解説
ニューヨークを舞台に、男に裏切られた子持ちの元ダンサーと、俳優志願の男が反撥しながらも互いに惹かれ合いながら結ばれていく姿を描くロマンチック・コメディ。製作はレイ・スターク、共同製作はロジャー・M・ロススタイン、監督は「愛と喝采の日々」のハーバート・ロス、助監督はジャック・ロイ、脚本は「名探偵再登場」のニール・サイモン、撮影はデビッド・M・ウォルシュ、音楽はデーブ・グルーシン、編集はマーガレット・ブース、衣裳はアン・ロス、特殊効果はアルバート・グリスワールドが各々担当。出演はこの演技で77年アカデミー主演男優賞を受賞したリチャード・ドレイファス、N・サイモン夫人のマーシャ・メイソン、クイン・カミングス、ポール・ベネディクト、バーバラ・ローデス、テレサ・メリット、マリリン・ソコルなど。
「グッバイガール」のストーリー
ニューヨークの78番街。娘のルーシー(クイン・カミングス)と買い物から帰って来たポーラ(マーシャ・メイソン)は、愛人のトニーの置き手紙を見つける。俳優であるトニーの映画出演のために、ハリウッドに3人で行けると喜んでいた矢先のことだ。手紙に他の映画出演のためにイタリアに行くとだけ書き残し去ってしまったのだ。あまりの事態の急変に涙にくれるポーラ。ルーシーの父親も俳優だった。みんな、いい役がつくととたんにグッバイなのだ。ルーシーのためにも、また働かなくてはならなくなったポーラは再びダンサーに戻るより他はない。陰気に雨が降りしきる夜、トニーから部屋を譲り受けたというエリオット(リチャード・ドレイファス)という男が現われ、強引に部屋に入り、話し合いを要求する。形勢不利と悟ったポーラはしぶしぶエリオットの提案を受け入れ、ルーシーの部屋を明け渡す。この同居人は真夜中にギターを弾き、明け方には読経を始めるという風変わりな男で、はやくもポーラ母娘を困らせる。しかし、希望に燃えてニューヨーク生活の第一歩を踏み出したエリオットだったが、彼主演の「リチャード三世」の解釈で演出家と対立し、思うように演じることができない。一方、ポーラもコーラス・ガールのオーディションに失敗する。数日後、2人はスーパーマーケットで、バッタリ顔を合わせ、共同で買い物をすることになる。買い物を済ませた直後、ポーラは全財産をひったくりに取られてしまう。その後、3人でのはじめての食事の際、エリオットはルーシーのためだと言ってお金をおいて、席を立った。数日後、ポーラは、やっとモーター・ショーのコンパニオンの職にありつき、エリオットは「リチャード三世」の初日を迎える。しかし、芝居は酷評され、初日で打ち切られてしまう。失業したエリオットは安キャバレーの用心棒になるが、酔客になぐられクビになる始末。傷の手当てをしながら、ポーラはエリオットに惹かれていく自分に気がつく。翌日の夜、ポーラが帰ってみると、エリオットは屋上に野外レストランを作ってポーラを待っていた。そんな彼の真剣さにポーラの心のガードは崩れ、その夜、エリオットの部屋で夜を明かす。もともとエリオットが好きだったルーシーも彼を受け入れ楽しい3人の生活が始まる。だがある日、ポーラが家に帰ると、旅行支度のエリオットが、有名監督の抜擢で映画に出ることになったとポーラに告げる。必ず帰ってくるというエリオットの言葉も、ポーラにはうつろに聞こえる。激しい雨の降るその夜、ぼんやり起きていたポーラの耳に電話のベルが鳴りひびく。エリオットからの電話だ。下の電話ボックスにいるから、すぐに支度をして降りてこいというのだ。彼女の心に喜びが大きくふくらむ。彼のその気持ちだけで十分だった。ポーラにとって初めて、心から信じきれる恋だった。
「グッバイガール」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「グッバイガール」のスペック
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1978年8月上旬号 | キネ旬試写室 グッバイガール |
1978年9月上旬号 | グラビア グッバイガール |
1978年10月上旬秋の特集号 |
特集 「グッバイガール」 座談会 大都会ニューヨークで自由に生きる男女の心のふれあい 井手俊郎×杉浦直樹×野沢那智×万里村ゆき子 特集 「グッバイガール」 分析採録 |
1978年11月下旬号 |
外国映画批評 グッバイガール 外国映画紹介 グッバイガール |