「鏡の中にある如く」のストーリー
別荘で過ごす一家の一日の出来事。作家である父親のダビッド(グンナール・ビヨルンストランド)、十七歳の息子ミーナス(ラルス・パッスガルド)娘のカリン(ハリエット・アンデルソン)と、彼女の夫、医師のマーチン(マックス・フォン・シドー)の四人。或る日の夕方、父親と医師は海に網打ちに出た。そこでカリンの病気がはかばかしくなく、彼女の精神分裂症は悲観的な結果しか予測出来ないことを父親は聞いた。夜中、カリンは眠れないままに父を訪れた。そこで父の日記を見た。父親であることは別として、カリンの病気を作家として見守っていこうと書いてある。忠実に記された彼女自身の病状を読んでカリンは完全に乱れてしまった。翌朝、ダビッドとマーチンは町へ買いだしに出かけた。留守中カリンは思春期を迎えている弟に悪魔が自分の体の中に入って来るのだと言った。いつものように夕立が襲ってくる。カリンは捨てられた朽船で雨を避けた。彼女の体を心配したミーナスは毛布を持ってきて優しく包んでやった。その時カリンの体を悪魔がつき抜けるのを感じた。カリンは夢中でミーナスを抱いた。その罪の意識でカリンはまたも乱れてしまった。マーチンは早速彼女を町の病院に送ることにした。その準備をしている間、カリンは二階で神に会おうとした。その有様をカリンの姿から彼女の病気を悪化させたものが何であったかを、はじめて気づいたのだった。