解説
核爆発で人々が死亡してゆくさまを描いて、核戦争の狂気と無意味さを訴えるドラマ。公共放送PBSのために、その子会社アメリカン・プレイハウスが製作。出資者がTV放映前に劇場公開の権利を得てパラマウントと配給契約を結んで劇場公開された。製作はジョナサン・バーンスタインとリン・リットマン。監督はドキュメンタリー出身で、77年のNumber Our Daysでアカデミー賞を得たリン・リットマン。キャロル・エイメンが『ミズ』誌に発表した3ページの短編The Last Testamentをジョン・セイクレット・ヤングが脚色。撮影はスティーヴン・ポスター、音楽はジェームズ・ホーナーが担当。出演はジェーン・アレクサンダー(この作品の演技でアカデミー主演女優賞にノミネートされた)、ウィリアム・ディヴェイン、ロス・ハリス、マコなど。日本版字幕は戸田奈津子。CFIカラー、ビスタサイズ。1983年作品。
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「テスタメント」のストーリー
サンフランシスコ郊外の町ハムリン。早朝、トム・ウェザリー(ウィリアム・ディヴェイン)は、息子のブラッド(ロス・ハリス)と一緒にサイクリングを楽しんでいた。途中でトムはガンリン・スタンドを経営する日本人マイク(マコ)と出会った。マイクの息子ヒロシはダウン症で仲間はずれにされていたが、ウェザリー家の子供だけはかばっていた。ウェザリー家はトム、ブラッドの他に、母のキャロル(ジェーン・アレクサンダー)、長女メリー・リズ次男スコッティの5人家族。その夜、キャロルは夫にブラッドの兵役義務の話をした。「たとえ平和な時代でも子供の軍隊入りには不安だ」というキャロルに、トムは「何年も先のことさ」と答える。ある日、TVスクリーンにALERT(警戒)の文字が出、その直後、閃光があたり一面を包んだ。全米が核攻撃を受けたのだ。パニックに陥る住民達。キャロルはおびえる子供達を抱きかかえ不安な一夜を過ごした。トムはサンフランシスコの会社からもどってこなかった。翌日、人々は教会に集まり、対策を練ったが、混乱はおさまらない。マイクのスタンドには長い列ができているが、キャロルの姿を見たマイクは、順番を無視してキャロルの車を満タンにしてくれた。ブラッドは連絡係として自転車で走り廻った。エブハート氏が、無線で連絡をとりあうが各地の状況もみな悪かった。放射能のため人々は続々と死んでいく。マイクもスコッティもエブハート夫妻も死亡。親しかった若夫婦(ケヴィン・コスナー)(レベッカ・デモーネイ)は赤ん坊の死を機に、カナダに行くといってハムリンの町を出ていった。「セックスって何?」と聞いたメリー・リズも、それを体験せぬまま死んだ。ブラッド、ヒロシと一緒にキャロルは死を決意した。だが、最後の瞬間に思いとどまった。ロウソクをともした3人だけの夕食。世界がどうなろうと、この子たちがいる限り生きていようとキャロルは思うのだった。(パラマウント映画=CIC配給*一時間三一分)
「テスタメント」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「テスタメント」のスペック
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