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- 阿知波悟美
略歴 / Brief history
北海道瀬棚郡今金町の生まれ。高校時代に見た劇団民芸の札幌公演『奇跡の人』でサリバン役の奈良岡朋子の芝居に感動し、役者を志した。80 年、日本工学院専門学校の演劇課を卒業後、賀原夏子主宰の劇団NLT に入団。86 年の『レ・ミゼラブル』初演のオーディションに合格し、鳳蘭とのダブルキャストでマダム・テナルディエ役を演じて高い評価を受けた。以後も『血とバラ』『ラブ』など数々の舞台に立つ。89 年のTBS『ホテル物語・夏』でテレビドラマ初出演。同年のTBS『雨よりも優しく』では浅野ゆう子の同級生役で注目を集め、NHK『ひらり』92 で演じた石田ひかりをいじめる“ すみれ” 役がお茶の間に強くアピールした。その後も舞台と並行してテレビドラマなどで活躍。TBS『おとなの選択』92、『ダブル・キッチン』『イエローカード』93、『適齢期』94、日本テレビ『金田一少年の事件簿』95、フジテレビ『ヘルプ!』95 などで、コミカルな存在感も発揮できる貴重なバイプレイヤーとしての地位を確立していった。映画は92 年の大森一樹監督「継承盃」で初出演。続いて金子修介監督「毎日が夏休み」94、小椋久雄監督「白鳥麗子でございます!」95 などに出演したのち、伊丹十三監督の「静かな生活」95、「スーパーの女」96 に連続して起用される。98 年には伊藤俊也監督「プライド・運命の瞬間」、合津直枝監督「落下する夕方」、平山秀幸監督「愛を乞うひと」と話題作への出演が相次ぎ、以降も「ゴジラ2000・ミレニアム」99、「恋するトマト」05、「俺は、君のためにこそ死ににいく」07 や、故郷の北海道を舞台にした「銀のエンゼル」04 などに助演するが、目立って大きな役柄はなく、その巧みな個性派ぶりはもっぱら舞台やテレビドラマで発揮された。飾らない庶民派のキャラクターはバラエティ番組などでも重宝されている。ドラマの出演作はほかに、NHK『元禄繚乱』99、『純情きらり』06、日本テレビ『愛の流刑地』07、TBS『ヨイショの男』02、フジテレビ『天使のお仕事』99、『ウォーターボーイズ2』04、テレビ朝日『ベストフレンド』99、『点と線』07、テレビ東京『ケータイ捜査官7』08、『サギ師リリ子』09、WOWOW『シリウスの道』08 などがある。
阿知波悟美の関連作品 / Related Work
作品情報を見る
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ゴジラ2000 ミレニアム
制作年: 1999ハリウッドに進出したゴジラが、2000年の日本に復活し未知の地球外生命体と壮絶なバトルを繰り広げる怪獣パニック映画のシリーズ23弾。監督は「誘拐」の大河原孝夫。脚本は「あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE」の柏原寛司と「天才えりちゃん金魚を食べた」の三村渉の共同。撮影を「修羅がゆく8 首都血戦」の加藤雄大が担当。特殊技術に「モスラ3 キングギドラ来襲」の鈴木健二。主演は「プライド 運命の瞬間」の村田雅浩と「ナビィの恋」の西田尚美。72点 -
落下する夕方
制作年: 1998恋人との別れ、先輩の事故…、辛い現実と向き合うことの出来ない女性が、ひとりの女性との出会いと死別の中で再生していく姿を捉えたドラマ。監督は「MISTY」(三枝健起監督作)で製作を務めた合津直枝で、これが監督デビュー作。脚本は江國香織の同名小説を基に、合津監督自身が脚色。撮影を「D坂の殺人事件」の中堀正夫が担当している。主演は「時をかける少女」(角川春樹監督作)の原田知世と「JOKER/疫病神」の渡部篤郎、「エコエコアザラク」の菅野美穂。第48回ベルリン国際映画祭パノラマ部門、第22回香港国際映画祭、第33回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペティション部門、第22回モントリオール国際映画祭今日の映画部門、第3回釜山国際映画祭アジアの女性監督特集部門、第34回シカゴ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。