博士の愛した数式

はかせのあいしたすうしき The Professor and His Beloved Equation
上映日
2006年1月21日

製作国
日本

制作年
2005
上映時間
117分

レーティング
一般映画
ジャンル
ドラマ

check解説

記憶を80分しか維持出来ない数学博士と若い家政婦母子の心の交流を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「阿弥陀堂だより」の小泉堯史。第1回本屋大賞に選ばれた小川洋子による同名小説を基に、小泉監督自身が脚色。撮影を「わらびのこう 蕨野行」の上田正治と、北澤弘之が担当している。主演は、「亡国のイージス AEGIS」の寺尾聰と「踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2」の深津絵里。第18回東京国際映画祭 特別招待作品出品、芸術文化振興基金助成事業作品。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     「阿弥陀堂だより」に続いて淡々としたドラマの映画。映画の中の世界では「阿弥陀堂だより」より狭い世界を描いている。並みの監督が作ったらとんでもない凡作になるところ、こんな原作でよくここまで映画を完成させた。心が温まる映画だ。交通事故の障害で記憶が80分以上持続しない元大学の数学教授と、彼を介助するためにやってきた家政婦とその息子、そして数学者の義姉との話だ。記憶が一定期間しか持たないというのはアメリカ映画で「50回目のファースト・キス」(複数の国でリメイクされている)というのがある。「50回目のファースト・キス」を観た時は、そんなバカな、と思っていたが、この映画ではそれなりの真実味が出ていた。
     小泉監督は子供のシーンは下手くそだな。「阿弥陀堂だより」でもそうだったけど、この映画でも子供が出てくるシーンはちょっと距離を置いてしまった。子役が下手なのか、演出が下手なのか。義姉役の浅丘ルリ子の場面をもっと増やして、心の動きを描いてくれればもう少し映画に抑揚が出たのではないかな。最も小泉監督はそれを望んでいなかったのかもしれないが。しかし、そうすると、浅丘の登場が不十分になってくるのだが。浅丘ルリ子でなくても良かったんじゃない?映画の描かれている世界が狭いのが、減点の対象かな。
     数学や物理学の公式が何故美しいのか。大学時代、物理哲学みたいな授業があって、物理法則はシンプルで美しい、と習った記憶がある。eiπ + 1 = 0 は、まだ若く数学の知識があった頃なら証明しようと努力したかもしれないが、今となってはそんな気すら起きない。
     主人公の家政婦の役は、誰かなあと思っていたらほくろで深津絵里とわかった。希望としては中嶋朋子に演じてほしかった。だって、久しぶりの純と蛍の再会となるもの。

「博士の愛した数式」のストーリー

新学期。生徒たちから“ルート”と呼ばれている若い数学教師(吉岡秀隆)は、最初の授業で何故自分にルートというあだ名がついたのか語り始めた。それは、彼がまだ10歳の頃――。彼の母親(深津絵里)は、女手ひとつで彼を育てながら、家政婦として働いていた。ある日、彼女は交通事故で記憶が80分しか保てなくなった元大学の数学博士(寺尾聰)の家に雇われる。80分で記憶の消えてしまう博士にとって、彼女は常に初対面の家政婦だった。しかし、数学談義を通してのコミュニケーションは、彼女にとっても驚きと発見の連続。やがて、博士の提案で家政婦の息子も博士の家を訪れるようになる。頭のてっぺんが平らだったことから、ルートと名付けられた息子は、すぐに博士と打ち解けた。そして、博士が大の阪神ファンで、高校時代に野球をしていたことを知った彼は、自分の野球チームの試合に来て欲しいとお願いするのだが、炎天下での観戦がいけなかったのか、その夜、博士は熱を出して寝込んでしまった。博士を心配し、泊り込んで看病する母子。ところが、そのことで母屋に住む博士の後見人で、事故当時、不倫関係にあった未亡人の義姉からクレームがつき、彼女は解雇を申し渡され他の家へ転属になる。だが数日後、誤解の解けた家政婦は復職が叶い、再び博士の家を訪れるようになったルートも、いつしか数学教師になることを夢見るようになるのであった。

「博士の愛した数式」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「博士の愛した数式」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 2005
公開年月日 2006年1月21日
上映時間 117分
製作会社 「博士の愛した数式」製作委員会
配給 アスミック・エース
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
公式サイト http://hakase-movie.com/

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