「ロング・ウォーク・ホーム」のストーリー
1955年、アラバマ州モンゴメリー。典型的な南部の白人家庭の主婦であるミリアム・トンプソン(シシー・スペーセイク)は、保守的な夫ノーマン(ドワイト・シュルツ)と2人の娘に囲まれた生活に満足していた。9年間勤めているメイドのオデッサ・コッター(ウーピー・ゴールドバーグ)は、一家にとってなくてはならない存在だった。この年、ひとりの黒人女性が白人にバスの席を譲らなかったことから逮捕された、いわゆるローザ・バークス事件が起きた。これを不当とする5万人の黒人たちがバスをボイコットする運動へと発展、彼らは車で仲間を相乗りさせて抵抗した。急進派ではないオデッサもトンプソン家までの9マイルの道のりを歩いて通うことを決意し、見かねたミリアムは夫に内緒で彼女を車で送り迎えした。始めはただオデッサにいつものように働いてもらいたいだけの彼女だったが、人種差別の実態を知るにつれ、彼女の心の中も次第に変化していった。そんなある日、禁を破ってバスに乗ったオデッサの長女が白人の不良たちにからまれた。彼女を助けたのは幼い弟で、殴られても無抵抗で立ちはだかる弟の姿に、姉は初めてこの運動が自分たちの誇りを賭けた闘いである事を知る。オデッサ送迎の事実を知ったノーマンは激怒し、反発したミリアムは夫と対立する。黒人たちと相乗りを買って出たミリアムにオデッサは熱い友情を覚え、彼女の無事を祈る。だが、ある日、夫を含む差別主義者の白人たちが相乗り場へ押しかけてきた。ミリアムが決然と彼らに立ち向かった時、オデッサら黒人たちは手をつなぎ歌いながら白人たちに向かって歩きだした。その中にはミリアムの姿もあった。