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ブリジット・バルドー生誕90年祭。オルタナティブビジュアル2種と著名人コメント公開
2024年9月10日ブリジット・バルドーの生誕90年を記念し、主演10作とドキュメンタリー1作を上映する特集〈ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ BB生誕90年祭〉が、9月13日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次開催。オルタナティブビジュアル2種と著名人のコメントが到着した。 オルタナティブビジュアルのモノクロバージョンは「花嫁はあまりにも美しい」(ピエール・ガスパール=ユイ監督/1956年)より、カラーバージョンは「私生活 4Kレストア版」(ルイ・マル監督/1962年)よりバルドーの姿を切り取っている。 〈コメント〉 彼女はどんな服でも着こなすけれど、 それ以上に空気を上手に纏う。 なんだかやる気が起きなくて、重いなぁ。 好きなあの人から連絡がきて、このまま飛べそうな気分! 心が生み出す空気の重さを、BBは私に教えてくれました。 特に『私生活』では彼女が身体よりも空気を動かしているように見え、感動しました。 90歳おめでとうございます! ──アオイヤマダ(ダンサー/俳優) ボブ・ディランの「アイ・シャル・ビー・フリー」という曲に、“国家の成長にはなにが必要か?”と大統領に聞かれ、真っ先に“それはブリジット・バルドー”と答える歌詞が出てくる。 貴方もセクシーでキュートなBBの映画を観れば、きっと納得するに違いない。 ──みうらじゅん(イラストレーターなど) ぼくらの世代にとって雑誌やポスターでこの上ないセックス・シンボルだったバルドーの動く姿を見るのは意外に初めてでした。 『殿方ご免遊ばせ』は面白い!不倫を当たり前に笑いの対象とする50年代のフランス、その時代にここまでジーンズがカッコよく映る女性がいたとは! 色々な意味で時代を先取りした上等なロマンティック・コメディです。 ──ピーター・バラカン(ブロードキャスター) 女優でありシンガーであり、セックス・シンボルであり、ファッション・アイコンであり、ロジェ・ヴァディムとゴダールとゲンズブールのミューズ。 そんな女性はBBしかいない。 彼女の仕草、身のこなし、眼差し...BBの存在をスクリーンで感じよう。 そこには美しくも自由な、奇跡の女性がいるはずだ。 ──野宮真貴(歌手/エッセイスト) ブリジット・バルドーの名前を見たり聞いたりすると、いまだにソワソワ、ゾクゾクします。今回も『恋するオペラ』『花嫁はあまりにも美しい』は必ず、他の作品も時間が許す限り劇場に駆けつけたいと思っております。 ──小西康陽(音楽家) 幸福な“無名の人”だった少女が映画界に見出されスターとなる。夢物語のようだけど実際は、世界中から愛憎入り乱れたミソジニーをぶつけられる囚人のような暮らしだ。こんなセリフがあった。「君が決め、君が選び、捨てる。まるで男だ」。若さと美というパワーを持つBBは「まるで男」。ゆえにバッシングの対象となる構造が浮かび上がる。『甘い生活』と対になった映画のようでいて、BBの内面を掘り下げる『私生活』は壮絶で苦い。そして、とても今日的だ。 ──山内マリコ(小説家) BBは演じない。ただBBとしてそこにいる。 BBの映画はただBBを見せるためだけに作られ、 それが世界に革命を起こした。 それほどの魅力をぜひ体験してください。 ──町山智浩(映画評論家) セックス・アイコンとして世界中の男性を骨抜きにしたからでも、自由な生きざまが女性解放を推し進めたからでもなく、私はただ大きな唇、大きな瞳、大きなヘアスタイルに吸い込まれ、髪型からつま先まで真似をした。『小悪魔ageha』のファッションのルーツには明らかにベベがいるけれど、なぜ私たちがあんなにも真似したくなったかと問えば、男性に媚びるふりをして、実際には男性の思うようにはならない姿が、まさに私たちの気分と一致していたからだと思うのだ。 ──鈴木涼美(作家) BB生誕90年おめでとうございます! BBといえば私には『Bubble Gum』というアルバムだ。これは今聴いても新鮮。 彼女の粋な節回し、軽妙なアレンジ、殊にコンボオルガンの使い方がたまらない名盤だ。 ──近田春夫(ミュージシャン) 昔はテレビで連日、多くの洋画が放送され、バルドー作品も何度となく観て、大好きでした。 カーディガンとスカートにベルトのファッション、ラフな髪型をマネたりもしました。 自由で、かわいくて、何物にも縛られない女の子、という役そのものの彼女は 70年代半ば、時代の変化と共に引退してしまって残念ですが、だからこそ永遠なのでしょう。 今、我が家にはべべという名のネコがいます。 ──松浦美奈(字幕翻訳者) ボーヴォワールのお墨付き!バルドーが現代女性の「セクシー」を創り出した! 僕の従姉妹も60年代にバルドーを真似たマスカラを付けていた。 今こそ、学びたい!すべての憧れの源泉である「セクシュアリティのルーツ」がここにある! ──サエキけんぞう(パール兄弟、作詞家) BB(べべ)。フランス語で“赤ん坊”を意味するニックネームは秀逸。 赤ん坊は人々に混乱を与える。全てが初めてのことで誰しもが混乱する。 BBもそんな衝撃的な存在、憧れても手に入らない全て。 「ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ」。あなたも私も初めての混乱が待っている。 ──浜崎容子(アーバンギャルド) ブリジット・バルドーさんは、私たちの青春時代からスクリーンで活躍されていました。 多くの人に感動を届ける姿には、私たちプロレスラーに通ずるものを感じています。 そして、ブリジット・バルドーさんが動物愛護に力を注いでいらっしゃることは、私たちが大きく共感する部分です。 現在も我が家には、7匹の愛犬がいます。 多くの命を助け、サポートをしているブリジット・バルドーさんに心から敬意を表します。 「ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ」が多くの人に届くことを心から願います。 ──藤波辰爾(プロレスラー)、藤波伽織(キッチンナビゲーター) 映画黄金期の生きる伝説になったBBの特集上映が開催される。 日本にはいない「セクシーな小悪魔」として少年たちの視線を釘付けにした 彼女の魅力が詰めこまれた代表作が一気にこれだけ見られるとは 本当に素晴らしいことだと思う。 嬉しいのは日本初公開となる出演作や長らく見られなかった秀作にも出会えること。 以前は気づかなかったBBの女優としての特別な才能にも今度は注目して見たい。 ──鹿志村和仁(スクリーン編集長) なんといっても、ブリジット・バルドーの『可愛い悪魔』と『私生活』が、私にとっての記念碑的作品。 大物女優ということでは初めて演じた役でした。あの頃は私も若かったから、役になりきるためにヒールの高い靴を履いたり、大胆なドレスを着たりと、色々なムード作りをしました。 彼女の作品の中では『私生活』が一番好きですし、アテレコをやってよかったと思った作品です。 私の人生の上で大きな意義をこの作品はもたらしてくれました。 ──小原乃梨子(ブリジット・バルドー フィクス声優) ※小原乃梨子さんは、2024年7月12日永眠されました。ご遺族のご厚意により、過去の小原さんの発言を抜粋・コメント化しました https://www.youtube.com/watch?v=Pwor0jYaTa4 提供・配給:キングレコード ▶︎ ブリジット・バルドー生誕90年祭開催。日本初公開ドキュメンタリーを含む11作上映 ▶︎ ブリジット・バルドー生誕90年祭。ラインナップ発表、ビジュアルと予告編公開 -
広瀬すず×木戸大聖×岡田将生 豪華共演「ゆきてかへらぬ」ティザービジュアル公開
2024年9月10日広瀬すず、木戸大聖、岡田将生が共演、大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた「ゆきてかへらぬ」が、2025年2月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開となる。その世界観を映し出した2種類のティザー・ビジュアルが公開された。 まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年、中原中也(木戸大聖)と出逢う。どこか虚勢を張り合うふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。その後東京に引っ越したふたりの元を、中也の友人で、のちに日本を代表することになる文芸評論家、小林秀雄(岡田将生)が訪ねてくる。偶然ともいえるその出逢いが、やがて3人の運命を狂わせていく──。 ティザービジュアルのひとつは、日傘を肩に、美しい着物姿で佇む泰子の姿が切り取られたデザイン。「その春は、青じゃない。赤い春だった。」という3人の男女の壮絶な青春を思わせるコピーが印象的だ。 もうひとつは、夜道を背景に泰子、中也、小林が横並びになったデザイン。こちらを睨み付けるような中也に対し、自信ありげな表情を浮かべる小林。そんなふたりに挟まれた泰子は、どこか虚空を見つめているように見える。それぞれの表情も印象的なビジュアルとなっている。また、「3つの愛の、行き着くそこ。」という意味深なコピーが添えられ、出口のない3人の行く末を暗示させるかのようだ。 この2つのビジュアルデザインは、名だたるアーティストのアルバムデザインやアートワークを担当し、映画『ラストマイル』や映画『キングダム』シリーズ、ドラマ「海のはじまり」などのビジュアルも手掛けるアートディレクターの吉良進太郎がによるもの。 広瀬は着物姿のほか、大正時代の枠にとらわれないモダンなファッションの数々に挑戦。目まぐるしく変わる広瀬の装いにも注目だ。 「ゆきてかへらぬ」 監督:根岸吉太郎 脚本:田中陽造 出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生 ©︎2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会 配給:キノフィルムズ -
異性愛を常識とするあり方に対抗して1990年代に〈ニュー・クィア・シネマ〉を牽引し、一貫してティーンエイジャーを描いてきたインディーズ界の鬼才グレッグ・アラキ。彼が当時放った衝撃作「ドゥーム・ジェネレーション」(1995)と「ノーウェア」(1997)が、デジタルリマスター版でリバイバルされる。前者は11月8日(金)より、後者は11月15日(金)より、渋谷ホワイトシネクイントほか全国で順次公開。 プロデューサーに「異性愛映画を撮ったら予算をあげよう」と提案されたアラキ監督が、反骨精神あふれるパンクなやり方で完成させた“史上最もクィアな異性愛映画”の「ドゥーム・ジェネレーション」。そして、ジェットコースターのようなスピード感で若者たちの《終末》の一夜を描き、監督自身が「3部作(※)の中で間違いなく最も野心的な作品」と評する「ノーウェア」。 (※「ドゥーム・ジェネレーション」「ノーウェア」に「トータリー・ファックト・アップ」(1994)を加えた3作は〈ティーン・アポカリプス・トリロジー〉と称される) [caption id="attachment_41585" align="aligncenter" width="850"] 「ドゥーム・ジェネレーション」[/caption] 「ティーンエイジャーの映画を作るのが好きなんだ。彼らの“ホルモンが狂った生活”には、忘れられない高揚感がある。彼らは1日に10回生きては死ぬような興味深い題材であり、私がこの世界について感じていることを体現している」という監督は、自身の映画を「アウトサイダー、パンクス、クィア、社会やコミュニティに馴染めない人たちのためのもの」と位置づける。 「ドゥーム・ジェネレーション」がサンダンス映画祭でプレミア上映されてから約30年を経て、サンダンス協会がフィルムアーカイブコレクションに「ドゥーム・ジェネレーション」「ノーウェア」を選出し、支援したことで、今回のデジタルリマスターが実現した。2023年の同映画祭では「今回の映画祭で見た中で最も大胆で素晴らしい映画は28年前に作られたグレッグ・アラキの『ドゥーム・ジェネレーション』だった。この作品はX世代の不安や焦燥感を描いた暴力的でエロティックな衝撃作だ」(Indiewire誌)と称賛された。 初公開時はカットされたストレートな性表現も含めたディレクターズカットで、鮮やかかつ刺激的に甦る。 [caption id="attachment_41586" align="aligncenter" width="850"] 「ノーウェア」[/caption] 「ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版」 監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ 出演:ローズ・マッゴーワン、ジェームズ・デュバル、ジョナサン・シェック 製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ、アンドレア・スパーリング 1995年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/5.1ch/英語/84分 日本語字幕:佐藤南 原題:The Doom Generation 映倫区分:R-15+ 配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE ©1995 UGC and the teen angst movie company 「ノーウェア デジタルリマスター版」 監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ 出演:ジェームズ・デュバル、レイチェル・トゥルー、ネイザン・ベクストン、キアラ・マストロヤンニ、デビー・マザール 製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ 1997年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/5.1ch/英語/83分 日本語字幕:長夏実 原題:Nowhere 映倫区分:R-15+ 配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE ©1997. all rights reserved. kill. 公式サイト:greggaraki-movie.com
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「エクソシスト」「恐怖の報酬」のウィリアム・フリードキン監督がアル・パチーノ主演により、ニューヨークのアンダーグラウンドのゲイ・カルチャーを背景に犯罪捜査の行方を描いた問題作「クルージング」(1980)が、11月8日(金)よりシネマート新宿ほか全国で順次公開される。メインビジュアルが到着した。 1973年から79年にかけ、ニューヨークで実際に起きた猟奇連続殺人事件。SMクラブに出入りするゲイたちが標的となり、バラバラにされた死体の一部はビニール袋に詰められ、ハドソン川に投げ捨てられていた。興味を抱いたフリードキンを驚かせたのが、逮捕された容疑者が「エクソシスト」で病院シーンに出演した放射線科の看護師だったことだ。 容疑者への面会体験、元NY市警の友人に取材したゲイ・コミュニティ潜入捜査談、そして自ら足を運んで目撃したSMクラブの狂態を脚本に盛り込み、フリードキンはかつてないクライムサスペンスを完成させた。 ところが本作は同性愛差別を助長するとして、製作発表時から公開後まで全米で猛抗議を受け、批評も興行も振るわず、長らく語る者も稀だった。だが近年、「パルプ・フィクション」のクエンティン・タランティーノ、「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン、「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマら名監督がフェイバリットに挙げ、各国のクィア映画祭ではHIVウイルスが蔓延する前のゲイ・カルチャーを記録した貴重な作品として再上映されるなど、再評価が進んでいる。 SMゲイ・カルチャーの洗礼を受けて揺らぐ男性アイデンティティと精神の闇に迫った、先鋭的な野心作。待望のリバイバルだ。 Story 夜のニューヨークでゲイを狙った連続殺人事件が発生。密命を受けた市警のバーンズ(アル・パチーノ)はゲイを装い、“ストレート”立入禁止のSMクラブで潜入捜査を開始する。そして男たちの性の深淵を彷徨い、身も心も擦り減らしていく中、ついに犯人の手掛かりを掴むが……。 「クルージング」 出演:アル・パチーノ、ポール・ソルヴィーノ、カレン・アレン 脚本・監督:ウィリアム・フリードキン 製作:ジェリー・ワイントローブ 原作:ジェラルド・ウォーカー 音楽:ジャック・ニッチェ サントラ参加アーティスト:ウィリー・デヴィル、ザ・クリップルズ、ジョン・ハイアット、マデリン・フォン・リッツ、ミューティニー、ラフ・トレード、ジャームス 1980年/アメリカ/カラー/ヴィスタ/DCP/102分 原題:WILLIAM FRIEDKIN‘S CRUISING キングレコード提供 コピアポア・フィルム配給 © 2024 WBEI
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相米慎二監督の後期の名作「お引越し」(1993)「夏の庭 The Friends」(1994)が、4Kリマスター版となって12月27日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。 「お引越し」は、両親の別居に揺れる少女の物語。4Kリマスター版は第80回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門(Venice Classics)に出品されて最優秀復元映画賞を受賞し、フランスをはじめ各国で上映、「30年の時を経て、ついに姿を現した」「青春映画の偉大な作品」と称えられた。「夏の庭 The Friends」は、奇妙な老人と関わりを持った少年トリオの成長記。4Kリマスター版は、相米特集が組まれた今夏の香港映画祭でワールドプレミア上映された。 [caption id="attachment_41573" align="aligncenter" width="850"] 「お引越し」[/caption] 両作キャスト陣のコメントも到着。 田畑智子(「お引越し」レンコ役) 「お引越し」は私自身のデビュー作であり、思い入れしかない、宝物のような作品です。 小学生だった私は、まさか30年経ってもまだこの仕事をしているなんて思ってもいませんでした。 相米監督に出会って私の人生が変わった。あの夏はそのぐらいの出来事でした。 それが今、またスクリーンで観られる! みなさんがどういう感想を持ってくださるのか、すごく興味が湧きます。 改めて観る方も、初めての方も、現代だからこそ響くところがきっとあるし、相米監督のつくる世界をいろんな方に楽しんでもらいたいです。 中井貴一(「お引越し」 父・ケンイチ役) 相米監督との出会いは、人見知り合戦からスタート。お互い、人見知りで、「東京上空いらっしゃいませ」の顔合わせが進まず、トイレから帰って来た相米監督が、突然、「中井、ゴルフやる?ゴルフ行こう」と。 その一週間後、ゴルフをラウンドしながら、打ち合わせ、顔合わせとあいなった。そこからの、お付き合い。 「お引越し」は、一ヶ月、京都ロケ。しかも、お盆時期。インバウンドの盛んな今ほどではないが、実際の大文字山をバックに撮影などとは、車量、人の数からして正気の沙汰ではない。 それを、平然と実行するのが、相米組の凄さ。 まだまだ、話すエピソードの尽きぬ、思い出の映画である。 最も敬愛し、最高の友人でもあった相米慎二の凄さを、再び体感してほしい。 笑福亭鶴瓶(「お引越し」木目米先生役/「夏の庭 The Friends」葬儀屋役) 相米監督には「東京上空いらっしゃいませ」からずっと出演させてもらったのですが、その時は別に何とも思わなかったですね。ただウマが合って、僕と相米監督と安田プロデューサーと中井貴一で〝あほの会″というのを作って月に一回ご飯食べに行ったりしてましたね。 いま番組で色々な監督と出会う機会が多いのですが、〝相米さんはどうやった″とずっと聞きはるんですよね。若い監督が相米慎二の事を神さんみたいに尊敬しててそんな監督の作品にずっと出してもうてた僕までもがなんか羨ましがられて...。改めてすごい人やったんやなと実感してます。 ただ人間的には無茶苦茶ですよ。それでも人に好かれていて不思議な人ですね。 あの偉大さを今ようやくわかったというか、ただの友達と思ってましたがすばらしい監督ですね。 戸田菜穂(「夏の庭 The Friends」近藤夏子先生役) 私の映画デビュー作は、相米慎二監督の「夏の庭 The Friends」で、三國連太郎さん淡島千景さんの孫の役だったと話す時、とてもとても誇らしい気持ちになります。 「わあ、虹きれい」このセリフ、何度やってもオッケーがもらえず、「ダメ」「ダメ」「違う」と言われ続けました。 静まり返る現場で一人ぼっち、頼れるのは自分しかいない。これがプロの厳しさだと教わりました。本当に虹がきれいだと思ってセリフが言えるまで、延々と繰り返されたこの尊い経験がいつも私の根底にあります。 あの夏の神戸、小さな家、庭、コスモス。今はもう会えない相米監督。。。 あの少年たちはいくつになったのかなあ。 あの夏に行ける! もう一度映画館で! 試写室から出てきた相米監督の目には光るものがあり、それはとても優しい目でした。 [caption id="attachment_41575" align="aligncenter" width="850"] 「夏の庭 The Friends」[/caption] 「お引越し」 監督:相米慎二 脚本:奥寺佐渡子、小此木聡 出演:中井貴一、桜田淳子、田畑智子、笑福亭鶴瓶 1993年/124分/日本 ©1993/2023讀賣テレビ放送株式会社 ひこ・田中「お引越し」 「夏の庭 The Friends」 監督:相米慎二 脚本:田中陽造 出演:三國連太郎、坂田直樹、王泰貴、牧野憲一、戸田菜穂、笑福亭鶴瓶 1994年/113分/日本 ©1994/2024讀賣テレビ放送株式会社 ©1992湯本香樹実/新潮社 配給:ビターズ・エンド