解説
「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ、「桜桃の味」のアッバス・キアロスタミ、「麦の穂をゆらす風」のケン・ローチが参加した3話構成の人間ドラマ。ローマへ向かう列車を舞台に、重なりあう登場人物がそれぞれの物語を紡いでゆく。
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「明日へのチケット」のストーリー
1枚目のチケット:初老の大学教授(カルロ・デッレ・ピアーネ)は、ローマに帰る飛行機が全便欠航のため、仕事相手の女性秘書(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)に便宜を図ってもらい列車で帰ることに。列車に乗り、彼女にメールを書いてみようと思いつくが文章は進まない。窓に目をやると、自分が彼女と食事をしている姿や、若き日の初恋の少女が見えてくる。通路には移民らしき家族が赤ん坊を抱え、疲れきって座っている。教授は自分でも思いもよらない気分になり、ミルクを注文すると、空腹で泣いている赤ん坊の元へ運んでゆく。2枚目のチケット:列車はイタリアの小さな駅に停車する。太った中年女性が青年フィリッポを連れて列車に乗り込む。フィリッポは兵役義務の一環として、将軍の未亡人の手助けを命じられたのだ。しかし彼女の傲慢さに振り回されていた。夫人は車内を強引に進み、一等車の空席に腰を落ち着ける。一方、フィリッポは同郷の少女2人と出くわし、昔の話をするうちに情熱を持っていた自分の姿が浮かんできた。未亡人のわがままに我慢ならなくなったフィリッポは列車を途中下車し、彼女は一人、プラットフォームに取り残される。3枚目のチケット:ビュッフェでは、スコットランドからやって来たジェムジーとフランク、“スペースマン”が旅を楽しんでいた。旅の目的は、ローマで行われるセルティックF.C.対A.S.ローマのアウェー戦を観戦すること。彼らはベッカムのユニフォームを着た少年と出会い、サンドイッチを分ける。少年はアルバニア出身で、ローマで働く父親に会いに行くと言う。そんな中ジェムジーの乗車券が紛失し、車掌は「乗車券を探すか新しい乗車券代と罰則金を払わないと、警察に引き渡す」と迫る。貧乏旅行を続ける3人に余分な金などあるわけがない。フランクが、あの少年が乗車券を盗んだのではないかと言い出す。果たして少年を問い詰めると、乗車券が出てきた。一家は不法移民で、この旅が父親と再会して故郷に帰る最後のチャンスだと言う。もしも車掌に見つかったら強制送還されてしまう。3人は初めて移民問題に直に触れ、戸惑いを隠せない。列車がローマに着いた。悩んだ末にジェムジーは少年にキップを譲り、鉄道警察に連行される。しかし駅にいたサッカーファンが大騒ぎを始め、混乱に乗じて3人はローマの街に飛び出す。ホームでは、アルバニア人家族が父親と抱き合っていた。
「明日へのチケット」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「明日へのチケット」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア イギリス |
製作年 | 2005 |
公開年月日 | 2006年10月28日 |
上映時間 | 110分 |
製作会社 | ファンダンゴ=シクスティーン・フィルムズ=UKフィルム・カウンシル |
配給 | シネカノン |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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