パラダイスの夕暮れ
ぱらだいすのゆうぐれ Varjoja paratiisissa
解説
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
こういう題材は良いね。
映画の最初で主人公がゴミの収集を仕事としていることが判る。ゴミの収集人ってエッセンシャル・ワーカーであることは判っているのに、どこかで下にみている。大変な作業であるのに。
主人公のニカンデルがひょんな事でスーパーのレジをしているイロナと知り合う。そして、ニカンデルは留置所で知り合ったメラルティンを職場に紹介して同僚となる。このメラルティンと関わったことから犯罪に巻き込まれていくのでは?、とちょっとハラハラしながら観ていたが、メラルティンは結局いい人でした。イロナはスーパーをクビになってニカンデルのところに転がり込む。この辺で2人の関係は良い感じになるのかな、と思ったらなんせニカンデルは無口だし、遊ぶところも知らないし、変なビンゴ会場(?)に誘ってイロナにあきれられる。また、2人でおしゃれして高価そうなレストランに入ろうとすると、受付で断られてしまう。イロナは洋服屋に再就職しそこの店長と親しくなって、ニカンデルと別れてしまう。イロナと店長が同じレストランに行くとすんなり席に通してくれる。何でしょうね、フィンランドでも身分の上下とか雰囲気で差別というのがあるんでしょうかね。イロナは店長の人間性とあわなくてニカンデルを恋しく思う様になり、彼のアパートを訪ねるけどずっと留守。実はニカンデルは暴漢に襲われて入院していた。
なんか、ニカンデルを応援したくなってくる。美男子じゃなくても、地味でも、話し下手でも、真面目な人間がやっぱり幸福になってほしいよね。そしてクサるのも判るよ。主人公に共感してしまう。不器用な男と地味な女の恋愛映画だった。前にも書いたけど、アキ・カウリスマキの映画って美男美女が出てこないよね。そこが良いと言えば良いんだけど。
主人公のニカンデルを演じているマッティ・ペロンパーって役者、カウリスマキの映画によく出ているよね。ちょっと特徴的な顔なので記憶に残る。ウェキおじさんに聞くと1995年に44歳の若さで心臓発作で亡くなっているんだって。味ある役者だったのにねえ。一方のイロナを演じたカティ・オウティネンと言う女優、カウリスマキ映画の地味な女優の一人と思っていたら、ウェキおじさんによるとカウリスマキ映画の常連なのね。偏見なのか、カウリスマキ映画に出てくる役者たちなかなか覚えられなくて、全部同じように見えてしまう。大体、多くの男たちが口ひげを生やしているし。
アキ・カウリスマキの映画を全部見ているわけでないし、1990年代に観た映画の記憶も曖昧なのだが、これまで観ていて、主人公がみんな貧しい人達が主人公だよね。そこから、なんかとぼけた雰囲気を出している。もし主人公が金持だったらこんなとぼけた雰囲気にはならないかも。
ラスト、やっぱり船で旅立つのね。
「パラダイスの夕暮れ」のストーリー
「パラダイスの夕暮れ」のスタッフ・キャスト
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キャスト | 役名 |
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