ブラッドショットの映画専門家レビュー一覧

ブラッドショット

アメコミ出版社ヴァリアント・コミックスの人気作品を「ワイルド・スピード」シリーズのV・ディーゼル主演で実写化。アメリカ海兵隊員のレイは何者かによって妻と共に殺される。彼はとある組織により、圧倒的なパワーと回復能力を持った超人として蘇生する。出演は、「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」のエイザ・ゴンサレス、ドラマ『アウトランダー』のサム・ヒューアン、「ワイルド・ストーム」のトビー・ケベル、「アイアンマン3」のガイ・ピアース。
  • 映画評論家

    小野寺系

    私自身、「リディック」の演技でヴィン・ディーゼルの魅力に興奮させられたクチだが、彼の最大の魅力は、“遊?”精神の表現にあると思う。今回のような実存的な迷いと復讐心を燃やす内省的な役柄の彼には、あまり輝きを感じなかった。とはいえ、義体による身体機能拡張のギミックや、エレベーターシャフトでの重力を利用したソリッドな戦闘描写は、ビデオゲーム出身で視覚効果に携わってきた監督の力量が発揮され、娯楽アクション映画としての見どころは最低限押さえている。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    タイトルに恐ろしげな想像をかき立てられる。が、いざ始まってみるとマッチョな主人公とその周辺人物のキャラクター設定は、美女がいて悪役がいるといったステレオタイプ。ストーリーにも目新しいアイディアはなく予想どおりに展開し、終わる。ただテクノロジーを駆使したヴァーチャルな映像世界を楽しむにはいいかも。その分、アクション映画に特有の俳優の肉体が発する熱は極めて低いので、ゲームの画面を見ているよう。想像するに“オンライン飲み会”とはこんな感じだろうか。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    血液中の生物工学ロボットが人体の傷を瞬時に修復してしまうというトンデモ設定はいかにもアメコミ原作という感じだが、生半可な科学的説明や、ワサワサ動く血中ナノロボットを可視化させる欲張り描写等が作品世界のリアリティの輪郭をぼかしてしまっており、内輪揉めに終始する物語の方も盛り上がりを欠いた既視感だらけの展開とあっては、もはや見どころはCGとアクションだけで、そちらはハリウッドのお家芸なので確かに凄いとはいえ、全体を引っ張れるほどの新しさはなかった。

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