法廷遊戯の映画専門家レビュー一覧
法廷遊戯
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ライター、編集
岡本敦史
人は誰でも嘘をつくという作中世界のルールでもあるのか、「単刀直入に訊けばよかろう」と思わせる場面が続き、とにかく回りくどい。どんでん返しのお膳立てとして小説なら成立していたかもしれないが、2時間の映画では難しい。法廷ドラマとしても、現行の司法制度への批判と、裁判制度自体への揶揄がゴッチャになっていて、そもそも「裁判は犯人当ての場ではない」という大前提の理解すら怪しい。いちばん恐ろしいのは、このタイミングで「贖罪から逃れる物語」を映画化したことだ。
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映画評論家
北川れい子
司法制度の改革とか、冤罪とはとか、頻出する法律関係の用語が話を惑わせるが、描かれるのはロースクールで学んだ3人の手の込んだ因縁話で、観終わっての後味はかなり消化不良! 少しずつ明らかになる彼らの重い過去が、無責任な大人や法律の不備にあるというのは分からないでもないが、回想というより後出しジャンケンふうな真相の出しかたもズルい。ミステリーではよくある手だが。後半の裁判場面が学生たちの模擬裁判と大差ないのは「法廷遊戯」というタイトルへの忠節?
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映画評論家
吉田伊知郎
ひたすら設定だけを説明され続けているかのようで、映画を観ている感覚にならず。ロースクールで暇つぶしに行われる〈無辜ゲーム〉や、生徒たちが揃って示す反抗のポーズなども、無国籍的な世界観が作られていれば良いが、日本とは思えず。「ソロモンの偽証」が前後篇使って学校内裁判を成立させていたことを思えば、この状況にすんなり入りきれず。過去の因縁話も説明に説明を重ねられて明かされるだけに、驚きが薄い。登場人物たちはゲームのコマのように動かされるのみ。
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ライター、編集
岡本敦史
人は誰でも嘘をつくという作中世界のルールでもあるのか、「単刀直入に訊けばよかろう」と思わせる場面が続き、とにかく回りくどい。どんでん返しのお膳立てとして小説なら成立していたかもしれないが、2時間の映画では難しい。法廷ドラマとしても、現行の司法制度への批判と、裁判制度自体への揶揄がゴッチャになっていて、そもそも「裁判は犯人当ての場ではない」という大前提の理解すら怪しい。いちばん恐ろしいのは、このタイミングで「贖罪から逃れる物語」を映画化したことだ。
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映画評論家
北川れい子
司法制度の改革とか、冤罪とはとか、頻出する法律関係の用語が話を惑わせるが、描かれるのはロースクールで学んだ3人の手の込んだ因縁話で、観終わっての後味はかなり消化不良! 少しずつ明らかになる彼らの重い過去が、無責任な大人や法律の不備にあるというのは分からないでもないが、回想というより後出しジャンケンふうな真相の出しかたもズルい。ミステリーではよくある手だが。後半の裁判場面が学生たちの模擬裁判と大差ないのは「法廷遊戯」というタイトルへの忠節?
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映画評論家
吉田伊知郎
ひたすら設定だけを説明され続けているかのようで、映画を観ている感覚にならず。ロースクールで暇つぶしに行われる〈無辜ゲーム〉や、生徒たちが揃って示す反抗のポーズなども、無国籍的な世界観が作られていれば良いが、日本とは思えず。「ソロモンの偽証」が前後篇使って学校内裁判を成立させていたことを思えば、この状況にすんなり入りきれず。過去の因縁話も説明に説明を重ねられて明かされるだけに、驚きが薄い。登場人物たちはゲームのコマのように動かされるのみ。