「ダウン・バイ・ロー」のストーリー

ルイジアナ州ニューオリンズ。ジャック(ジョン・ルーリー)は、チンピラでポンびき。情婦ボビー(ビリー・ニール)にあいそづかしされているところへ、縄ばりをはり合っているギグ(ロケッツ・レッドグレア)に騙されて投獄されてしまう。一方、ザック(トム・ウェイツ)は、リー・ベビー・シムズの名でディスク・ジョッキーとして結構売れていたこともあるが、ジャガーを一時間運転するだけで1000ドルの報酬という話にのって、ワナにかけられて逮捕される。こんな2人が、OPP(オリンズ・パリッシュ・プリジン)の同じ獄房に入れられた。むっつりとしたザックと態度の大きいジャックは、初対面からうまくいかない。そこにロベルト(ロベルト・べニーニ)という変なイタリア人旅行者がぶち込まれてくる。彼はカタコトの英語で2人に話しかけ、3人はスクリーム(叫ぶ)とアイスクリームをかけ合わせたジョークを発しながら騒ぎたてる。ロベルトは殺人で投獄されたのだという。ロベルトの発案で、3人は堂々と脱獄してしまい、川を渡り野や森をぬけてようやくボート小屋にたどりついた。そこでジャックとザックは、これからミシシッピーに向かうかテキサスに向かうかでいがみ合う。翌朝ボートで川をのぼる3人。ボートは、しばらくすると同じ風景に戻ってしまい、浸水して沈んでしまう。先導した奴が悪いと口論が始まり、とっくみ合う彼ら。ザックはDJ調に森の観察をしゃベりつづけ、ジャックは人生をぼやき、ロベルトは母が得意だったといううさぎ料理の話を夢中でする。数日後に蜃気楼のような道に出て、夜ルイジの店と書かれた一軒屋の前に出る3人。偵察に行ったロベルトがなかなか戻ってこない。びくびく近づく2人。中には暖かい料理とワインでもてなされているロベルトの姿があった。彼の前で話を聞いているのは、ニコレッタ(ニコレッタ・ブラスキ)で、ロベルトは彼女に恋をしたと宣言する。彼はここに残ることに決め、翌日、ジャックとザックは、ニコレッタとロベルトを残して、再び出発する。相手が右へ行くといえば自分は左に行くというジャックは、ぴったりと分かれ道で別れそれぞれの道を進むのだった。