映像研には手を出すな!の映画専門家レビュー一覧

映像研には手を出すな!

話題の同名コミックを乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波主演で実写映画化。芝浜高校に入学したアニメ好きで想像力豊かな浅草みどりは、中学からの同級生・金森さやか、アニメーター志望の読者モデル・水崎ツバメとともに、アニメ制作を目指すことに。出演は、「初恋」の小西桜子、本作が演技初挑戦のグレイス・エマ、「屍人荘の殺人」の福本莉子。監督は、「前田建設ファンタジー営業部」の英勉。映画公開に先駆け、ドラマ版もTV放送される。
  • 映画評論家

    北川れい子

    この1月にNHKで放送された湯浅政明監督のアニメ版シリーズは、あまりにケタタマシくて2回観て脱落したが、この実写版はたっぷり楽しんだ。映像研の女子3人が口にするイメージやスケッチが、そのまま、アニメや具体的な映像で再現されていくその小気味良さ。ロボット研究部の面々とのやりとりなど、英勉監督の快作「前田建設ファンタジー営業部」を思い出したり。そして部員1人という音響部の存在。“映画の映画”として楽しめるのもゴキゲンで、大声、早口の女子3人に拍手!!

  • 編集者、ライター

    佐野亨

    大林宣彦は自らの映画の世界に俳優の身体を押し込めることを「映画という制度」と表現したが、この映画には制度すらなく、アニメキャラを半端に模倣しただけの身体が自堕落に投げ出されているだけである。そのなかでは「初恋」でみごとな身体性を発揮した小西桜子までもが単に「役割」をこなすことしか許されない。画面のどこかに絶えず変顔をしたキャラがいるようなチャカチャカ演出のあとにいきなり泣いてくださいとばかりの感傷演出。あまりの次元の低さに呆れかえった。

  • 詩人、映画監督

    福間健二

    またしても荒唐無稽の学園物で、老け顔の高校生が並ぶ。こういうのでしか、もっともらしくものを言ったり個性を発揮したりするキャラクターの集団を作りだせないという、根の深い「症候」はそれとして、原作、テレビアニメ、本作へとつながれた創意からのノリを英監督は活かしている。性的なものを抑えた真ん中の三人の演技は、言われたことを上手にやっているだけという歯痒さだが、みんなの力を結集して達するゴールのアニメ映像の凡庸さも含めて、そんなに責められない気がした。

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