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1980 僕たちの光州事件
韓国の歴史的事件“光州事件”のただなかで、ささやかな幸せを踏みにじられていく平凡な家族の姿を描いた歴史ドラマ。1980年5月17日、祖父念願の中国料理店がオープンし、明るい未来を夢見ていたチョルス。だが彼らの前に、思わぬ悲劇が待ち受けていた。出演は「権力に告ぐ」のカン・シニル、「人類滅亡計画書」のキム・ギュリ。パク・チョンヒ大統領暗殺事件を描いた「KCIA 南山の部長たち」、その直後に起きたチョン・ドゥファンによる軍事クーデターのてん末を描いた「ソウルの春」に続き、韓国の市民が切実に民主化を求めた“光州事件”は「光州5・18」や「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」など何度も韓国で映画になっている。本作は権力が市民の小さな幸福をいかにして踏みにじるのか、また悲劇の中にあっても大切な人を守りたいと願う思いがいかに尊いものであるかを、時にユーモアを交えながらも切々と描いてゆく。 -
少年(2024)
CMディレクターとして活動し、1985年にシナリオ『助監督』で第11回城戸賞に入賞を果たした旦雄二が監督した青春ドラマ。1999年国旗国歌法強行採決抗議デモの実景ショットからクランクインし、25年の時を経て追加シーンを加えて完成させた。どこにも居場所がない高校生ジュンは、国旗国歌法成立直後の卒業式でたまたま起立斉唱しなかったことが政治行動と決めつけられる……。2001年にモデルとしてデビュー、本作のクランクイン後に「ロストパラダイス・イン・トーキョー」に出演、「水平線」では長編監督に挑んだ小林且弥が孤独な少年ジュンを演じた。他の共演者はドラマ『GTO』の中村愛美、「プラトニック・セックス」の留奥麻依子。 -
日本・彼らは帝国の終わりを見た
日本はなぜ、どのように戦争に突き進んだのか……。昭和元年から20年まで、ある在日フランス人家族の目を通して日本戦争史を見つめたドキュメンタリー。監督はパリを拠点に欧州の放送向けドキュメンタリーを手がけ、「天皇と軍隊」「国家主義の誘惑」などを監督してきた映像作家・渡辺謙一。2024年、ドイツ・フランス公共放送ARTEにて初放送。2025年、特集『渡辺謙一監督と民主制を考える』として、同じく渡辺謙一監督がフランスで制作した「台湾・デジタルデモクラシー」と併せて特別2本立て上映。 -
そして、アイヌ
東京の大久保にあるアイヌ料理店“ハルコㇿ”の店主でアイヌ文化アドバイザーの宇佐照代を中心に、アイヌのみならず、在日コリアンや被差別部落などに対する根強い差別や偏見の問題、世代を越えて受け継がれていく文化への想いに迫ったドキュメンタリー。監督は「ケアを紡いで」の大宮浩一。美術作家の奈良美智や評論家の太田昌国らが出演。 -
土曜日の男
その男、土曜日だけ凶暴につき……。アンガー・マネジメント(怒りの感情の自己コントロール)に問題を抱えながらも社会正義を実現しようともがく青年の闘いを描いたインド発、テルグ語のアクション映画。保険セールスマンのスーリヤは一見普通の若者だが、アンガーマネージメントに問題を抱えている。彼の亡き母は、怒りを感じたらまず抑え込み、土曜日まで待ってから行動せよと少年の彼を戒めた。彼はノートに1週間の想いをしたためる。その習慣は大人になっても続き、毎週土曜日に彼の怒りが爆発する。監督は新鋭ヴィヴェーク・アートレーヤ、主演はS・S・ラージャマウリ監督の人気作「マッキー」のナーニ。主人公の自制力を試すかのような悪役を、タミル語映画界の個性派俳優、「ジガルタンダ・ダブルX」のS・J・スーリヤーが演じている。 -
ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
2024年ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞の2冠に輝いたドキュメンタリー。パレスチナ人青年バーセル・アドラーとイスラエル人ジャーナリストのユヴァル・アブラハームが、イスラエル占領下のパレスチナ人居住地区の実情を4年に渡って記録した。さらに、パレスチナ人とイスラエル人という立場を越え、対話を重ねて生まれたバーセルとユヴァルの友情も映し出す。監督には、彼らのほか、ハムダーン・バラールとラヘル・ショールが加わり、パレスチナ人2人とイスラエル人2人の計4人が名を連ねた。 -
聖なるイチジクの種
「悪は存在せず」で2020年第70回ベルリン国際映画祭金熊賞を獲得するなど国際的に高い評価を得る一方、イラン当局からの弾圧を受け続けるモハマド・ラスロフ監督によるサスペンス。2022年にイランで起きたある若い女性の不審死に対する政府抗議運動を背景に、家庭内で消えた一丁の銃を巡り家族も知らない家族の顔が炙り出されていく様を描く。2024年、ラスロフ監督は国家安全保障関連の罪で実刑判決が確定し、命がけでイランを脱出、第77回カンヌ国際映画祭に出席した。第77回カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。第97回アカデミー賞国際長編映画賞ドイツ代表作品。 -
セプテンバー5
オリンピック史上最悪の悲劇として今なお語り継がれる1972年ミュンヘン五輪で起きた人質テロ事件を描く社会派ドラマ。世界が注目する事件を突如中継することとなり極限状態に置かれたTVクルーたちの視点で事件発生から終結までの1日をノンストップで活写する。出演は「ニュースの天才」のピーター・サースガード、「パスト ライブス/再会」のジョン・マガロ、「ありふれた教室」のレオニー・ベネシュ。監督は「プロジェクト:ユリシーズ」のティム・フェールバウム。 -
ここにいる、生きている。 消えゆく海藻の森に導かれて
海藻の森が減少する“海の砂漠化”を通して、気候変動に対してどのように行動するべきかを問うドキュメンタリー。海のゆりかごとも呼ばれ、海の命を育む海藻の森が急速に砂漠化しているなか、日本各地の海岸に足を運び、そこに住む子どもたちや漁師、研究者と語り合う。監督は「The Taste of Nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方」の長谷川友美。 -
いもうとの時間
「人生フルーツ」などを送り出した東海テレビドキュメンタリー劇場第16弾。1961年に発生した名張毒ぶどう酒事件。死刑判決を受けた被告・奥西勝は無実を訴え続けるも2015年に獄中死。唯一の再審請求人で現在94歳の妹・岡美代子は兄の無罪を信じ、長生きを誓う。2024年2月に放送されたTV『いもうとの時間 名張毒ぶどう酒事件・裁判の記録』に追加取材・再編集した劇場版。ナレーションは「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」の仲代達矢。監督は「ふたりの死刑囚」「眠る村」の鎌田麗香。