リーサル・ストームの映画専門家レビュー一覧

リーサル・ストーム

メル・ギブソンが、マンションに押し入った強盗団と対峙する元警官に扮したアクション。超巨大ハリケーンが近づくなか、地元の警察官コルディーロは、避難もせずマンションに籠る頑固な老人レイを説得していた。だがその頃、建物内に武装した強盗団が潜入し……。共演は「イントゥ・ザ・ワイルド」のエミール・ハーシュ、「アリスのままで」のケイト・ボスワース。監督は「庭から昇ったロケット雲」のマイケル・ポーリッシュ。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    ポーリッシュ兄弟の片割れマイケル・ポーリッシュ。まだそこまでベテラン監督というわけではないのに、メジャーで撮れなくなってからのウォルター・ヒルの近作のような不思議な粘り気と諦観の漂った作風に意表を突かれた。メル・ギブソン出演作ということでS・クレイグ・ザラー「ブルータル・ジャスティス」とも並べたくもなるが、あそこまでのエクストリームさはない。しかし、苦境にあるギブソンがそれでもしっかりと出演作を選んでいることは伝わってくる。

  • ライター

    石村加奈

    ピンクのシャツがやけに似合う、メル・ギブソン扮する元警察署長レイの曲者っぷりもなかなかだが、レイの娘トロイ(ケイト・ボスワース)が最強すぎる。父親に鍛え上げられた戦闘能力で、武装強盗団をどんどんやっつけては、怪我をした仲間の応急処置もやってのける(本職は医者)。この父娘に振り回されっぱなしのやさぐれ警察官コルディーロ(エミール・ハーシュ)の見どころというか、役としての落としどころがちゃんとあってホッとした。しかしハリケーンは必要だったかな?

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    かつて次のレオと目されていたE・ハーシュだが、超大作がコケて失速。その後地味にハリウッドを生き抜き、一昨年の「ワンス・アポン~」で久々に役に恵まれ、彼を追ってきた者としてはグッときた。本作はそのハーシュとあのメルギブ主演なので期待していたが、どちらも今回は空回り気味。全篇、複数の人物をカットバックで描いているが、背景が浅いので限定空間での攻防のスリルも伝わってこない。人気低迷期のC・スレイター主演「フラッド」と設定が似ているのも気になった。

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