「ブリガドーン」のストーリー

ブリガドゥーンとは、100年にたった1度、スコットランドの高原に現れる不思議な村。狩にやって来たニューヨーク子のトミー(ジーン・ケリー)とジェフ(ヴァン・ジョンソン)はスコットランドの高原で道に迷い、一夜を明かすとこの村を見たのだ。村はちょうど村娘ジーンと若者チャーリーの結婚式で賑っていた。トミーはジーンの姉娘フィオナ(シド・チャリシー)の美しさに打たれた。そして妹のために花を摘みに出かける彼女に同行して楽しいひとときを過ごした。やがて結婚式がめでたく取り行われたが、ジーンに失恋した若者ハリーが失望のあまり村を出るといったため、村人は恐怖の底におちた。村人の誰かが1歩境界を出たら、村は永久に霧の中に消え、2度とこの世に目ざめることがなくなってしまうからであった。村人は夕闇をついてハリーを探したが見つからず、一同は不安と焦躁にかりたてられた。トミーとジェフも同行していたが、鳥を狙って射ったジェフの弾がそれて、木の上に隠れていたハリーに命中した。息子の死を悲しむ父の嘆きのうちにも、一同は安堵の胸を撫で下ろした。ブリガドゥーンに許された1日も残り少なくなり、トミーはこの村に止まりたい思いをこらえて霧の中に消え去るフィオナを見送った。しかし、華かなニューヨークも、許婚ジェインの美貌も、トミーの心からブリガドゥーンを消してはくれなかった。トミーはジェフを誘ってふたたびスコットランドの高原を訪れた。そして村のあった谷間にじっと目をこらしていると、不思議にもなつかしい村の灯が浮かび上がって来た。トミーが村境の石橋を渡って走りこむと、そこにはフィオナが待ちかまえていた。