麿赤兒 マロアカジ

  • 出身地:石川県金沢市
  • 生年月日:1943/02/23

略歴 / Brief history

石川県金沢市で生まれ、奈良県桜井市で育つ。本名・大森宏。早稲田大学文学部哲学科を中退後、舞踏家の土方巽に師事し、舞踏の鍛錬を積む。1964年、唐十郎と劇団状況劇場を設立。『腰巻お仙・義理人情いろはにほへと篇』67などで、唐が提唱する“特権的肉体論”を体現。72年には独自で舞踏集団“大駱駝艦”を旗揚げし、“天賦典式”と銘打つスケール豊かな様式で舞踏評論家協会賞を5度受賞するなど、国内外で高く評価される。映画は、大和屋竺監督「荒野のダッチワイフ」67、劇中劇で当時の麿の活躍が窺える大島渚監督「新宿泥棒日記」69などを経て、中平康監督「闇の中の魑魅魍魎」71では、残酷な芝居絵で知られる幕末の異端の絵師・絵金を快演。絵金がモチーフの大駱駝艦公演『トナリは何をする人ぞ』96は、林海象監督「ちんなねえ」97でも取り上げられた。その後も、鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」80、「陽炎座」81などで異彩を放ち、89年の阪本順治監督「どついたるねん」では、元チャンピオンのボクサーの復活をサポートするジムの会長を人間味豊かに好演して、イメージを一新。以降も、母親捜しの旅をする少年のトラウマとなる変質者を怪演した北野武監督「菊次郎の夏」99、やくざの親分役で瞬時にインパクトを放つクエンティン・タランティーノ監督「キル・ビル Vol.1」03、女子プロレス界の裏表を知り尽くした重鎮を味わい深く好演した小松隆志監督「ワイルド・フラワーズ」04など、引く手あまたの活躍を続ける。テレビドラマの出演も多い。長男の大森立嗣は、麿も出演した2005年の「ゲルマニウムの夜」でデビューした映画監督、次男・大森南朋は俳優として活躍し、立嗣が監督した「まほろ駅前多田便利軒」11には、麿、南朋がともに出演している。

麿赤兒の関連作品 / Related Work

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  • あるいは、ユートピア

    制作年: 2024
    大量発生した謎の巨大生物から逃れてホテルに避難した12人の中から、ひとりの人物が遺体となって発見されたことで、平穏な生活が変容していく様子を描いたドラマ。「若手映画作家育成プロジェクト(New Directions in Japanese Cinema=ndjc)」の2016年度作品「白T」や、第34回東京国際映画祭でAmazon Prime Videoテイクワン賞を受賞した「日曜日、凪」などの短編で注目を集めてきた金允洙(キム・ユンス)監督のオリジナル脚本による長編デビュー作。秘密を抱えた小説家・牧雄一郎に藤原季節が扮したほか、ホテルに滞在する人々を、渋川清彦、吉岡睦雄、原日出子、渡辺真起子、篠井英介、麿赤兒など個性あふれる俳優が演じた。2024年・第37回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」にて上映後、11月16日よりユーロスペースにて劇場公開。
  • 怪獣ヤロウ!

    制作年: 2024
    街頭インタビューでの回答からバキバキ童貞(バキ童)として話題になったお笑いコンビ『春とヒコーキ』のぐんぴぃが主演、岐阜県関市の全面バックアップで制作されたコメディドラマ。ぐんぴぃ演じる市役所の観光課職員・山田一郎が、市長からご当地映画の製作を命じられ、夢だった怪獣映画の製作に乗り出そうとする。監督は、芸能事務所タイタンでマネージャーを務める一方、TV制作ディレクターとしても活動、長編映画「実りゆく」を監督した八木順一朗。山田と共に映画製作に取り組む吉田麻衣を欅坂46および櫻坂46の元メンバー菅井友香が演じる。2025年1月24日より岐阜先行公開。
  • みーんな、宇宙人。

    制作年: 2024
    ファッション&カルチャー誌『NYLON JAPAN』創刊20周年を記念して制作したオリジナルオムニバス長編映画。ある日、ビルの屋上にいたセイヤのもとに、エメラルドブルーの毛がモジャモジャの見たことのない生き物、ミントが突然空から落ちてくる。出演は、「18歳のおとなたち」の兵頭功海、「メイヘムガールズ」の菊地姫奈、「映画 マイホームヒーロー」の西垣匠。監督・脚本は、「Love Will Tear Us Apart」の宇賀那健一。
  • はじまりの日

    制作年: 2024
    「健さん」の日比遊一監督による、従来のミュージカル映画とは一線を画す音楽ファンタジー。かつてロックスターとして一世を風靡したが、ある事件がきっかけで音楽を封印し、清掃会社で働く男。ある日、同僚の女の歌声に心を揺さぶられ、男の日々が動き出す。出演は、元JAYWALK・ボーカリストの中村耕一、舞台『ラグタイム』の遥海、「最低。」の高岡早紀。
  • 倭文(しづり) 旅するカジの木

      制作年: 2024
      「チロンヌプカムイ イオマンテ」の北村皆雄監督が“衣”の始原をたどり、日本神話の謎に迫るドキュメンタリー。日本神話に現れる幻の織物〈倭文(しづり)〉。その白さは光の象徴とされ、身体を護る神聖な力を持っていた。そんな倭文の力の源は“カジの木”にあった。日本神話を再現するシーンに大駱駝艦を主宰する麿赤兒とアーティストのコムアイが出演。モデルの冨永愛がナレーションを務める。
    • Love Will Tear Us Apart

      制作年: 2023
      「転がるビー玉」の宇賀那健一が贈るサスペンスホラー&ラブロマンス。小学生の真下わかばはある日、虐められていたクラスメイトの小林幸喜を助ける。だがそれをきっかけに、わかばと関わる人々が次々と殺される事件が続発。犯人は誰か。その目的は……? 出演は「ホリミヤ」の久保田紗友、「うみべの女の子」の青木柚、「なのに、千輝くんが甘すぎる。」の莉子、「Winny」の吹越満。

    今日は映画何の日?

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