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「14歳」のストーリー
26歳の深津稜(並木愛枝)は中学教師になっていた。14歳の頃、学校の飼育小屋が放火され、いつも理科室でビーカーの中の紙を燃やしていた彼女は犯人に疑われ、問い詰める教師の背中に彫刻刀を突き刺したことがあった。以来、精神科に通院していた深津は、医師の影響で教職の道に進んでいたのだった。杉野浩一(廣末哲万)は深津の元同級生で、電気会社の測量士になっていたが、夢中になれるものは何一つなかった。14歳の頃の彼はピアノを弾くことに夢中だった。しかし、音楽教師に「そろそろ真剣に進路のことを考えないとな」と言われ、ピアノを弾くことを封印したのだった。ある日杉野は上司に頼まれ、アルバイトとして14歳の少年、雨宮大樹(染谷将太)にピアノを教えることになる。大樹は母親の愛情を処理しきれず、同級生からの好意にも歪んだ感情をぶつけることしかできなくなっていた。一方、深津が家庭訪問した一原知恵(小根山悠里香)は、受験勉強のために大好きなバレエを辞めさせられ、大人を信用できずに苛立っていた。そんな14歳の少年・少女たちと向き合う深津、杉野が12年ぶりに再会する。そして二人は、現実の14歳を生きる彼らを相手にするうちに、14歳だった過去の自分たちと対峙することになるのだった。