「ぼくの大切なともだち」のストーリー
美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、誕生日のパーティで、友人たちから彼には友人がいないことを指摘される。思わずムキになったフランソワは、10日間で彼に親友がいることを証明するという賭けをする。早速友人リストを作り訪ねるが追い返され、どうしたら友人ができるのか思い悩む。そんな中、フランソワが落とした友人リストを届けにタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)がギャラリーに現われた。ブリュノの親しみやすさを目の当たりにして、フランソワは彼と乗客とのやり取りを見てコツを掴もうとするが、成果は得られない。落ち込むフランソワをブリュノは励まし、その後、二人で遊ぶ。しかしフランソワがブリュノは真の親友であると証明するため彼にカマをかけたことから、ブリュノは自分が賭けの対象にされていることを悟り激怒する。ブリュノという心の拠り所を失ったフランソワは、ブリュノの両親を訪ねる。そこでフランソワは、かつて彼が親友に妻を奪われ今もその痛手に苦しんでいることを知らされる。そして、ブリュノの部屋にあった一冊のノートに、『星の王子さま』の一節「君にとって僕は沢山いるキツネの1匹。でも、互いになじめば大事な存在となる。君は僕のたった1人の人。僕は君のたった1匹のキツネ」が記されてあるのを見つける。フランソワはオークションで競りあったTVプロデューサーのドゥラモット(アンリ・ガルサン)に壷を譲る代わりに、ブリュノを彼の念願だったクイズ番組へ出演させるよう頼む。数日後、『クイズ・ミリオネア』に出演したブリュノは最後の問題で、友達はいないと躊躇しながらもライフラインのひとつ・テレフォンを使い、フランソワに電話をかける。そこでフランソワは、彼の部屋で見つけた『星の王子さま』の一説を暗誦する。1年後、フランソワの誕生日の祝宴にはブリュノの姿があった。