際立つ、シリアスな人間ドラマは、軽やかさが持ち味の今泉作品の中で、新境地とも言えよう。たとえば劇中で二度、かなえが回想する、悟との会話シーン。穏やかにかなえの話を聞いていたはずの悟の表情をカメラがとらえると、思いもよらなかった彼の葛藤に触れ、不穏な予兆に震撼する。あるいは、かなえと堀が向き合い、淡々と食事をとるシーン。一見、何の変哲もない、日々の繰り返しのなか、時間の経過とともに、自身でも曖昧だった、月乃湯に来た理由について、堀の気づきと変化が確かに描きだされて、映画オリジナルのラストへとつながっていく。口数少なく、感情の起伏も乏しい登場人物たちの自己の揺らぎを、岩永洋(撮影・照明)の画(え)が豊かに表現している。パートのおばちゃん(中村久美)が、並んで煙草を吸ううちに、堀への警戒心をといてしまう、縁側(「愛がなんだ」(19)の葉子の家!)でのシーンや、かなえが悟と再会する、岬のカフェなどのロケーションも印象的だ。 ストレートに感情を出せない、不器用な人間の複雑さを描き続けてきた、今泉監督らしい、リアルな人間ドラマも健在だ。屈託を抱えた主人公・かなえの繊細な描写は無論、月乃湯の常連で、煙草屋を営むサブじい(康すおん)と堀の、ゆるい交流に、心温まる。土地に根ざし、かなえの過去もよく知る老人が、町を歩きまわりながら、訥々と堀に語りかける言葉の重み。サブじいの思いを、全身で受け容れようとする、堀の深い沈黙。相手の全部をわからなくても、理解しようとする大切さを、映画のなかで生きている登場人物たちと共に体感する、やさしい″間″に、ホッとする。 特典ディスクには、メイキングやイベント映像を収録。メイキングでは、キャスト陣の役への意気込みや、今泉監督の演出についてなど、撮影現場ならではの実感のこもった、生の声が詰まっている。イベントでは、これまでの真木との関係性を映画に取り込んだという今泉監督のユニークなキャスティング秘話や、本作で、映画の神様からギフトを受け取ったと語る井浦のエピソードなど、本篇を観返したくなる話題が盛りだくさんだ。 文=石村加奈 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年3月号より転載) https://www.youtube.com/watch?v=-Qslgj8j_eI 「アンダーカレント」 ●3月6日(水)DVD&ブルーレイ発売(レンタル同時リリース) ▶Blu-rayの詳細情報はこちら ▶DVDの詳細情報はこちら ●ブルーレイ 価格:6,600円(税込) ●DVD 価格:5,500円(税込) ★映像特典★※ブルーレイ、DVDともに共通 予告篇、メイキング、イベント映像集 ※特典ディスクはDVDになります。 ●2023年/日本/本編143分 ●監督・脚本:今泉力哉 脚本:澤井香織 ●音楽:細野晴臣 ●原作:豊田徹也『アンダーカレント』(講談社『アフタヌーンKC』刊) ●出演:真木よう子、井浦新、リリー・フランキー、永山瑛太、江口のりこ、中村久美、康すおん、内田理央 ●発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©豊田徹也/講談社 ©2023「アンダーカレント」製作委員会 -
ジャズピアノに魅了された者たちの熱い一夜を描いた『白鍵と黒鍵の間に』
2024年3月6日実力派俳優・池松壮亮が一人二役でジャズピアニストを熱演 「南瓜とマヨネーズ」や「ローリング」など、繊細な人間描写に定評のある冨永昌敬監督が手掛けた音楽映画「白鍵と黒鍵の間に」のBlu-ray&DVDが、3月20日(水)に発売される(レンタル&TVODは3月6日より)。「ちょっと思い出しただけ」や「シン・仮面ライダー」などで様々な表情を見せる俳優・池松壮亮を主演に迎え、ジャズに魅せられた者たちの熱く幻想的な一夜を描き出す。 原作は、現役のジャズミュージシャンで、エッセイストとしても活躍する南博の『白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編-』。ピアニストとしてキャバレーや高級クラブを渡り歩いた南の青春回顧録を冨永監督と共同脚本を担った高橋知由が大胆アレンジし、南博という人物を南と博という2人の人物設定に変更。ひとりは場末の高級キャバレーで働くジャズピアニスト志望の博、もうひとりは銀座界隈を牛耳る熊野会長(松尾貴史)のお気に入りである敏腕ジャズピアニスト・南。同じ風貌でありながら性格も持ち味も違う2人の男を、池松壮亮が巧みに演じ分ける。 ジャンルを自由に行き来する“ノンシャラント”で魅惑的な物語 昭和63年の年末、銀座。場末のキャバレーでピアノを弾いていた博(池松)は、ふらりと現れた謎の男(森田剛)に懇願され、“あの曲”こと『ゴッドファーザー 愛のテーマ』を演奏する。しかし、その曲をリクエストしていいのは、銀座界隈で幅を利かせている熊野会長だけであり、演奏を許されているのもピアニストの南(池松)だけだった。 この出来事を機に、南と博の運命はもつれ合い、先輩ピアニストの千香子(仲里依紗)や銀座のクラブバンドを仕切るバンマス・三木(高橋和也)、アメリカン人のジャズ・シンガー、リサ(クリスタル・ケイ)などを巻き込みながら、予測不可能な“一夜”へ迷い込んでいく。 煌びやかな夜の街・銀座の喧噪の裏で展開する魅惑的な物語と、それに寄り添う小気味良いジャズのリズム。音楽への情熱といくつもの記憶が重なり合い、ノンジャンルな物語が展開していくさまは、まさに劇中のセリフで何度も出てきた「ノンシャラント」な魅力であふれている。音楽に懸ける情熱も、人生の目的も、人それぞれ自由であり凝り固まる必要はない。人は何のために生きるのか。原作者の南博自身がピアノを奏でるエンディング曲と共に、映画が投げかけるメッセージの余韻を楽しんでほしい。 Blu-rayには作品の魅力をぎゅっと凝縮した111分の映像特典を収録 本作で目を引くのは、何と言ってもジャズピアニストを演じる池松自身が奏でるピアノの旋律だろう。物語のキーソングとなる『ゴッドファーザー 愛のテーマ』も、なんと池松自身が演奏している。 もともと相当な腕前だったのかと思いきや、実は小学校の頃に一瞬習った程度で、譜面は読めないし素養もなかったというから驚きだ。中学校の合唱コンクールではクラスにピアノを弾ける人が一人もおらず、「家にピアノがあるから」という理由だけで伴奏者に抜擢された池松。そんな彼が、できる限り週1回、半年弱かけてピアノを特訓したのだ。その並々ならぬ努力と見事な腕前は、『ラ・ラ・ランド』で同じくジャズピアノを完璧にマスターしたライアン・ゴズリングを彷彿とさせる。 また、劇中で池松演じる博と森田演じる“あいつ”が二人三脚をする珍しい場面があるが、当初の予定では二人三脚をする予定ではなかったこと、なぜあのシーンが作られることになったのかなど、意外なエピソードも披露される。 映像特典では、そんな出演者らの貴重なインタビューやメイキング、舞台挨拶映像と予告映像集を収録。本編の後に観れば、より作品に込められた監督やキャスト陣の熱い想いや撮影現場での苦労を知ることができるはずだ。 文=原真利子 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=Rdlu1t0zHYI 「白鍵と黒鍵の間に」 ●Blu-ray& DVDは3月20日発売(レンタルは3月6日よりリリース) Blu-ray& DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray【初回限定生産仕様】 価格:7,480円(税込) 【ディスク】<2枚組> ★仕様★ ・特製収納ボックス仕様 ★映像特典★(111分) ・メイキング、インタビュー映像集、舞台挨拶映像(2023年9月4日プレミア上映会/2023年10月6日公開初日)、予告映像集(特報/本予告/特別映像4種) ★封入特典★ ・オリジナルサウンドトラック(UHQCD)※劇伴&劇中歌&エンディング音楽収録 ●DVD通常版 価格:5,280円(税込) 【ディスク】<1枚> ★映像特典★(2分) ・予告編集(特報/本予告) ●2023年/日本/本編94分 ●監督:冨永昌敬 ●脚本:冨永昌敬、高橋知由 ●音楽:魚返明未 ●原作:南博「白鍵と黒鍵の間に」(小学館文庫刊) ●出演:池松壮亮、仲里依紗、森田剛、クリスタル・ケイ、松丸契、川瀬陽太、杉山ひこひこ、中山来未、福津健創、日高ボブ美、佐野史郎、洞口依子、松尾貴史 / 高橋和也 ほか ●発売・販売元:ポニーキャニオン Ⓒ2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会 -
大都市シカゴを舞台に、特捜班の刑事たちを描いた警察サスペンスドラマ『シカゴP.D.』。シカゴ警察21分署特捜班のリーダーでありながら、時には一線を超えることもあるベテラン巡査部長ハンク・ボイトと、その仲間の刑事たちの活躍を描いた本シリーズだが、最新作(シーズン9)のDVDレンタルが3月6日、DVD BOXが4月5日にリリースとなる。 現実の社会情勢を反映いたドラマは、リアルでダーク よくある刑事ドラマでは正義感の強い刑事が颯爽と事件を解決するが、本作はあくまでも"警察"ドラマ。刑事も人間でさまざまな事情を抱えており、しかも"警察"という組織の中で働いているので、組織ならではの問題にも直面する。中でも、特捜班のリーダーであるハンク・ボイトは、犯罪捜査のためなら法律に触れる行動も辞さない、必ずしも正義の味方とは言えない人物。彼の行動を通して、リアルで時にはダークな警察の活動が描かれるのがこのシリーズの魅力に一つ。特にこのシーズン9では、シーズン8のラストにおけるボイトの行動が、さまざまな事件を引き起こしていく。 シーズンを通しての物語と毎回完結する事件、2つのドラマが同時進行 このシリーズは「シーズン全体を通して描かれる物語」と「その回で完結する事件」という、2つのドラマが同時進行する構成。エピソードごとの事件はタイプがさまざまで、観る者を飽きさせない。 シーズンを通して描かれる物語は、シーズン8の最終話でボイトと女性刑事アプトンが関わった出来事が影響する。ボイトは彼の信念に基づいて重大な違法行為に手を染め、アプトンはその時はボイトの判断に従うが、その後それが正しかったのかを思い悩むことになる。そしてその事件をFBIが捜査することになり、ボイトとアプトンは窮地に追い込まれてしまう。FBIの捜査はどこまで真相に迫れるのかというスリルとアプトンはどう決心するのかという心理ドラマがシーズン9の見どころである。 並行して描かれる、1話完結の事件も多彩。第4話『暗い水』で、周囲の住民たちから"死の館"と呼ばれる空き家から聞こえてくる悲鳴の正体は何なのか。第8話『一枚岩の亀裂』で、何者かに父親を殺された高校生姉妹は、なぜ刑事にウソをつくのか。事件の背後にある想像を超えた真実と、思いもよらぬ真犯人が暴かれていく。 事件と並行して、人間たちのドラマが展開 事件だけでなく、特捜班の刑事たちのドラマにも注目。前シーズンのラストで凶悪犯に撃たれて重症の女性刑事バージェスは、現場に復帰することをためらってしまう。また、彼女の恋人で同僚のルゼックは、入院中の彼女の代わりに、彼女が引き取った少女マケイラの世話をすることとなり、3人の関係にも変化が起きる。 一方、シーズン8でボイトの違法行為を受け入れてしまったアプトンは、気持ちが乱れ曲がったことが嫌いなジェイに衝動的にプロポーズ。しかし、ジェイは彼女の様子がおかしいと気付く。アプトンとジェイの関係はどうなっていくのか。 そのジェイは、シーズン9を最後に卒業することが決定。第18話『警官見習い』では、人手不足の特捜班に警察学校でも優秀なダンテ・トレスが見習いとして配属され、ジェイはトレスの指導担当となる。トレス役のベンハミン・レビ・アギラルは、グアテマラ出身。実際に、戦闘術クラヴマガの黒帯の持ち主で、ドラマシリーズ『FILTHY RICH/フィルシー・リッチ』(2020)やミニシリーズ『窓辺の女の向の家の女』(2020)などで活躍する注目俳優。シーズン9からレギュラーになり、シーズン10以降、新たな風を吹き込んでくれそうだ。 『シカゴ・ファイア』『シカゴ・メッド』と舞台は同じ 製作総指揮・脚本は『ロー&オーダー』シリーズで知られるTVドラマ界のベテラン、ディック・ウルフ。『ロー&オーダー』シリーズでもスピンオフがあるが、こちらも同じシカゴを舞台にしたドラマが2作進行中。消防士たちを描く『シカゴ・ファイア』、医師たちを描く『シカゴ・メッド』のクリエイターは同じディック・ウルフ。それぞれの登場人物が行き来するクロスオーバー・エピソードもあるので、合わせてみるとより世界の奥行きが深まる。3作とも長寿シリーズになっているのが、面白さの証拠。『シカゴP.D.』も、全米ではシーズン11が放送中。シカゴ警察21分署特捜班の物語は、まだまだ続いてきそうだ。 文=平沢薫 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=Pzezxi1rWOw 『シカゴ P.D. シーズン9 』 ●3月6日(水)DVD(Vol.1~Vol.6)レンタル開始 ●4月5日(水)セルDVD-BOX(5枚組)発売/DVD(Vol.7~Vol.11)レンタル開始 ▶DVDの詳細情報はこちら ●セルDVD 価格:10,450円(税込) ●2021-2022年/アメリカ/全22話/本編約921分 ●製作総指揮・脚本:ディック・ウルフ ●監督:ベサニー・ルーニー、ガイ・ファーランドほか ●出演:ジェイソン・ベギー、ジェシー・リー・ソファー、パトリック・ジョン・フリューガー、マリーナ・スコーシアーティ、ラロイス・ホーキンズ、トレイシー・スピリダコス、エイミー・モートン、ニコール・アリ・パーカー、ベンハミン・レビ・アギラル ほか ●発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント © 2021 Universal Television LLC. All Rights Reserved.
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2023年
2024年3月5日