幼い依頼人の映画専門家レビュー一覧

幼い依頼人

児童虐待死亡事件の実話をもとにしたサスペンス。ロースクールを卒業し、臨時に児童福祉館に勤めるジョンヨプは、継母から虐待を受けているダビンとミンジュンの姉弟と出会う。数日後、法律事務所に就職した彼は電話を受け、ダビンの鼓膜が破れたことを知る。出演は、「エクストリーム・ジョブ」のイ・ドンフィ、「母なる復讐」のユソン、「死体が消えた夜」のチェ・ミョンビン。監督は、「私は王である!」のチャン・ギュソン。
  • 映画評論家

    小野寺系

    韓国娯楽映画の暴力描写は子供にも容赦がない……! 児童虐待の生々しい表現や子役たちの迫真の演技に圧倒させされる一作。全篇ありふれた演出や予定調和な展開に占められてはいるものの、そのなかでやはり暴力シーンが突出していて、体罰の前触れとして母親が髪を縛る象徴的な仕草をするシーンに背筋が凍りつく。一方、虐待問題をうったえながら、その原因を“母性の欠如”だとしている部分があり、それを男性たちに断罪させるといった偏りの見える構図には大いに疑問が残った。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    むごい話である。2013年に起きた実際の事件に基づいているそうだが、児童虐待事件は日本でもしばしばニュースになる。映画はあくまで児童の視点で描かれ、虐待を受けている女児が助けを求めているのに、周囲の大人はなぜ助けないという一点に集約される。暴力を加える継母は論外にしても、彼女の心情にほんの少し目を向けていたら、ドラマに厚みがでたのでは…、とは思う。いま目を逸らしたらいけないテーマだが、痛ましさに心は晴れず、お薦めするのをためらう気持ちがちらり。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    この映画で描かれている以上の虐待が今この瞬間も世界中で起きているのは分かっており、それを映画にする文化的、社会的意義を否定するつもりもないが、子供が酷い目にあう直接描写が何よりも苦手な自分にこの作品を直視することはできず「毒親の非道は充分伝わった……これ以上の虐待描写に何の意味がある……しつこいぞ、もう勘弁してくれ」という願い虚しく、とどめのド直球を投げつけられたあげく最後だけイイ感じに締められたところで吐き気止まらず評価不能……ごめんなさい。

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