解説
小池真理子の同名小説をNHKドラマ『ラジオ』で注目された岸善幸が映画化。修士論文執筆のため恩師の勧めで近所に住む妻子持ちの男の尾行を始めた大学院生が、彼の秘密を知ったことで尾行にのめり込み、同棲中の恋人との関係に影響を及ぼしてゆく。出演は「合葬」の門脇麦、「この国の空」の長谷川博己、「ピンクとグレー」の菅田将暉、篠原ゆき子、「お盆の弟」の河井青葉、「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」の西田尚美、「向日葵の丘 1983年・夏」の烏丸せつこ、「シェル・コレクター」のリリー・フランキー。音楽は「愛を積むひと」の岩代太郎。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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映像演出、映画評論荻野洋一「尾行」というヒッチコック以来、映画史の最も神経過敏な主題に図々しく乗りこみつつ、現代日本の凋落と破局の予感をも映す。初監督作とはいえ、良い意味で完全にプロフェ... もっと見る
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脚本家北里宇一郎文学的哲学的尾行なんて言葉が提示されるんで、こりゃ難しい映画かなと覚悟。本筋に入ったら浮気男の観察を続ける女子大生の行動を追っていて、見る、見られるのカットバッ... もっと見る
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映画ライター中西愛子大学院で哲学を学ぶ若い女性が、担当教授の言葉に影響を受け、ひとりの男を尾行し始める。尾行シーンの大胆なロケ撮影が見どころだ。みずみずしく切り取られていく東京の街... もっと見る
「二重生活(2016)」のストーリー
大学院の哲学科に通う白石珠(門脇麦)は、19歳の時のある出来事により深い喪失と絶望に苛まれていたが、そんな日々からようやく恢復。現在は恋人の鈴木卓也(菅田将暉)と同棲生活を送っている。しかし、無意識のうちに穏やかな波風のたたない生活を望み、卓也との関係は平板などこか体温を伴わないものであった。ある日、珠は大学院の憧れの恩師・篠原弘(リリー・フランキー)から修士論文のテーマとして、フランスの女性アーティスト、ソフィ・カルによる『文学的・哲学的尾行』を実践してみてはどうかと勧められる。それは一人の対象を追いかけて、生活・行動を記録するというもので、尾行の対象者と絶対に関わらない事が条件であった。そんな折、彼女はふと、近所に住む既婚男性の石坂史郎(長谷川博己)を見かけ、突発的に彼の尾行を始めるが、ある日石坂の不倫現場を目撃してしまう。他人の秘密を知ることにぞくぞくとした興奮を覚えた珠は石坂の尾行を繰り返し、次第にその秘密は珠と卓也との関係にも大きな影響を及ぼしてゆく。さらに珠は、彼女が信頼を寄せる篠原の秘密をも知ることとなり……。
「二重生活(2016)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「二重生活(2016)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2016年6月25日 |
上映時間 | 126分 |
製作会社 | 「二重生活」フィルムパートナーズ(スターサンズ=KADOKAWA=東芝デジタルフロンティア=電通 =マイシアターD.D.=讀賣テレビ=テレビマンユニオン)(制作プロダクション テレビマンユニオン) |
配給 | スターサンズ(配給協力:コピアポア・フィルム) |
レイティング | R-15 |
アスペクト比 | 16:9 |
カラー/サイズ | カラー |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://nijuuseikatsu.jp/ |
コピーライト | (C)2015「二重生活」フィルムパートナーズ |
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