- キネマ旬報WEB トップ
- オペラの怪人(1943)
- ストーリー
「オペラの怪人(1943)」のストーリー
エリック・クローダン(クロード・レインズ)は20年来のパリ・オペラ座交響楽団員を解職させられた。彼は、オペラ座のプリマ・ドンナ、ビアンカロリの代役を勤めるクリスティン・デュボア(スザンナ・フォスター)の隠れた実父で秘かに娘の勉学費を稼いでいた。彼は必死になってピアノ演奏曲を書き上げ、音楽出版社に持ち込んだが喧嘩となり、プレイエルを殺害してしまった上、彼の女秘書に硫酸をかけられ、二眼とみられぬ恰好になってオペラ座の地下室に逃げ込んだ。以来彼は発狂状態で娘の身を思い詰め、ビアンカロリを眠らせてまでもクリスティンを舞台に立たせようと図ったが、それが失敗するやビアンカロリを殺し、更に劇場の大シャンデリアを落として大混乱を巻き起こしたりした。これらの犯行はすべて黒マントの仮面姿で行なわれたので世人はオペラ座の怪人と呼んで恐怖した。一方クリスティンに恋するオペラ歌手のアナトール(エドガー・バリア)は彼をおびき出すために彼の作曲した協奏曲の演奏をフランツ・リストに頼んだ。それを聞いた地下室のクローダンは、連れ込んでいたクリスティンに無理やり主題のメロディをうたわせたが、彼女はそれが幼い日の想い出に連なることに気づいた。ラオールとアナトールが駆けつけ、ラオールの射った1弾はそれて、壁が轟然と崩れて怪人はその下敷となってついえた。その後クリスティンは亡き怪人に親愛の情を覚えつつ、立派な歌手に成長していった。