解説
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」でブルーリボン賞、報知映画賞ほか新人賞を多数受賞した南沙良主演の人間ドラマ。心に不安を抱えた若者を受け入れるもみの家にやってきた彩花は、周囲の人々との出会いや豊かな自然の中で、徐々に自分と向き合い始める。監督は、「真白の恋」の坂本欣弘。出演は、「散り椿」の緒方直人、「二宮金次郎」の田中美里、「37セカンズ」の渡辺真起子。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
-
フリーライター須永貴子主人公のぼんやりとした輪郭が、一年を通して次第に明瞭になっていく変化を、南沙良が体現する。嫌いだと思いこんでいた赤いトマトをひと齧りして、そのおいしさにハッとす... もっと見る
-
脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授山田耕大不登校になった少女が、「もみの家」という施設に預けられ、成長していく素朴な話。映画は嫌な奴の存在でわりと盛り上がるものだが、これには一人として嫌な奴は出てこない... もっと見る
-
映画評論家吉田広明不登校の少女が、問題児が集まる家で農作業やらを経て復帰するまで。不登校に至る描写が薄く、学校内での自分の立ち位置が見つからない程度。なぜ不登校にという点を突き詰... もっと見る
「もみの家」のストーリー
心に不安を抱えた若者を受け入れる施設・もみの家に、半年間不登校で、心配する母親・朋美(渡辺真起子)に促されて16歳の彩花(南沙良)が俯きながらやってくる。笑顔で招き入れるもみの家の主宰・泰利(緒形直人)は、ここでは早寝早起きで農作業を行うことを説明し、腹を括って見守ってほしいと告げる。母親は彩花のことを心配しながら、東京に帰る。朝、寮生たちはそれぞれが担当している当番をこなして食卓に着く。寝不足で食事が喉を通らない彩花に、泰利は自分たちで作った野菜を勧める。泰利の妻・恵(田中美里)もきゅうりの糠漬けを差し出すが、彩花は匂いが苦手だと言って食べようとしない。昼、畑で作業していると、お調子者の伴昭(上原一翔)がふざけて彩花を泥の中に突き飛ばす。伴昭は謝罪し、他の寮生も声をかけるが、彩花は泥だらけのまま無言で立ち去る。もみの家の近所に住むハナエ(佐々木すみ江)はその姿を見て驚き、声をかける。彩花は、堰を切ったように声を上げて泣き出す。彩花はもみの家での生活に徐々に慣れていき、周囲に暮らす人々との出会いや、豊かな自然に囲まれて過ごす穏やかな時間のなかで、少しずつ自分と向き合い始める……。
「もみの家」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「もみの家」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 青春 ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020 |
公開年月日 | 2020年3月20日 |
上映時間 | 105分 |
製作会社 | 映画「もみの家」製作委員会(アースプラス=バップ=コトリ=となみ衛星通信テレビ=堀江車輌電装=アンクロートフィルム=ビターズ・エンド=パロマプロモーション/製作幹事:バップ)(制作プロダクション:コトリ) |
配給 | ビターズ・エンド |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://www.mominoie.jp/ |
コピーライト | (C)「もみの家」製作委員会 |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2020年4月上旬号 |
UPCOMING 新作紹介 「もみの家」 REVIEW 日本映画&外国映画 「もみの家」 |