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「巌流島」のストーリー
慶長17年(1612年)、“巌流島の決闘”で佐々木小次郎に圧勝した宮本武蔵。だがその後、彼はこの闘いについて多くを語らず、死の直前に記した『五輪の書』に於いても一切記述を残していないと言う。果たして、巌流島で何があったのか……?“男は殺し、女は犯す”剣の腕は天下一だが、人間的にはサイテーだった武蔵。手込めにした女・かめの兄・助蔵を脅し、彼の漕ぐ舟で小次郎との決闘の舞台である舟島(巌流島)へと向かった武蔵は、その途中、助蔵に櫂で殴られ気を失ってしまう。一方、舟島では小次郎が武蔵の到着を立会人の今井と吉本と共に待っていた。実はこの闘い、決闘という名目で細川藩が仕組んだ小次郎の暗殺劇。例え武蔵に勝っても、立会人のふたりに殺されることになっている。しかし、小次郎はそれを承知の上で尚、正々堂々と闘うと言う。それが、武士の世界の掟だからだ。やがて、一艘の舟が到着した。ところが、降りて来た助蔵を小次郎は武蔵と勘違い。しかも、彼との闘いに敗れてしまった!これには助蔵自身もビックリ仰天。武蔵を乗せたまま、慌てて逃げ帰る。暫くして、武蔵が目を覚ました。だが、彼は記憶をすっかり失っており、人柄までも変わっていたのである……。そんな訳で、武蔵に巌流島の決闘を語れる筈が無く、『五輪の書』にも記述されることは無かったのだ。