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【あの頃のロマンポルノ】日本映画批評『少女娼婦けものみち』
2022年4月15日日活ロマンポルノは生誕50年をむかえました。それを記念して、「キネマ旬報」に過去掲載された記事の中から、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げていく特別企画「あの頃のロマンポルノ」。キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時連載していきます。 今回は、斎藤正治氏による「日本映画批評『少女娼婦けものみち』」の記事を、「キネマ旬報」1980年5月下旬号より転載いたします。 1919年に創刊され100年以上の歴史を持つ「キネマ旬報」の過去の記事を読める貴重なこの機会をお見逃しなく! 日本映画批評 『少女娼婦けものみち』 ▲『少女娼婦 けものみち』より 「いけいけカラスオイラの分まで運んでくれ……」、という音楽ではじまるこの映画、女のバイタリティと、男の性の無常感を描き出した映画といえる。 神代辰巳はここでも小道具に、自転車を使っているのである。この性的プロレタリアートたちの肉体の”つながり”は、自転車を使った手づくりの空間しかないようだ。性は日常的なものだ、とばかりに、自転車が重要な役割を果すのは、神代映画にいつも特徴的だ。自転車に乗っていって行なう行為は、たとえば男が女の人差指をそりかえして、痛いだろう、といえば、女は我慢する、そういう映像としては、ほとんど無用と思えるシーンに、神代は男や女の生理を含めて、表現する。ほとんど何の役にも立たない、いってみれぽ無用の描写のなかで、彼は主題をつらぬいていくのである。 男がカモメを一羽、石でうちおとした。この石落としの手づくりは、自転車にもつながるのであって、全体のテーマは、ごく日常的な性に収斂していく。巨大な機械文明に象徴されるいまの世の中で、いかに性を含めた個人の作業が可能か、を神代は問うているように見える。 誰のかわからない子をはらんで、女にとっては誰の子でもいいと思っているのに、男同士は確信が持てないながら、しかしオレの子だと言い張っている姿がなんともおかしい。 天才的に、女の本性が見えてしまうスケコマシと、純情一途のはじめの男と、とりあえず比較しながら、主人公サキは結局、スケコマシの男といっしょになっていく。女には純情な初体験者よりも、ヘヘへよがるための男のバイタリティが欲しかったのだ。 シナリオでいう「闇の中で擦られる一本のマッチ」の描写はなかったし、岸田理生が夢想する物語のような展開はしなかった。しかしこの映画には、多分岸田が描いただろう父恋の唄はあった。 あるにはあったが、それほど歴然としていたわけではない。そういうところは、匂わせる程度にして、神代はやはり、岸田とは別の、神代自身の世界を描いたのである。 サキが自分の愛した人形を割るところで、それはカモメが墜落するシーンとして描かれるといったように、墜ちるカモメは随所にインサートされる。墜死するカモメは、実はこの映画のモチーフのようである。 かつての女とつるみ合っている男の足を、たずねてきたサキが刺す。この突然の行為は男も、寝ている女も驚かすが、サキはその包丁を洗いもせずに、台所で使って、料理をはじめる。”強い”女を描いてなかなかみごとである。 全体として粘着する映像のなかで、神代はやはり、性の日常的なアナーキーを、どうしようもない倦怠のなかで描いた。そこにいいようのない無常感がただよっていた。 文・斎藤正治 「キネマ旬報」1980年5月下旬号より転載 『少女娼婦 けものみち』【DVD】(2023年1月11日 DVD発売) 監督: 神代辰巳 脚本:岸田理生、神代辰巳 価格:2,200円(消費税込み) 発売:日活株式会社 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング 「日活ロマンポルノ50周年×キネマ旬報創刊100周年」コラボレーション企画、過去の「キネマ旬報」記事からよりすぐりの記事を掲載している特別連載【あの頃のロマンポルノ】の全記事はこちらから 日活ロマンポルノ50周年企画「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の全記事はこちらからご覧いただけます。 日活ロマンポルノ50周年新企画 イラストレーターたなかみさきが、四季折々の感性で描く月刊イラストコラム「ロマンポルノ季候」 -
さかなクンの半生記「さかなのこ」、柳楽優弥や夏帆ら6名の追加キャスト発表
2022年4月14日さかなクンの半生を、のん主演×沖田修一監督で描く「さかなのこ」が、2022年夏にTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開。追加キャストとして柳楽優弥、夏帆、磯村勇斗、岡山天音、三宅弘城、井川遥が発表された。 発表されたのは、のん演じる主人公ミー坊の脇を固める面々だ。“狂犬”の異名を持つ強面の不良ながら、いつもミー坊を気にかける心優しい幼馴染み・ヒヨ役に柳楽優弥。幼馴染みのミー坊とひょんなことから再会し、同じ屋根の下で暮らし始めるシングルマザー・モモコ役に夏帆。ある出来事からミー坊と絆を深めるツッパリ頭の総長役に磯村勇斗。ミー坊と出会ってお魚の魅力に目覚める不良“カミソリ籾”こと籾山(もみやま)役に岡山天音。お魚に夢中で周りの子とちょっと違うミー坊を心配する父・ジロウ役に三宅弘城。そして、ミー坊を心配するよりも信じて応援し続ける母・ミチコ役に井川遥。 豪華キャストの競演に期待が膨らむ。 【コメント】 柳楽優弥 数年前から釣りにハマっていることもあり、さかなクンに興味があってYouTubeなども拝見していたので、今回お話をいただきとても嬉しかったです。 僕が演じたヒヨは「狂犬」と恐れられる不良ですが、幼なじみのミー坊を思いやる優しさがあって、憎めない、なんかいい奴です。 のんさんと沖田監督とは、前からご一緒してみたかったのですが、穏やかな時間が流れているような居心地のよい現場でした。 今回共演させて頂き改めて、のんさん最高だな、と思いました。 夏帆 のんさん演じるミー坊の幼なじみであるモモコを演じさせていただきました。 のんさんとの共演は、フシギだけどとても心地が良くて、ミー坊の真っ直ぐな瞳に、心が洗われる日々でした。 ひたすら純粋に魚を愛するミー坊と、そんなミー坊をたいせつに見守っている家族や友人たちが、ちょっぴり可笑しくて愛おしい映画だと思います。 ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。 磯村勇斗 最初に台本を読んだ時、しばらく心がホワホワと優しい気持ちになりました。さかなクンの自伝が原作のこの物語は、何かを猛烈に好きになり夢中で追いかけたくなったら、例えまわりと違っても突き進んでいい、それが個性なんだ、と教えてくれている気がしました。 また沖田監督が描く登場人物たちは、ミー坊をはじめみんな微笑ましく、沢山愛情を感じる作品になっていると思います。本作に総長という役で参加させて頂き、とても楽しい時間を過ごしました。 岡山天音 沖田組は現場にも映画にも温かい空気が漂っていて、やはり特別な心地良さがありました。衣装合わせからクランクアップまで、なんだかずっとニヤニヤしていた気がします。 完成品を観て、のんさん演じるミー坊から素敵なことを教えてもらいました。自分も参加している作品の試写で、こんなにもピュアに楽しめた事も稀な体験です。 ミー坊が魚を「好き」と思う気持ちが、皆さまの心にどう届くのか。公開を心待ちにしております。 三宅弘城 もうね、キュートなんです。台本からもキュートさは伝わってきましたが、 沖田監督によってさらにキュートな映像になりました。 もう出て来る人出て来る人みんな愛すべきキュートな人たちなんです。 かと思ってニコニコ観ていると、なんでもないように聞こえるセリフにハッとしたり。 継続することや信じることの大切さを改めて教えてくれました。 でもそれが押し付けがましくなく観られるのは、 のんさんのひょうひょうとした唯一無二のキュートさからくるものだと思います。 ごめんなさい、キュートキュートうるさくて。 でも本当にキュートで勇気が出るんです。 世代問わず色んな人に観ていただきたい映画です。 井川遥 台本を読んで真っ直ぐでキラキラしたミー坊に早く会いたいと思いました。のんさんが演じるなんてこれ以上のキャスティングは無いと期待の気持ちでいっぱいでした。 1番の理解者である母親を演じるのはミー坊を見つめ続けることだと思いました。 さかなクンと私自身は同世代。 昭和の風情が懐かしく、タイムスリップしたような気持ちにも。現場では沖田監督の嬉しそうな顔を毎日見られたのも印象深いです。 のんさんの煌めきが溢れていて、純粋な気持ちが幸せを齎せてくれる素敵な映画です。 ©2022「さかなのこ」製作委員会 ▶︎ さかなクンの“すっギョい人生”が、のん主演 × 沖田修一監督で映画化 -
「犬王」の湯浅政明監督、アヌシー国際アニメーション映画祭でゴッドファーザー就任!
2022年4月14日湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった精鋭が集結し、室町の知られざるポップスター〈犬王〉から生まれる物語を、変幻自在のイマジネーションで描く“狂騒のミュージカル・アニメーション”「犬王」が5月28日(土)より全国公開。 「平家物語 犬王の巻」(古川日出男著/河出文庫刊)を原作に、カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド〈女王蜂〉のボーカル担当・アヴちゃん、相棒の琵琶法師・友魚(ともな)を俳優の森山未來が演じている。 昨年9月のヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミア、トロント国際映画祭での北米プレミアを皮切りに国内外10カ所以上の映画祭に選出されてきた同作が、先日のアングレーム国際漫画祭での仏プレミア上映に続き、世界最大規模のアニメーションの祭典であるアヌシー国際アニメーション映画祭2022のオフィシャルセレクションとして招待・上映されることが決定。 さらに、これまで同映画祭で最高賞のクリスタル賞、TVシリーズ部門審査員賞を受賞している湯浅政明監督が、MIFAキャンパスのゴッドファーザー(Mifa Campus Patron)に就任することも発表された。 アヌシー国際アニメーション映画祭では、毎年アニメーション界を代表する人物が若手アニメーターや学生に向けた特別なマスタークラスを開催してきた。これまでに「シェイプ・オブ・ウォーター」「ナイトメア・アリー」のギレルモ・デル・トロ監督、「クリスマス・キャロル」(短編)や「ロジャー・ラビット」で知られるリチャード・ウィリアムズ監督、「ブレンダンとケルズの秘密」「生きのびるために」で米アカデミー賞長編アニメ映画賞に2度ノミネートされたノラ・トゥーミーら世界の名だたる監督たちが任命されてきた大役を、湯浅監督が日本人映画監督として初めて担うことになる。 同映画祭アーティスティック・ディレクターのマルセル・ジャン氏は「アヌシーで最も受賞実績のある監督のひとりである湯浅監督とアヌシー国際アニメーション映画祭の絆は大変強いものです。アートの自由を謳歌する湯浅監督の待望の新作『犬王』を上映できることを光栄に思っています。動きの名手であり、ビジュアルストーリーテリングの革新者である湯浅政明氏の贅沢な世界に飛び込んでみてください」とコメント。また、湯浅監督は「アヌシー国際アニメーション映画祭は私にとっても大切な映画祭です。今年もアヌシーに参加できること、そして、皆さんと最新作『犬王』を一緒に観れることを楽しみにしています。また、MIFAキャンパスのゴッドファーザーとしてお招きいただき有難うございます。若いアニメーターの方に自分の話をするのはあまり得意ではないですが、もし聞きたいと思う方がいらっしゃれば、お話したいと思いますし、逆に皆さんのお話も聞きたいと思っています。そういった機会があることを大変嬉しく思っています」と語っている。 アヌシー国際アニメーション映画祭に加え、新たにウディネ・ファーイースト映画祭のベスト・オブ・ベスト部門、シアトル国際映画祭でのUSプレミア、シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭コンペティション部門への選出も発表された「犬王」。作品の舞台となる京都では、松本大洋によるキャラクター原案の展示が4月21日(木)より行われ、初解禁資料も披露される。 来月の劇場公開に向けて国内外で同時多発的に放たれる“白熱と狂騒”に期待したい。 【「犬王」映画祭正式出品】 ・第78回 ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ・コンペティション部門 9月1日(水)~11日(土) ・第46回 トロント国際映画祭 スペシャル・プレゼンテーション部門 9月9日(木)~18日(土) ・第26回 釜山国際映画祭 アジア映画の窓部門 10月6日(水)~15日(金) ・第37回 ワルシャワ映画祭 スペシャル・スクリーニング部門 10月8日(金)~17日(日) ・第16回 ブカレスト国際アニメーション映画祭 コンペティション部門 10月8日(金)~17日(日) ・第23回 富川(プチョン)アニメーション国際映画祭 長編コンペティション部門 特別優秀賞受賞 10月22日(金)~26日(火) ・第34回 東京国際映画祭 ジャパニーズ・アニメーション部門 10月30日(土)~11月8日(月) ・第32回 シンガポール国際映画祭 フォアグラウンド部門 11月25日(木)~12月5日(日) ・第51回 ロッテルダム国際映画祭 Filmmakers in focus部門 1月26日(水)~2月6日(日)(上映延期) ・第45回 ヨーテボリ映画祭 ボヤージュ部門 1月28日(金)~2月6日(日) ・第8回 ベルリン批評家週間 2月9日(水)〜17日(木) ・第18回 グラスゴー映画祭 3月2日(水)〜13日(日) ・第48回 シアトル国際映画祭アジアン・クロスロード部門 4月14(木)〜24(日) ・第24回 ウディネ・ファーイースト映画祭 ベスト・オブ・ベスト部門 4月22日(金)〜30日(土) ・第29回 シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭コンペティション部門 5月3日(火)〜8日(日) ・第46回 アヌシー国際アニメーション映画祭オフィシャルセレクション スクリーニングイベント 6月13日(月)〜18日(土) TVアニメ「平家物語」高野文子と映画『犬王』松本大洋キャラクター原案展示 【開催期間】4月21日(木)~6月27日(月) 【会場】京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー4(一部) 【料金】大人900円、中高生400円、小学生200円 共催:「平家物語」製作委員会、『犬王』製作委員会、京都国際マンガミュージアム 「犬王」 【あらすじ】 室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪(ひょうたん)の面で隠された。 ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。 一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。 「ここから始まるんだ。俺たちは」 壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは──? 歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。 【キャスト・スタッフ】 声の出演:アヴちゃん(女王蜂)、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊 原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出文庫刊 監督:湯浅政明 脚本:野木亜紀子 キャラクター原案:松本大洋 音楽:大友良英 アニメーション制作:サイエンスSARU 配給:アニプレックス、アスミック・エース 公式サイト:https://inuoh-anime.com 公式Twitter:@inuoh_anime ©2021 “INU-OH” Film Partners -
ザ・ローリング・ストーンズ結成60年記念&チャーリー・ワッツ追悼で記念碑的2作公開
2022年4月14日7月12日に結成60周年を迎えるザ・ローリング・ストーンズの祝福および、昨年8月24日に80歳で亡くなった不動のドラマー、チャーリー・ワッツへの追悼の意を表し、ストーンズ自ら企画した記念碑的な2作「ロックン・ロール・サーカス」「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」のレストア版が8月5日(金)よりBunkamuraル・シネマほかで全国順次公開される。予告編とスチールが到着した。 「ロックン・ロール・サーカス」は、1968年に撮影されながら諸事情で1996年まで28年間も封印されていた伝説的作品で、今回が日本初の劇場公開。画質・音質が向上した2019年制作の4Kレストア版で上映される。 チャーリー・ワッツの名を冠した「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」はストーンズを初めて記録したフィルムで、1965年のアイルランド・ツアーを追う。未発表映像を加え、90,000を超えるフレームを手作業で修正・再編集した2012年制作の2Kレストア版は、日本での正式な劇場公開は初めて。 公開された予告編、「ロックン・ロール・サーカス」ではジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズらがこの時だけのために組んだバンド、ザ・ダーティ・マックの演奏場面や、〈悪魔を憐れむ歌〉でミック・ジャガーが見せる圧巻のパフォーマンスなどをフィーチャー。「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」には全英全米No.1になったばかりの〈サティスファクション〉を中心とした演奏シーン、ミックとキースがくつろいで曲作りをするシーンなどが盛り込まれている。 スチールは、談笑するジョン・レノンとミック・ジャガー、にこやかなチャーリー・ワッツなど、ロックン・ロールの輝ける青春時代を感じさせる。 「ロックン・ロール・サーカス 4Kレストア版」 監督:マイケル・リンゼイ=ホッグ 出演:ザ・ローリング・ストーンズ、ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ザ・フー、マリアンヌ・フェイスフル、オノ・ヨーコ、ジェスロ・タル、タジ・マハールほか 字幕:林かんな 1968-1996-2019年/イギリス/66分 英題:THE ROLLING STONES ROCK AND ROLL CIRCUS ©2019 ABKCO Films 「ロックン・ロールとサーカスの融合」を目指してローリング・ストーンズが企画・製作し、自らホスト役も務めたライヴイベントの撮影は、スウィンギング・ロンドン真っ只中の1968年12月の2日間に行われた。ストーンズは最高傑作アルバム『ベガーズ・バンケット』を出したばかりで、本作における〈悪魔を憐れむ歌〉のジャガーのパフォーマンスはバンド史上でも傑出している。ジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズらがこの時だけのために組んだバンド、ザ・ダーティ・マックの演奏は、レノンにとってビートルズ以外のメンバーとの初ライヴとなった。また、ストーンズのリーダーだったブライアン・ジョーンズはこの撮影の半年後に27歳で亡くなり、これがストーンズとしての最後のパフォーマンスに。 監督は、ビートルズのドキュメンタリー映画「レット・イット・ビー」のマイケル・リンゼイ=ホッグ。 「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン 2Kレストア版」 監督:ピーター・ホワイトヘッド 出演:ザ・ローリング・ストーンズ 字幕:林かんな 1965-2012年/イギリス/63分 英題:THE ROLLING STONES CHARLIE IS MY DARLING IRELAND 1965 ©2012 Because Entertainment, Inc/ABKCO Films 1965年9月3~4日のアイルランド・ツアーを追ったドキュメンタリーで、ストーンズ初の公式フィルム。2011年に発掘された未編集未発表のステージ映像などを加えて(全体の半分以上!)再編集された2012年版が本作。〈サティスファクション〉で全英全米No.1を獲得し、勢いに乗る若きストーンズの熱狂ステージとともに、彼らが世界的スーパースターとなる直前の飾らないツアー・オフショットやインタビューなどが収められている。同じ65年にボブ・ディランのイギリス・ツアーを追いかけたD.A.ペネベイカー監督の「ドント・ルック・バック」と並ぶ傑作ライヴ・ドキュメンタリー。 公式サイト:http://circus-charlie.onlyhearts.co.jp 応援 : JOURNAL STANDARD / OPAQUE.CLIP 配給:オンリー・ハーツ -
成田凌 × 前田敦子! 三木聡監督の異世界アドベンチャー「コンビニエンス・ストーリー」
2022年4月13日成田凌と前田敦子が共演し、「時効警察」シリーズなどの奇才・三木聡が監督。不思議なコンビニ発の異世界アドベンチャー「コンビニエンス・ストーリー」が8月5日(金)よりテアトル新宿ほかで全国公開される。監督・キャストのコメントが到着した。 スランプ中の若手脚本家・加藤(成田凌)。映画の企画を持ち込んでもまったく手応えがなく、悶々とした日々を過ごしている。恋人の愛犬ケルベロスのペットフード〈犬人間〉を買いに出かけた彼は、ひょんなことから欲しいものがなんでも見つかるコンビニエンス・ストア〈リソーマート〉に迷い込む。そこで妖しげな人妻・惠子(前田敦子)と出会い、創作意欲が湧き始めるが……。 「くれなずめ」(21)で初共演した成田凌と前田敦子が、ここでは異世界で出会って恋するキャラを不思議な距離感で演じる。企画者は、ジャパンタイムズで日本映画の批評を行う映画評論家でプロデューサーのマーク・シリング。イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭の日本映画コンサルタントも務めるマークが、三木聡監督の才能に惚れ込んでオファーし、5年間ふたりで企画を温めて生まれたのが本作だ。 悩める脚本家と妖艶な人妻、その出会いの先に待つのは喜劇か悲劇か、注目したい。 【コメント】 成田凌 念願の三木組。 デビュー前からご一緒したかった三木聡監督、ご一緒できて嬉しいです。 脚本を初めて読ませて頂いたときに、これだー。とガッツポーズしました。 不思議な世界へ皆様をお連れします ぜひ映画館でニヤニヤ見ていただけたらと思います。 前田敦子 コンビニの店員ですが異世界の方の店員。 なんだか普通では当たり前にいられない三木さんの世界観を思う存分味わえた撮影期間は終始夢見心地でした。 本作の三角関係はほんとに奇妙です笑 どんな映画になっているのか、私も楽しみです。 三木聡(監督・脚本) 「謎は謎だから謎であり、全ての謎は解けてしまえば謎ではない」 エレクトリックソウルマンの有名なセリフですが、その通りだと思います。 突然、現れる不可解な薬による不可解な眩暈と不可解な不倫の男女関係。 それは、成田凌、前田敦子はじめ濃密な俳優達との濃密な時間の中で醸成されて行きました。 果たして、この映画はどこに行こうとしているのか? 今となっては監督の私にすら判らないのです。 お願いです、探さないで下さい 「コンビニエンス・ストーリー」 出演:成田凌、前田敦子 監督・脚本:三木聡 企画:マーク・シリング コピーライト:2022「コンビニエンス・ストーリー」製作委員会 公式HP:conveniencestory-movie.jp 公式Twitter:cv_story_movie