レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う

れにんぐらーどかうぼーいずもーぜにあう Leningrad Cowboys Meet Moses
上映日
1994年7月23日

製作国
フィンランド

制作年
1994
上映時間
94分

レーティング
一般映画
ジャンル
コメディ

check解説

超リーゼント頭のロックバンドの活躍を描くコメディ「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」から5年後に作られた続編で今回も荒唐無稽なストーリーのロード・ムービーとなっている。メキシコを後にした彼らはニューヨークのコニーアイランドから大西洋を渡りフランス、ドイツ、チェコ、ポーランド、そしてついに故郷であるツンドラ地帯へと北上していく。監督・製作・脚本は前作同様アキ・カウリスマキ。撮影はティモ・サルミネン、美術はジョン・エブデン。音楽はマウリ・スメンが担当している。出演はカウリスマキ作品の常連マッティ・ペロンパー、同監督の「ラヴィ・ド・ボエーム」にも出演したアンドレ・ウィルムス、そして前作で結成され、実際に音楽活動を展開させているレニングラード・カウボーイズ。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」はロシアのロックバンドがアメリカへ渡り、ニューヨークからメキシコまでのロードムービーだったが、本作はそのレニングラード・カウボーイズがメキシコからアメリカ経由でフランスのブルターニュ、ドイツのフランクフルト、ライプチッヒ、ドレスデン、チェコ、ポーランドをたどってロシアまでたどり着くロードムービーだ。
     相変わらずとぼけた感じで良いのだが、笑いにまでいくかというと今ひとつ笑えないんだよなあ。上記で書いた様にヨーロッパの中を転々と移動していくんだけど、その土地土地でのエピソードが割と似通っている感じかな。見直すとそれぞれ逸話を入れているんだけど、結局はその場所でバンド演奏して、となる。
     自由の女神の鼻を盗んだモーゼ(マッティ・ペロンパー)を追ってCIAのジョンソン(アンドレ・ウィルムス)が追いかけるのだが、途中で逆に捕まってしまって、で、その後別の人間に変装してまた近づいて来るんだけど、今ひとつ面白くないんだな。
     ドレスデンの駅だったかで、モーゼとバンドの一人が聖書と資本論を読みあうところが面白かった。途中、湖の畔で木を燃やすシーンがあるのだが、そしてこれがサブスクのサムネイルになってたりするんだけど、このシーンの意味がわからない。このロードムービーの中での意味は何なのだろう。
     アキ・カウリスマキ映画常連のマッティ・ペロンパーは相変わらずの怪演で観ていて楽しい。この映画が1994年の映画で、彼が亡くなったのが1995年だ。この映画か「愛しのタチアナ」がカウリスマキ映画の最後となってしまった。
     ところで皆さん、気づきましたでしょうか。映画の3分の1くらいのところか、おそらくニューヨークだと思うが、モーゼが壁に世界地図を広げてブルターニュに上陸する事を説明しているシーン。後ろに張られている世界地図が日本で使われている世界地図なんだよね。アメリカで使われている世界地図は当然ながら大西洋が真ん中になっている地図なんだよね。だから日本はアメリカの地図上で一番東の端っこなんで極東なんだよ。

「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」のストーリー

“史上最悪のロック・バンド”、レニングラード・カウボーイズが故郷シベリアを去って数年が経っていた。メキシコでのヒットも過去の栄光になり、落ちぶれた彼らの前に、突然失踪していたマネージャー、ウラジミール(マッティ・ペロンパー)が現われる。彼は「私はモーゼに生まれ変わった。使命はお前たちを故郷に帰らせることだ」と言う。ウラジミール以上に独裁的なモーゼは粗末なボートで彼らをアメリカから脱出させる。そして故郷に運ぶ御神体として自由の女神の鼻を盗み出す。一行はブルターニュの最西端に上陸し、どこから調達したのかおんぼろバスで移動し、演奏活動で飢えを防ごうとする。しかし仕事場は老人ホームや場末のホテルばかりで彼らの窮状はますます深刻になっていく。その上、自由の女神の鼻の奪回を目指してCIAの諜報員ジョンソン(アンドレ・ウィルムス)が彼らを追っていた。ジョンソンは彼らを罠にはめることに成功、捉えるが、すぐに脱走されてしまう。任務の失敗を悔いて自殺しようとするが雷鳴とともに聖書を見いだし、予言者エリアに変身する。そしてモーゼと再会し、彼らと同行することを許される。ライプチヒ、ドレスデン、そしてポーランドへと彼らは旅を続ける。途中、仲間のひとりが病気になるがみんなで必死にお金を手に入れ、病院で一命を取り留めさせる。ようやく故郷に近づいたとき、モーゼは「聖書ではモーゼは約束の地を見なかった。ヨーロッパの民のもとに戻らなくてはならない」と述べる。そしてレニングラード・カウボーイズはついに故郷にたどり着く。

「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」のスペック

基本情報
ジャンル コメディ
製作国 フィンランド
製作年 1994
公開年月日 1994年7月23日
上映時間 94分
製作会社 パンドラ・フィルム
配給 シネセゾン=パルコ
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 ドルビー

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