「真夏の夜の夢(1936)」のストーリー
アテネの都はわき返る様なにぎわいだ。大公が婚約者のヒポリタと共に帰ってこられて、明日は盛大な華燭の典が挙げられるのだ。街中が酔って笑っているのに、美しいハーミアだけは泣いている。父が選んだディミートリアスと結婚しなければ、法律通りに死ぬか、終生尼僧となるか、の他はない。で、思い切ってハーミアは恋仲のライサンダーと2人で魔の森に駆け落ちした。ハーミアの親友でディミートリアスに想いを寄せているヘレナは、この事を知らせてディミートリアスにハーミアを断念させようと彼に告げる。ところが彼は断念せずかえって2人を追って森にはいる。ヘレナもやむなく追跡する。一方森では妖精の王様オーベロンと女王ティターニアが仲たがいして、オーベロンは悪戯者の従者パックに旨を含めて女王を懲らしめる事とし、自分は用足しに赴く。そこへ、更に大公の結婚式の余興に芝居をやるアテネの職人達が、織工のボトムを先頭に芝居の稽古をしようと森へやってきた。森の夜は妖精の世界であるのに、人間どもが恋の鞘当てや芝居の稽古をしに来たとは生意気な、とパックは媚薬を用いて、ライサンダーもディミートリアスもヘレナに恋させてしまう。そして一方ではボトムの頭をろばの頭にして、妖精の女王ティターニアをボトムに惚れさせる。これで森の中は大騒ぎとなった。妖精達は地霊達が奏する不可思議なメロディに乗って、森中を踊り飛び交う。パックは1人手を打って笑い興じ、人間どもの愚かさに腹を抱える。ところへ、オーベロンが帰ってきて、パックの悪戯が度を過ぎる、と叱りつける。その時分には東の空が明るみ始め、やがて夜があける気配だ。妖精達に日の光は大禁物、戯れ騒いでいた一同はどこかに姿を消してしまう。そして媚薬の呪い解けてライサンダーとハーミア、ディミートリアスとヘレナとが改めて愛を得る。ボトムの頭も元の人間に返り、職人達の芝居は大好評を博する。大公の結婚式が済むとライサンダーとハーミア、ディミートリアスとヘレナの結婚も大公のお許しを得て挙げられ、四方八方円満の太平業となる。