地球で最も安全な場所を探しての映画専門家レビュー一覧
地球で最も安全な場所を探して
核物理学者チャールズ・マッコンビーと世界各地の同胞たちが、高レベル核廃棄物問題に取り組む姿を撮影したドキュメンタリー。米国ユッカマウンテン、英国セラフィールド、中国ゴビ砂漠、青森県六ヶ所村など世界各地の最終処分場やその候補地を巡る旅を追う。2013年ドイツ・DOKライプチヒ国際映画祭、2014年フィンランド・DocPointヘルシンキ国際ドキュメンタリー映画祭などに正式出品された。
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非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト
ヴィヴィアン佐藤
私は福島第一原発ツアーを企画している。ドラァグクイーン姿で敷地内を案内する。フクイチは事故が起きて冷却汚染水の問題が出たが、そもそも世界中すべての原発で廃棄物の中間貯蔵施設の問題がある。単に原発反対というだけで思考放棄になっている人間も多々。人類の技術の発展とその過信。ベンヤミンの詩のように楽園からの強風によって天使が今にも吹き飛ばされようとしている。その強風は進歩と呼ばれる。この作品は人類の進歩せざるを得ない悲劇を露出させている。
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フリーライター
藤木TDC
2013年の作品で状況が一昔前だし、監督が欧州人のためか福島原発の汚染水、汚染土、廃炉瓦礫など切迫した核廃棄物問題を抱える日本で見るには内容が悠長で楽観的な印象。また廃棄物の保管工程や健康・環境への影響に関する科学的データが説明されず、この作品を観ても有用な知識を得られない。北海道の寿都町や神恵内村が最終処分場誘致に手を上げている問題に関心のある者には初歩的知識になるかもしれないが、結論保留のような本作の描き方に意義はあるのだろうか。
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