G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズの映画専門家レビュー一覧

G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ

米国ハズブロ社のアクションフィギュアをもとに、戦闘のエキスパートチーム「G.I.ジョー」と悪の組織「コブラ」の戦いが描かれるアクション大作 「G.I.ジョー」の最新作。舞台を日本に移し、漆黒の忍者ヒーロー“スネークアイズ”誕生の秘密が明らかになる。刀と銃を武器に戦い、シリーズ人気No.1を誇るスネークアイズは、漆黒のマスクで顔を隠し、その正体はこれまで謎に包まれてきた。本作では「沈黙の誓い」を貫いてきたスネークアイズの声も明らかになり、その吹替は『ドラえもん』のジャイアン役などでおなじみの木村昴が担当している。「ダイバージェント」シリーズ、「ちいさな独裁者」のロベルト・シュヴェンケが監督を務め、ハリウッド映画史上最大規模ともいわれる日本ロケが敢行された。「るろうに剣心」シリーズのアクションを手がけた谷垣健治がスタントコーディネーター、アクション監督として参加。開幕早々のド迫力カーチェイスシーンをはじめ、“超高速の忍者スタント”が連射される。平岳大、安部春香、石田えりなど、日本人キャストの活躍も見逃せない。
  • 映画評論家

    上島春彦

    現代の刀剣アクションという意味では懐かしの「忍者部隊月光」に通ずる部分があり、万全。しかし主人公が仁義をないがしろにし、個人的な復讐に固執するあまり、常識的な日本人には理解しかねる場面が多い。義理と人情を秤にかけりゃ、というモラルはアメリカ人には通じないらしい。映画空間の中核に位置する烏の襖図は吉田広明の名著『映画監督三隅研次』の表紙絵でもおなじみ。美術監督が大映ファンなのだろう。こういう細部は見所と言える。主人公の新型コスチュームとかもね。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    アクション監督の谷垣健治が参加していることもあり、映画「るろうに剣心」シリーズを随所で彷彿とさせる。よってアクション自体は切れ味も鋭く申し分ないものの、若干カメラの大げさな身振りに頼りすぎている向きが否めないのが難点だろうか。とはいえ登場人物の論理的な感情や行動原理が全く見えない筋書きさえ気にしなければ、日本でありながら日本ではないかのような荒唐無稽さや、血の契りを交わすスネークアイズとストームシャドーのブロマンス要素などジャンル的に楽しめる。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    ポップコーンを抱え、ド派手なアクション・シーンに身を任せればいい。どこまでいっても子供用玩具を映画化したブロックバスター映画に違いないんだから、細かいことにいちいち目くじらを立てなさんな。それはわかってる。それはわかってるんだけど、過去二作は最高だったんだ。ひるがえって本作は子供に対しても不親切すぎないか? スネーク・アイズとトミーの友情の端緒すら描写されないなんて。そんな映像片をかろうじて映画らしきものにつなぎとめる石田えりは世界水準。

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