「ショパン 愛と哀しみの旋律」のストーリー
フレデリック・ショパン(ピョートル・アダムチク)は祖国ポーランドを逃れ、ウィーンを経てパリに辿り着くが、音楽家としての才能を認められずにいた。しかし有力者たちの集まるサロンで、人気ピアニストのフランツ・リストがショパンのエチュードを見事な演奏で披露したことから、ショパンの才能はパリに知れ渡る。ショパンはリストから、女流作家ジョルジュ・サンド(ダヌタ・ステンカ)を紹介される。サンドはフランス最大の作家と言われる一方、前夫と財産と2人の子供の親権を巡る裁判中であり、その間にも数々の男との関係を噂されていた。サンドはショパンの才能に惚れ込み、その想いを彼にぶつける。一方、ポーランド貴族の娘マリアに求婚し、彼女の両親の許しを待っていたショパンは、サンドに関心を示さない。しかしショパンは持病を理由に結婚を断られ、寝込んでしまう。ショパンが肺炎で倒れたことを聞いたサンドはすぐに駆けつけ、滋養に富んだ料理を作る。ショパンは彼女の優しさに心を動かされ、2人の関係が始まる。2人はショパンの療養と作曲に集中するため、サンドの息子モーリス(アダム・ヴォロノヴィチ)と娘ソランジュ(ボジェナ・スタフラ)とともにマヨルカ島へ旅立つ。温暖な島のはずだったが、かつてない雨が降り、ショパンの病状は悪化する。それ以降、冬はパリ、夏はノアンにあるサンドの別荘で暮らすようになる。ショパンは次々と名作を生み出していく。しかしモーリスは、母の愛を独占しようとするショパンを快く思わず、ソランジュはショパンに尊敬以上の感情を抱くようになっていた。そんな2人はやがて、ある悲劇を巻き起こす。