「KILLER 第一級殺人」のストーリー

1929年。米カンザス州北東部にある連邦刑務所に着任した信任看守ヘンリー・レッサー(ロバート・ショーン・レナード)は、信念と理想に燃えていた。そんな中、新たに送られてきた囚人の一人カール・パンズラム(ジェームズ・ウッズ)は、入所早々、冷酷な看守グライサー(ロバート・ジョン・バーク)から容赦ない仕打ちを受けていた。殴られて血だらけの彼を見かねたレッサーは、彼に1ドル札を差し入れる。職務を逸脱した夫の行動を知ったレッサーの妻エスター(カーラ・ブオノ)は、その身を案じた。一方、パンズラムは、レッサーに対する礼として、自分がこれまでに犯してきた凶悪な犯行の数々を文字にするから、それを新聞社に売れと申し出た。明らかな服務規定違反に、一度は申し出を断ったレッサーだが、好奇心も手伝って、ある夜、彼に紙と鉛筆を差し入れた。そこに記されていたのは、彼が犯罪者となるいきさつだった。レッサーは、貧しく複雑な生い立ちの境遇ゆえに犯罪世界に陥ったパンズラムが、すさんだ刑務所生活によって、一層凶悪さを増したことを知る。その冷酷な殺人記録に戦慄するレッサーは、次第にその文書がパンズラムにとっての“遺書”ではないかと悩み始める。腐敗しきった刑務所の中で、パンズラムとの友情にも似た奇妙な連帯感が芽生えてきたことも彼を苦しめた。そんなある日、パンズラムの房から鉛筆が発見され、罰として独房に換金された。グライサーたちの拷問にも耐え、鉛筆が自分からの差し入れであることを言わなかったパンズラムに、レッサーは感謝した。しかし、独房から出た後、パンズラムはグライサーを撲殺してしまう。裁判で有罪となれば間違いなく死刑であり、何とか彼の命だけでも救いたいと考えたレッサーは、高名な精神科医メニンガー博士に相談し、精神異常による免責に持ち込もうとする。だが、パンズラムはあくまでも“殺人鬼”としての極刑を希望し、診断を拒否し続ける。そして、審判が下り、彼は絞首刑に処せられ、レッサーは最後の瞬間に立ち会った。彼はその後、刑務所を辞職した。

今日は映画何の日?

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