制作年: 1895
1895年12月28日、パリ、キャプシーヌ街のグランカフェ地下一階、“インドの間”で行われた世界最初の映画の有料上映会で上映された10本のシネマトグラフ作品を、映画生誕100年を記念してまとめたフィルム。いずれも発明者であるルイとオーギュストのリュミエール兄弟が自ら撮影したとされるフィルムであり、自社の工場から出てくる労働者(「工場の出口」)、オーギュスト夫妻とその子供(「金魚釣り」「赤ん坊の食事」)など、現代でいえばホーム・ムービー的な性格の強い作品も含まれる。なおシネマトグラフがマガジンに入るフィルムの長さの関係で作品は長さは11メートル、約50秒前後(手回しなので多少回転速度は変わる)のワン・ショットで完結すると決まっていた。今回の上映プリントは映画の誕生100年を記念してフランスが国家主体で行っている記念事業“映画の第一世紀委員会”が一般劇場公開用にまとめたもので、同委員会委員長の俳優ミシェル・ピッコリ(「美しき諍い女」「五月のミル」)がナレーションを努めている(日本語版は吹き替え)。ちなみに本作は有料興行としてはシネマトグラフの最初の上映となるが、この年の3月22日にパリの写真産業会館で公開上映され、以後リオン、ブリュッセルなどで6回上映、グラン・カフェの興行な七回目の上映にあたる。(日本語版吹き替え翻訳は山田宏一)