ザ・プレイヤー

ざぷれいやー The Player
上映日
1993年1月15日

製作国
アメリカ

制作年
1992
上映時間
124分

レーティング
一般映画
ジャンル
コメディ

check解説

ハリウッドのメジャー・スタジオの副社長が起こした殺人事件を中心に、いわゆるハリウッド人種たちの奇妙な生態を描いたブラック・コメディ。「ゴッホ」のロバート・アルトマン監督作で、最近ニューヨークやパリに活動の場を移していた彼のハリウッド復帰作である。いきなりオーソン・ウェルズ監督の「黒い罠」の冒頭シーンを思わせる8分6秒の複雑な移動撮影を駆使したワン・ショットから始まるなど、全編にわたって映画にまつわる様々な話題で綴られる。本国でもヒットしたほか、92年カンヌ国際映画祭監督賞・主演男優賞、92年度ゴールデン・グローブ賞作品賞(コメディ・ミュージカル部門)などを受賞した。製作は「評決」のデイヴィッド・ブラウン、ニック・ウェシュラーと本作の原作(ハヤカワ文庫)・脚本を書いたマイケル・トルキンの共同。撮影はジャン・ルピーヌ、音楽は「恋の時給は4ドル44セント」のトーマス・ニューマンが担当。主演のティム・ロビンスは「ボブ・ロバーツ」で脚本・監督を務めた俊英。また映画スターの本人役で、ジュリア・ロバーツ、ブルース・ウィリス、シェール、アンジェリカ・ヒューストン、ジャック・レモン、ニック・ノルティなどのスターたちがアルトマンの要請に応えてユニオンの提示する最低のギャラで出演している。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • 89bubble93

  • ミャーノフ大佐

     ロバート・アルトマンだからでしょ、本筋に関係ないところでこんなに主役、準主役級の役者出てくるなんて。なんてもったいない、なんて思わないで。誰が出ていたか楽しむのが良いでしょう。クレジットには出てないんだけど、パーティの中で手話で話していた女性、マーリー・マトリンじゃない?間違っていたらごめんなさい。
     アルトマンは、公開時に田舎の映画館で「M★A★S★H マッシュ」を見て以来好きな映画監督だ。アルトマン作品ときたら見ないわけには行かない。この映画も公開時に観に行っている。
     映画の出だし、いきなり映画撮影のスタートから始まる。これは「M★A★S★H マッシュ」でも似たように始まる。そして長回し。映画冒頭の台詞の中にもあるオーソン・ウェルズの「黒い罠」の冒頭の長回しシーンをなぞるかのように長回しを行っている。私はこの「黒い罠」をほぼ1年後にどこかの名画座で観た。
     ストーリーは映画界、特に会社側の内幕物で映画会社名が実名でバンバン出てくる。映画界の内幕物ではエリア・カザンの「ラスト・タイクーン」、デイミアン・チャゼルの「バビロン」(未見)、ウディ・アレンの「さよなら、さよなら、ハリウッド」(これは内幕物とはちょっと違うか)、「雨に唄えば」も内幕物と言えなくもない。ただ、アルトマンだけに皮肉に満ちている。無能で映画を知らないボードの連中が権力争いをしていく。主人公のグリフィン・ミル(ティム・ロビンス)に匿名の脅迫めいた葉書やFAXが届いており、恨みのある脚本家だろうと見当をつけて、違う脚本家を殺してしまう。ハリウッドの内幕と殺人事件の捜査とを並行して描きながら話が進んでいく。さて、この殺人事件ってストーリーの中に必要だったのかな。ハリウッドの内幕をもっと掘り下げて描いていって良かったんじゃないか。重役室のシーンで壁に古き映画のポスターが張られているんだけど、これが映画のストーリーに関わっているのかと思ったけど、なんせ英語なんで判りませんでした。
     映画の中の映画の試写シーン(ここで、スーザン・サランドン、ピーター・フォーク、ジュリア・ロバーツ、ブルース・ウィリスが出てくる)で、ラストがハッピーエンドに変更されているんだけど、その引き合いに出されるのが「危険な情事」で、ラストを試写会の観客の評判で変更したという話。この話は「危険な情事」の公開後に聞いたことがある。当時、アメリカではラストは観客の評価によって変えている、と映画評論家が語っているのを記憶している。「ダイ・ハード」なんかもラスト、倒したはずの敵が出てくるよね。今は、もっとVFXを入れろ、とかになっているのかな。
     主演のティム・ロビンスは、この頃は主役級で映画に出まくっていたのに、最近は観ないなあ。昨年末にストリーミング観た「あなたになら言える秘密のこと」に出ていて、ずいぶん変わってしまった彼を久しぶりに観た。

「ザ・プレイヤー」のストーリー

グリフィン・ミル(ティム・ロビンス)は大手映画スタジオのエグゼクティヴだ。最近、彼を悩ます出来事が2つあった。ひとつは20世紀フォックスからやり手プロデューサー、リーヴィー(ピーター・ギャラガー)が引き抜かれてくるという。もうひとつは、企画をボツにされた脚本家から頻繁に脅迫状が届けられることだ。売れないライターのデイヴィッド・ケヘイン(ヴィンセント・フィリップ・ドノフリオ)をその送り主とみたグリフィンは、彼と会う。が、口論の末、勢い余ってケヘインを殺してしまう。だが翌日、死んだはずの男からファックスの脅迫状がグリフィンのもとに送られてくるのだった。しかも、ライバルのリーヴィーは予定より早く会社を移って来ることになり、グリフィンの焦りは増していく。そんな折、グリフィンは葬式で知り合ったケヘインの恋人で画家のジューン(グレタ・スカッキ)のもとを訪れる。彼女との会話に安らぎを覚えたグリフィンは、彼女をスタジオのパーティに招待し、2人はやがて恋人同士になる。続いてグリフィンは、ヒットの見込みのない脚本をリーヴィーにつかませて罠に陥れることに成功する。全てがうまくいこうかという時、事件の夜の目撃者が現れる。だが、目撃者の記憶は定かでなく、彼は放免される。1年後、グリフィンは社長死去の後をうけて社長に就任、ジューンと順調な結婚生活を送っているのだった。

「ザ・プレイヤー」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「ザ・プレイヤー」のスペック

基本情報
ジャンル コメディ
製作国 アメリカ
製作年 1992
公開年月日 1993年1月15日
上映時間 124分
製作会社 アヴェニューピクチャーズ作品
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 ステレオ

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