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草彅剛の天才的な迫真の芝居を堪能すべし! リベンジエンタテインメント『罠の戦争』
2023年6月21日役と同化してしまう迫真の演技が天才的とも称される草彅剛が、6年ぶりに民放の連続ドラマに帰ってきた。弱者による強き権力者への復讐劇を描いた草彅主演の連続ドラマ『罠の戦争』のBlu ray&DVD BOXが、6月21日に発売された。政界が舞台の見応えある野心作であると共に、迫力ある草彅の芝居に惹きつけられる作品で、放送で見逃した方も、この機会にぜひ見て欲しい連ドラだ。 復讐劇を描く待望の“戦争シリーズ”第3弾 フジテレビ系列で2023年1~3月に全11話を放送した『罠の戦争』は、骨太な攻めたドラマ作りに定評のある関西テレビが制作。物語としての繋がりは全くないが、草彅が主演し、主要スタッフが共通した、2015年放送の『銭の戦争』、2017年放送の『嘘の戦争』に続く、“戦争シリーズ”の第3弾で、同シリーズとしても、草彅の民放連ドラ出演作としても、6年ぶりとなる。 草彅が今回演じたのは、約20年も尽くしてきた政治家に裏切られた議員秘書・鷲津亨。ある日、鷲津とその妻・可南子(井川遥)のひとり息子・泰生(白鳥晴都)が、歩道橋の階段から転げ落ち、昏睡状態に陥ってしまう。実は何者かに突き落とされたらしいのだが、鷲津が長年仕えている国会議員の犬飼孝介(本田博太郎)は、鷲津に事故だと納得するよう指示。常に冷静沈着で、仕事のためには自分を殺し、我慢するのが当たり前だと思ってきた鷲津だが、この理不尽な要求だけは受け入れられず激昂。鷲津は長い秘書生活で培ってきた政治の世界での知略と人脈と情報を駆使し、事件の真相を追うと同時に、権力を振りかざして事件の隠蔽を計る国会議員たちに壮絶な復讐を果たしていく。愛する家族を傷つけられた弱者が、知略を尽くして鮮やかな“罠”を仕掛け、悪しき政治家を失脚させるリベンジエンタテインメントだ。 様々な顔を演じ分ける草彅剛のハマリ役 息子に瀕死の重傷を負わせた事件の犯人と、その事件の隠蔽を犬飼に依頼してきた黒幕は誰なのか、隠蔽しようとした理由は何なのか。物語が進むにつれ意外な人物や事実が判明していく。事件の犯人と、隠蔽に関わった者たちや黒幕を探しだし、彼らに復讐を果たしていく物語かと思いきや、本作はそれだけで終わらない。物語は物凄いスピードで二転三転し、予測不能な怒涛の展開を見せていく。鷲津が仕掛ける罠、仕掛けられる罠に、鷲津本人を含めた様々な人々が翻弄されていくのだが、権力者に闘いを挑むために権力者の力を奪い、より大きな力を求めた鷲津自身が、大きな変貌を遂げていくことにもなっていく。 優しそうな家族想いの男が激変していく役回りは、草彅にピッタリ。硬軟自在で瞬時に熱量を高める爆発力にも定評があり、明るい男や凡庸そうな男から、無機質でクールな男や熱い激情の男、天使のような善人から悪魔のような強面まで、様々な役柄で全く違う顔を見せる草彅の芝居が、本作ではたっぷり堪能できる。本作は顔のアップや長回しにより迫力や緊張感を生む演出も多いが、それに耐えうる草彅の彫が深くて陰影のある顔立ちと圧倒的な演技力は、見る者を惹きつける俳優としての引力や説得力がある。 民放のドラマ界から離れていたこの6年、毎年のように主演の連ドラが放送されていた頃に比べると、草彅の露出は減っていた。しかしその間も草彅は、舞台や映画、NHKのドラマなどに出演して進化を続け、トランスジェンダーの主人公を演じた2020年の映画「ミッドナイトスワン」では、日本アカデミー賞やブルーリボン賞などで主演男優賞を獲得している。今回、久々に連ドラで主演を務め、全11話にわたってその圧倒的な表現力を披露した草彅には、改めて俳優としての稀有な才能や魅力のある、ドラマ界にも欠かせない存在だと、多くの人に再認識させたことだろう。 クランクアップ直後の熱気の中で収録されたキャスト座談会など貴重な映像特典 俳優として脂の乗り切った草彅の芝居を堪能するだけでもお薦めだが、もちろん本作の魅力はそれだけに留まらない。草彅演じる鷲津と共闘する家族や仲間たち、鷲津と対峙する政治家や敵たちにも演技力の高い豪華俳優陣がキャスティングされており、その芝居のぶつかり合いも見応えがある。特に小澤征悦、高橋克典、本田博太郎、片平なぎさ、岸部一徳らが演じるリアルティのある強かな政治家たちは大きな魅力となっている。 そして、“戦争シリーズ”全作の脚本を手掛けてきた後藤法子による、展開が早く先の読めない物語も面白い。様々な人間が罠を張り巡らせ、罠に嵌め合う、タイトルに偽りなしのスリリングな物語となっている。鷲津がどんな変貌を遂げていくかも含め、詳細を知らずにジェットコースターのような驚きの展開を楽しんでもらいたいし、一度見始めると止まらなくなることだろう。 6月21日に発売されたBlu ray&DVD BOXには、メイキング、草彅剛&井川遥&小野花梨&宮澤エマによる座談会、杉野遥亮インタビューなどの特典映像と、貴重写真満載のスペシャルブックレットなどの封入特典が収められている。メイキングでは撮影現場の模様と共に、同い年の草彅と小澤征悦がオリジナル曲を弾き語りするギターセッションのオフショット、クランクアップ時に草彅と私設秘書役の杉野がお互いに「大好きだー!」と叫びながら抱き合う微笑ましい姿、キャスト陣が現場の充実ぶりを語るクランクアップコメントなどを見ることができる。“戦争シリーズ”で培われてきたスタッフのチームワークに、座長・草彅の人柄もあって、士気が高くて温かい撮影現場だったことが伝わってくる。 また、座談会やインタビューは、クランクアップ直後に現場の熱気を保った中で収録されており、各シーンや結末に関して、それぞれがどのような気持ちで演じたのかを詳細に明かしている。ドラマを見終わった人たちが知りたいことを、結末を踏まえて語ってくれる特典映像というのは実は多くないので、かなり貴重だ。さらに議員秘書役を演じた小野と杉野は各特典映像で、尊敬できる先輩の草彅に出会えた喜びや感謝の想いを心から語っており、草彅がいかに後輩俳優たちから慕われていたかもわかる。草彅の役柄とは全く違う明るくテンションの高い普段の様子や、本作に込めた熱い想いを語る姿なども豊富に収められており、本作のファンには必携の特典映像となっている。 文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=-w5ZH9KZk0Q 『罠の戦争』 ●6月21日(水)Blu-ray&DVD発売 ▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray BOX:31,020円(税込) ●DVD BOX:25,080円(税込) 【特典映像】(Blu-ray、DVD共通) メイキング/座談会[草彅剛×井川遥×小野花梨×宮澤エマ]/インタビュー[杉野遥亮] 【封入特典 】(Blu-ray、DVD共通) スペシャルブックレット(32P)/「鷲津亨選挙ポスター」プレゼント応募券 ●出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨 ・ 小澤征悦、宮澤エマ ・ 高橋克典、片平なぎさ、 岸部一徳 ●脚本:後藤法子 ●音楽:菅野祐悟 ●主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan) ●プロデューサー:河西秀幸 ●演出:宝来忠昭 ●演出・プロデューサー:三宅喜重 ●制作著作:カンテレ ●発売元:カンテレ 販売元:ポニーキャニオン ©カンテレ -
ノルウェーの鬼才エスキル・フォクトが、超能力に目覚めた子どもたちが巻き起こす物語を描き、2021年にカンヌ国際映画祭ある視点部門出品、2022年にノルウェーのアカデミー賞と称されるアマンダ賞で監督・撮影・音響・編集の4部門受賞を果たしたサイキックスリラー「イノセンツ」が、7月28日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開。場面写真が到着した。 郊外の団地。夏休みに親しくなった4人の子が、親の目の届かないところで隠れた力を覚醒させる。庭や遊び場でその力を無邪気に試す中で、やがて奇妙なことが起こり始め……。 ヨアキム・トリアーの右腕として「母の残像」「テルマ」「わたしは最悪。」の共同脚本を手掛けたエスキル・フォクト。長編監督2作目となる「イノセンツ」は、同じく団地でサイキック・ドラマが巻き起こる大友克洋の『童夢』にインスパイアされて撮り上げたという。不穏な美しさを湛えた映像世界に注目したい。 「イノセンツ」 監督・脚本:エスキル・フォクト 撮影:シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン 出演:ラーケル・レノーラ・フレットゥム、アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ、ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム、サム・アシュラフ、エレン・ドリト・ピーターセン、モーテン・シュバラ 2021年/ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン/ノルウェー語/カラー/原題:De uskyldige/英題:THE INNOCENTS/日本語字幕:中沢志乃 提供:松竹、ロングライド 配給:ロングライド 公式サイト:https://longride.jp/innocents 〈作品コピーライト〉 © 2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES 〈場面写真コピーライト〉 ©Mer Film
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うめざわしゅんの漫画を映画化。監禁事件から3人が交差する「海の夜明けから真昼まで」
2023年6月20日うめざわしゅんの漫画を原作に、監禁事件をきっかけにした3人の物語を描いた「海の夜明けから真昼まで」が、8月4日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかで順次公開。新予告と原作者&著名人のコメントが到着した。 『ダーウィン事変』で〈マンガ大賞2022〉大賞を受賞したうめざわしゅん。彼のオムニバスシリーズ『一匹と九十九匹と』に収録された一編を映画化したのが本作だ。 監督は短編「情動」が田辺・弁慶映画祭で審査員特別賞を受賞した新鋭・林隆行。監禁事件を起こす謎多き男を演じるのは「ミッドナイトスワン」などの吉村界人。事件の被害者であり物語の鍵を握る女子高生・工藤麻衣役には羽音。麻衣の同級生である氏家役には「許された子どもたち」の上村侑。 映画は2022年9月にテアトル新宿、10月にシネ・リーブル梅田で、林隆行監督のオムニバス映画「人間、この劇的なるもの」の一編として短期公開され、このたび晴れて単独公開となる。若い才能が現代社会に一石を投じた意欲作、注目したい。 〈コメント〉 描いた時は自己嫌悪に近い感覚しか抱けなかった登場人物たちが みんな愛おしく感じられて当時の感情がようやく昇華されました。 個人的にはめちゃくちゃ爽やかな青春ムービーだと思います。 原作は見なくていいので、こっち観て下さい。 ──うめざわしゅん/原作者・漫画家 自分は「普通」だと思い込んで生きている人々の異常さ。 「普通」から外れてもなお、生きようと足掻く人の尊さ。 こんな素敵な人間たちを目の当たりに出来て、一緒に悩めて、喜べる瞬間が得られるから、 私は映画が好きです。 ──東出昌大/俳優 光が、音が、波が、影が、そして終われない生が流れていく。 ひさびさに映画でただの完璧な時間に遭遇した気がする。 ──成田悠輔/経済学者・起業家 人生は手探りだ。正しい答えなど存在しない。 この映画ではトンネルや灯りのない部屋、或いは、夜の高架下といった“暗がり”を描いている。 それは「人生が前方不良なものである」と示唆しているかのようなのだ。 他方、光の射す在処も意図的に描かれている。暗がりを抜けてゆく道程こそが最も暗い。 だが、憂うなかれ。その先にあるは、光の射す場所なのである。 林隆行監督は若者たちの歩む姿を繰り返し描いている。 それゆえ、暗がりを抜けてゆくプロセスにこそ、人生にとって重要な何かがあるはずだと言わんばかりなのだ。 ──松崎健夫/映画評論家 Story 寂れた港町で、“ある男”が監禁事件を起こす。 被害者の女子高生・工藤麻衣は、復学するも浮いた存在となった。 そんな彼女に唯一話しかける同級生が氏家だ。 彼はたびたび問題行動を起こし、学校に馴染めていない。 ある日、クラスメイトの陰湿な嫌がらせに氏家は暴力で対抗。 その姿を目の当たりにした麻衣は、“ある男”の言葉を思い出して行動に出る。 監禁生活で麻衣が受け取ったもの、彼女が起こした行動の意味とは──。 ある男、麻衣、氏家。3人が交差し、思いがけない結末に向かう。 「海の夜明けから真昼まで」 出演:吉村界人、羽音、上村侑、遠藤留奈、若林時英、櫻井健人、三浦獠太、林裕太、山﨑翠佳、栗林藍希、さくら、カトウシンスケ 監督・脚本:林隆行 原作:うめざわしゅん「海の夜明けから真昼まで」(「一匹と九十九匹と」所収) 製作:ARARAT、SKALY、kigo inc. プロデューサー:松原史和、加島貴彦、松井優、羽染達也 ラインプロデューサー:大門剛 音楽:加藤久貴 音楽プロデューサー:濱野睦美 撮影:安岡洋史 照明:織田誠 美術:中村三五 装飾:室井彩香 衣装:石谷衣 ヘアメイク:七絵 アクションコレオグラファー:高槻祐士 編集:中村幸志朗 VFX:KASSEN 音効・整音:渡辺寛志 キャスティング:田中裕也、大橋優衣 助監督:土田準平 制作担当:石賀康寛 デザイン:南浦ソウスケ 制作プロダクション:ARARAT 宣伝・配給:「海の夜明けから真昼まで」製作チーム、ARARAT 2022/日本/77分/カラー/アメリカンビスタ/ステレオ ©「海の夜明けから真昼まで」製作チーム・ARARAT 公式HP:https://umino-yoake.com/ -
高橋洋が脚本。ソウルの地下鉄駅に憎悪が蠢く日韓合作ホラー「オクス駅お化け」
2023年6月20日韓国でヒットしたWEB漫画を、Jホラーの巨匠・高橋洋が脚本を手掛けて映画化した「オクス駅お化け」が、10月6日(金)より全国公開。特報映像とティザービジュアルが到着した。 バズらせることがすべての駆け出し記者ナヨンは、ソウルの地下鉄〈オクス駅〉で起きた人身事故を記事にすることに。ボーイフレンドのウウォンを助手にして取材を進めると、「線路に子供がいた」という奇妙な証言に出会い、またある目撃者は取り憑かれたように謎の数字を連呼する。やがて周囲で変死が相次ぎ……。 監督は「人形霊」など数々のKホラーを手掛けてきたチョン・ヨンギ。主演は『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』のキム・ボラ。共演はN.Flyingのドラマーであり、日本のドラマ『君と世界が終わる日に』に出演したキム・ジェヒョン。韓国では小規模公開ながら初登場第3位を記録した。 〈コメント〉 脚本:高橋洋 『オクス駅お化け』の脚本を書いたのは今から5年前。パク・クネ政権末期の頃です。オクス駅はソウルのど真ん中、漢江の近くに本当にある駅で、実際の駅名を堂々と出してホラー映画を作るなんて…と日韓の感覚の違いに驚いたというか、羨ましく思いました。地下深くにある廃駅にも案内されました。映画にも地下鉄の廃駅が出てきますが、あれも本当にあるんです。僕は列車恐怖症で、書いている間、怖くて大変でしたが、そういう苦労が映画から伝わってくれると嬉しいです。いかにも韓国映画らしいエグい展開が待っていますが、実は元ネタは日本で戦後まもなく起こった、あるおぞましい事件です。 監督:チョン・ヨンギ 「オクス駅お化け」は、日本のホラー映画の巨匠である高橋洋さんとのコラボレーションにより製作されました。ほとんど前例のない日韓共同製作で完成したホラー映画「オクス駅お化け」は、韓国と日本のホラー映画の特徴と長所を融合し、日本の皆様にも大いに楽しんで頂ける作品に仕上がったと思います。また、映画に登場する4桁の数字は、韓国で児童を対象とした犯罪事件の日付であり、忘れずに覚えておきたいという思いで慎重に入れました。日本の皆様に映画を楽しんで頂き、そのことにもほんの少し気に留めて頂けますと幸いです。 「オクス駅お化け」 脚本:高橋洋、イ・ソヨン、白石晃士(脚本協力) 監督:チョン・ヨンギ 出演:キム・ボラ、キム・ジェヒョン、シン・ソユル 2022年/韓国語/80分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:옥수역귀신 配給:松竹ODS事業室 PG12 Copyrights ©2023, MYSTERY PICTURES & ZOA FILMS, ALL RIGHTS RESERVED https://obake-movie.com -
2022年
2023年6月19日