「プリンセス・カイウラニ」のストーリー

1889年、反王制派の反乱のなかハワイを脱出したカイウラニ王女(クオリアンカ・キルヒャー)は、父親アーチボルトとともにイギリスに向かい、父親の旧友テオ・デイヴィーズとその家族に向か入れられた。息子クライヴ(ショーン・エヴァンス)は王女の美しさに魅かれ、妹アリスは王女が抱える孤独を敏感に察する。アリスと一緒に寄宿学校で学び始めた王女は、人種差別に直面する。彼女の慰めとなったのはデイヴィーズ兄妹だった。やがて王女クライヴと深く愛し合うようになっていく。そんなある日、王女はサンフランシスコにいたカラカウア王死去の報を受け取る。母親代わりに慈しんでくれた叔母リディアがリリウオカラニ女王となりカイウラニ王女を王位継承権第1位に指名する。リリウオカラニ女王は、新憲法を受け入れるように迫るサーストン(バリー・ペッパー)やドール(ウィル・パットン)に屈しなかったため、彼らはアメリカに軍事行動を取るよう画策する。王女がクライヴのプロポーズを受けたと知ったテオは、アーチボルトから送られた“王制崩壊”の電報を王女に見せなかった。しかし、ある日突然、王女のもとに父親が姿を現す。クライヴとの結婚に難色を示す父親から電報について問いただされた王女は隠されていた電報を目にする。彼女は故国ハワイを選び、クライヴに別れを告げる。父親から王制崩壊の顛末とその後に起きたアメリカ軍による国民虐殺の詳細を聞かされた王女は、アメリカ大統領クリーブランドに暫定政権を支持しないように要請するためワシントンに向かう。最初の上陸地ニューヨークで会見した王女は力強いスピーチとエキゾチックな美貌、洗練された物腰で待ち受けていたマスコミを圧倒した。評判を耳にした大統領夫人から昼食に招待された王女は持ち前の機知と外交的手腕を駆使し、同席した大統領の懐柔に成功する。だが王女が帰郷したとき、臨時政府が「ハワイ共和国」樹立を宣言。合併式典への出席を拒否した王女にサーストンから歓迎祝宴を主宰するよう要請される。サーストンの要求を受け入れる王女の心にある決意が芽生えていた……。