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マーベル・スタジオ新作「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」特報映像解禁
2025年2月5日世界を救うのは、ファンタスティックな4人の“家族”──。マーベル・ヒーローたちの原点となるチームを描く「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」が、2025年夏に公開される。ポスタービジュアルと特報映像が到着した。 宇宙ミッション中のアクシデントにより、特殊な力を得てしまった4人のヒーローチーム“ファンタスティック・フォー”。ニューヨークを拠点に活躍する。 リーダーはリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック(ペドロ・パスカル)。身体をゴムのように伸縮させる能力、ならびに卓越した知性と発明の才能を持つ戦略家だ。 リードのパートナーであるスー・ストーム/インビジブル・ウーマン(ヴァネッサ・カービー)は、透明化や力場創出の能力を持ち、チームの精神的支柱となるしっかり者。 スーの弟であるジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ(ジョセフ・クイン)は、炎を操って空を飛ぶ、ムードメーカー的存在。 リードの親友であるベン・グリム/ザ・シング(エボン・モス=バクラック)は、岩のような身体で、怪力を発揮する。 監督は『ワンダヴィジョン』のマット・シャクマンが担当。なお本作は、ロバート・ダウニーJr.がドクター・ドゥームを演じる「アベンジャーズ/ドゥームズデイ(原題)」(2026年米公開)に繋がる物語としても期待されている。 https://www.youtube.com/watch?v=0b0koU7XQZQ 「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」 監督:マット・シャクマン 出演:ペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、ジョセフ・クイン、エボン・モス=バクラック 原題:The Fantastic 4: First Steps © 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL. -
実在したヒゲ女性をモチーフに、愛と勇気の人生を描く「ロザリー」
2025年2月5日「ザ・ダンサー」のステファニー・ディ・ジュースト監督が、フランスに実在したヒゲを生やした女性クレマンティーヌ・デレに着想を得て、偏見に抗い自分らしさを貫く主人公の物語を描いた「ロザリー」が、5月2日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 生まれた時から多毛症に悩み、それを隠して生きてきたロザリー。田舎町でカフェを営むアベルと結婚し、店を手伝うことになった彼女に、考えが閃く。 「ヒゲを伸ばした姿を見せることで、客が集まるかもしれない」 初めは反対し、嫌悪を示したアベルだが、純粋で真摯なロザリーに惹かれていく──。 ロザリー役は「私がやりました」のナディア・テレスキウィッツ、アベル役は「ピアニスト」「ポトフ 美食家と料理人」のブノワ・マジメル。第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されてクィア・パルム賞にノミネートされ、「魅力的なエンパワーメント物語」(The Guardian)と評された。 https://www.youtube.com/watch?v=G3p0SumJVrw ステファニー・ディ・ジュースト監督のメッセージ 父が亡くなり、虚無感と焦燥感を抱える中、「髭の生えた女性」として有名だったクレマンティーヌ・デレという女性が私の心を掴みました。見せ物となるのを拒絶し、一人の女性として人生を歩む欲求を誰よりも持っていたことを知り、時代の偏見に抗い女性らしさを貫く主人公・ロザリーが誕生しました。他人と自分を愛することがロザリーの闘いです。本作を通して無条件の愛、自己受容・自己創造の自由を描くために、髭が不可欠な要素となっています。 「ロザリー」 監督・脚本:ステファニー・ディ・ジュースト 脚本協力:サンドリーヌ・ル・クストゥメル 出演:ナディア・テレスキウィッツ、ブノワ・マジメル、バンジャマン・ビオレ、ギヨーム・グイ、ギュスタヴ・ケルヴェン、アンナ・ビオレ 2023年/フランス・ベルギー/フランス語/115分/シネマスコープ/5.1ch/PG12 原題:Rosalie 字幕翻訳:大城哲郎 配給:クロックワークス © 2024 – TRÉSOR FILMS – GAUMONT – LAURENT DASSAULT ROND-POINT - ARTÉMIS PRODUCTIONS 公式サイト:https://klockworx.com/rosalie -
1963年に発表された手塚治虫の隠れた名作漫画『新選組』を原作に、幕末という混沌の時代を閃光のごとく駆け抜け、儚く散った若き隊士たちを、史実と創作を巧みに織り交ぜた青春群像劇として描いた、“シン・時代劇ドラマ”『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』。テレビ朝日と東映がタッグを組み、2024年4月から2クールにわたってテレビ朝日の水曜深夜枠で放送され、斬新な殺陣パフォーマンスやこれまでの時代劇にはない流麗な《剣舞》を取り入れ話題に。そんな本作の待望のBlu-ray&DVD BOXが、2月5日に発売された。 「私たちが知っている新選組」じゃない⁉ ニュースタイルの“シン・時代劇” 「新選組」と言えば「浅葱色のだんだら模様の羽織」がトレードマークだが、本作では、光沢感のある波柄の羽織を身に纏い、パーマにピアス…(⁉)といった、なかなかに個性的ないで立ちをした麗しき隊士たちが、時代劇の聖地とも言われる京都・太秦の東映京都撮影所のセットを舞台に、斬新な殺陣パフォーマンスや流麗な剣舞を披露。本作が従来の時代劇の枠組みを超えた作品であることは、「キミユキ」というユニットを組んだ俳優陣が、袴姿で歌って踊るオープニング&エンディング映像を観ただけでも一目瞭然だ。 “史上もっとも美しい新選組”と呼び声も高い本作には、近藤勇や土方歳三、沖田総司といった実在の人物たちももちろん登場するが、物語のメインとなるのは、架空のオリジナルキャラクターとして描かれる、謎多きクールな剣の達人・鎌切大作と、最愛の父の仇討ちを誓う、一途な青年・深草丘十郎である。堅い友情で結ばれながらも、時代の波に翻弄され、やがて白刃を交えることとなる――。そんな、彼らが辿る過酷な運命を、「美しい彼」シリーズなどで知られる脚本家の坪田文と、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」などを手掛ける河合勇人監督が鮮烈に描き出す。 W主演の前田拳太郎×奥智哉の脇を固める、個性豊かな役者陣にも注目! W主演を務めるのは、ドラマ『仮面ライダーリバイス』で共演した経験を持つ前田拳太郎と奥智哉の二人。その他にも、新・旧の仮面ライダーシリーズや、スーパー戦隊シリーズに出演した経験のある俳優陣をはじめ、ミュージカルや舞台を主戦場とするネクストブレイク俳優らが多数集結。どこを見渡してもイケメンぞろいでありながら、いい意味で、本人たちの色が付きすぎていないため、演じる役柄のキャラクターとそれぞれの俳優から醸し出される魅力とが混然一体となり、「新選組って、こんなキャラだっけ⁉」と戸惑うくらいには、全編にわたってファンタジー要素が満載であるにもかかわらず、観ているうちに「ひょっとすると、本物の隊士たちにもこんな葛藤があったのかもしれないな」と思えてくるほど、妙な説得力をも生み出しているのだ。 なかでも特に筆者の目を惹いたのは、「仮面ライダーオーズ/〇〇〇」のアンク/泉信吾役で強烈な印象を放ち、その後も数々の舞台で活躍する実力派俳優・三浦涼介が演じる、新選組の頭取・芹沢鴨だ。放送前に本人が「若い頃に演じていたら、もっととげとげしいキャラになっていたかと思いますが、少なからず経験を積み重ねてきた今、また新しい表現が見せられるではと思っています」とコメントしていた通り、只ならぬ凄みと妖艶さを見事に体現しており、もちろん見た目は史実と大きく異なるはずだが、登場するたび思わず目を奪われた。 また、新人隊士のお目付け役である山南敬助役を演じる俳優・永田崇人の、安定感ある芝居が生み出す「新選組のお母さん」っぷりも、実に見事としか言いようがない。物語の後半、藤岡真威人演じる沖田総司が肺を病んでいることに気付いた山南が、新選組局長の近藤勇(高野洸)が不在の折、土方歳三(阪本奨悟)に休ませるべきだと進言するも、土方から無慈悲な回答が返ってきて思わず掴みかかる場面や、その後、謀反を起こし、壮絶な最期を遂げる瞬間の名演は、それまでの山南のキャラクターとの大きなギャップもあって、いまだ消え去ることなく、筆者の目に焼き付いている。 過酷なオーディションバトルを勝ち抜いた南無之介役の羽谷勝太の名演に落涙! 全編を通してもっとも筆者の心に残ったのは、“ゲンジブ”こと、7人組ボーカルダンスグループ「原因は自分にある。」のメンバーとしても活動する俳優・杢代和人が演じる、本作の裕福な武家育ちながら、生家の没落により新選組に流れ着いた、争いを好まぬ心優しき男・松永新之丞と、登録者数180万超えのYouTubeチャンネル「あめんぼぷらす」の“しょーた”としても知られる、新進俳優・羽谷勝太が扮する、喧嘩っ早いが実直な性格で、幼い頃に仕えていた新之丞のことを、「私が全力でお守りします!」と誓う男・南無之介との唯一無二と言える“堅い絆”である。この二人も、W主演の“大・丘コンビ”と同様、本作のオリジナルキャラクターであることもあり、まるで“か弱き姫”と“騎士”のような関係性でありながらも、BLっぽさを露骨に出すことなく、あくまで“ブロマンス”として魅せた、脚本や演出、そして演じる俳優たちの迫真の芝居に心を打たれ、何度も落涙してしまった。 新之丞役の杢代には、彼が「仮面ライダーギーツ」で吾妻道長/仮面ライダーバッファを演じた際、一度ロングインタビューをしたことがあり、その稀有な逸材ぶりには以前から注目していたのだが、南無之介役の羽谷のことは本作を通じて初めて知り、「なんて味のある芝居をする役者なんだろう」と大いに興味を惹かれた。このたび、本稿を執筆するにあたって調べる中で、遅ればせながら「真剣 SHINKEN~新選組への道」を視聴。およそ3カ月にも及ぶ過酷なオーディションバトルを見事勝ち抜き、800人の中から俳優歴わずか2年未満の羽谷が南無之介役を掴んだ過程に、またしても目を奪われた。そして羽谷と共にオーディションで闘い最終審査まで残った柊太朗、庄司浩平、上野凱の3人と、オーディションでは敗れたものの、視聴者投票で第一位に選ばれ敗者復活を果たした松本仁が、それぞれの個性が引き立つ役で本作のレギュラーキャストとして出演していたことも知り、配役の妙にも改めて唸らされた。 ドラマ本編と合わせると収録時間、計10時間以上。188分にも及ぶ映像特典も必見! 本BOXには、ドラマ本編全20話に加え、「完全密着メイキング 〜新選組リアル青春録〜」、「放送直前! シン・時代劇記者会見in東映太秦映画村」「君ゆき夏祭り 新章スタート登壇イベント」「OP/ED鑑賞会!男も惚れる沼男がいる...? 驚き大爆笑の撮影秘話とは!?」「ノンクレジットミュージックビデオ集」「PRスポット集」など、188分にも及ぶ映像特典も収録。特に注目すべきは、100分越えの「完全密着メイキング」だろう。ここでは、キャストたちのオフショットや、本編では見られない素顔の隊士たちの姿が収録されているほか、前田拳太郎と奥智哉によるオーディオコメンタリーも収録されており、和気あいあいとした雰囲気の中で、撮影当時や放送シーンを振り返る様子を楽しむことができる。またBOXにはスペシャルブックレットも封入されており、本作を通じて新選組隊士の虜になったファンにとって必見の品だろう。 手塚治虫の原作の魅力を現代的な解釈で蘇らせ、若手俳優たちの熱演と斬新な演出によって彩る『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』Blu-ray&DVD BOXは、ドラマの世界観をより深く、何度でも楽しめる、素晴らしい作品集となっている。時代劇の新たな可能性を示したこの作品を、ぜひ手元に置いて繰り返し楽しんでいただきたい。 文=渡邊玲子 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=b7c6gVPibQg 『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』 ●2月5日(水)Blu-ray&DVD BOX発売 Blu-ray&DVD BOXの詳細情報はこちら ●Blu-ray BOX 価格:35,750円(税込) 【ディスク】<4枚組(本編ディスク3枚+特典ディスク1枚)> ●DVD BOX 価格:21,450円(税込) 【ディスク】<6枚組(本編ディスク5枚+特典ディスク1枚)> 【Blu-ray&DVD共通】 ★映像特典★ ■完全密着メイキング ~新選組リアル青春録~(オーディオコメンタリー:前田拳太郎×奥智哉アフタートーク) ■放送直前!シン・時代劇記者会見in東映太秦映画村 ■君ゆき夏祭り 新章スタート登壇イベント ■OP/ED鑑賞会!男も惚れる沼男がいる…?驚き大爆笑の撮影秘話とは!? ■ノンクレジットミュージックビデオ集(「炎」「夢HANABI」「零」「凛の花」) ■PRスポット集 ほか ★封入特典★ ■スペシャルブックレット(36P) ●2024年/日本/本編461分+特典188分 ●原作:手塚治虫(『新選組』) ●脚本:坪田文 ●監督:河合勇人、上堀内佳寿也、柏木宏紀、松田礼人 ●音楽:桶狭間ありさ ●出演:前田拳太郎、奥智哉、杢代和人(原因は自分にある。) 、羽谷勝太、柊太朗、庄司浩平、簡秀吉、上野凱、松本仁、荒牧慶彦、佐藤流司、味方良介、駒木根葵汰、藤岡真威人、阪本奨悟、永田崇人、三浦涼介、高野洸 ●発売元:株式会社テレビ朝日 販売元:株式会社ポニーキャニオン ?手塚プロダクション/テレビ朝日・東映
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第98回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画第4位にランクインし、助演男優賞(池松壮亮)、新人女優賞(中西希亜良)、新人男優賞(越山敬達)にも輝いた、奥山大史監督の「ぼくのお日さま」が、現在期間限定で先行配信中である。雪国の田舎町を舞台に、スケートを通して触れ合っていく3人の、淡くて切ない恋を描いた作品の見どころを、たっぷりと紹介しよう。 少年は、ひとめぼれした少女のために、フィギュアスケートを始める 冬には雪が積もる北国の田舎町に暮らす、少し吃音がある小学6年生のタクヤ(越山敬達)。雪が降りだすと男子はアイスホッケーの練習に忙しいが、タクヤは運動が苦手。その彼が同じスケートリンクで『月の光』の曲に合わせて、フィギュアスケートの練習をする少女・さくら(中西希亜良)に心を奪われる。彼女の真似をしてフィギュアのスピンを練習し始めたタクヤは、さくらのコーチをしている荒川(池松壮亮)から声をかけられる。荒川からフィギュア用のスケート靴を借りて本格的に練習を始めるタクヤ。その彼にさくらへの想いを感じ取った荒川は、タクヤとさくらのペアでアイスダンスをしてみないかと提案した。二人はアイスダンスのぺアとして練習を始め、心の距離を縮めていくが……。 新人俳優二人の、ピュアな演技が作品の大きな魅力! 野球もアイスホッケーも苦手で、吃音によって何事にも積極的になれないタクヤ。フィギュアスケーターになることを夢見ながら、コーチの荒川のことも気になるちょっとおませなさくら。その二人の間を、元はフィギュアスケートの選手だった荒川が取り持つ。その荒川は、ガソリンスタンドで働く五十嵐(若葉竜也)と同棲している同性愛者で、世間の目を気にしながら生活する彼にとって、タクヤのさくらに対するまっすぐな恋心は、羨ましくも見える。それぞれ恋心を抱いた三人の、ひと冬の物語が描かれていく。 さくらはタクヤより年上の中学一年生の設定で、タクヤにとってはまぶしく見える憧れの存在。その彼女に近付くために彼はフィギュアの練習を始めるが、アイスダンスでペアを組むことになった時、彼女の手を取ってダンスのポーズをするときのドキドキ感や、さくらのレベルに追いつこうと必死に練習するピュアな雰囲気を、タクヤ役の越山敬達がナチュラルに表現している。彼にとってはこれが初主演映画だが、4歳からスケートを習っているというだけに、まったくの素人からアイスダンスの基礎を習得するまでの成長を無理なく見せているのも見事。表現者として、これからが楽しみな逸材だ。 さくら役の中西希亜良も今回が演技は初めてだったというが、徐々にタクヤに気持ちを開いていく少女の変化を、その表情と喜びに満ちたスケーティングによって表現。一方でさくらは、コーチの荒川にもほのかな思いを抱いていて、男性二人に対する距離の取り方もが絶妙だ。フィギュアスケートやダンスを得意とする彼女は、ここから俳優としても才能を伸ばしていくに違いない。 コーチを演じる池松壮亮の、絶妙な好助演ぶりが印象的 そして二人をつなぐ荒川に扮した池松壮亮の存在感は秀逸。彼は奥山監督の才能にほれ込んで、一緒に映画を作りましょうと持ち掛けたというが、ここでは若い二人をサポートするキャラクターに徹して、彼らの伸びやかな個性をうまく引き出している。映画ではスケートの練習シーンがかなりの分量を占めるが、その一つ一つが心地よいものに見えるのは、池松壮亮のコーチとして出しゃばらないポジション取りが効果的だからだ。一方で荒川は、恋人の五十嵐のために彼が住むこの田舎町にやってきた男で、愛によって自分のスケート選手としてのキャリアを捨てた影のある人物を、さりげなく演じているのがうまい。主演も助演もこなす芸達者な彼だが、ここでは作品に奥行きを与える、助演者としての好演が光っている。 光をうまく使った、世界が認める新鋭・奥山大史監督の演出に注目! 監督の奥山大史は大学在学中に制作した長編「僕はイエス様が嫌い」(2019)で第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を史上最年少の22歳で受賞。今回が長編第2作目で、商業映画は初めてとなる。その才能は世界から期待されていて、「ぼくのお日さま」は第77回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション『ある視点』部門に正式出品され、現地で絶賛を浴びた。この作品ではドビュッシー作曲による『月の光』がさくらを象徴する曲として使われているが、映像的にも“光”の使い方が印象的。最初にタクヤがさくらのスケーティングを観た時の、逆光に照らされたさくらの幻想的な姿。またアイスダンスの練習をするため、荒川が二人を連れて行く、自然氷のリンクでの二人の滑りを映した場面では、太陽の光が彼らを祝福するように輝いている。10代の初恋に近い感覚とスケートという競技によって結ばれていく心を光によって感じさせる、その演出の妙。奥山監督は撮影・編集も自分でこなしているが、登場人物の揺らめく生理をつかまえようとする瑞々しい映像に、非凡な才能を感じさせる。 これからの日本映画を担う監督、出演者がその持ち味を十分に見せつけた、愛すべき1本。映画は春の訪れとともに終わるが、ひと冬の間に成長、変化した登場人物たちの思いが響く、爽やかな余韻が残る作品だ。 文=金澤誠 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=rzmKFW5Uf1c 「ぼくのお日さま」 期間限定で先行配信中⇒詳細はこちら 2024年/日本/90分 監督・撮影・脚本・編集:奥山大史 主題歌:ハンバート ハンバート「ぼくのお日さま」 出演:越山敬逹、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也 ほか © 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS 公式HP:https://bokunoohisama.com/
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2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テン 第1位作品&個人賞発表!
2025年2月5日2024年 第98回 キネマ旬報ベスト・テン 第1位作品&個人賞発表! ■日本映画作品賞(日本映画ベスト・テン第1位) 「夜明けのすべて」 https://www.youtube.com/watch?v=_wdULFYanYs ■外国映画作品賞(外国映画ベスト・テン第1位) 「オッペンハイマー」 https://www.youtube.com/watch?v=Uoctuzt2IfU&t=2s ■文化映画作品賞(文化映画ベスト・テン第1位) 「正義の行方」 https://www.youtube.com/watch?v=VTBAcbaO0LU 【個人賞】 ■日本映画監督賞 三宅唱 「夜明けのすべて」 により ■日本映画脚本賞 野木亜紀子 「ラストマイル」により https://www.youtube.com/watch?v=jCH7TOZIG4s ■外国映画監督賞 クリストファー・ノーラン 「オッペンハイマー」により ■主演女優賞 河合優実 「ナミビアの砂漠」「あんのこと」により https://www.youtube.com/watch?v=1ON52PRB8Tc ■主演男優賞 松村北斗 「夜明けのすべて」により ■助演女優賞 忍足亜希子 「ぼくが生きてる、ふたつの世界」により https://www.youtube.com/watch?v=wGLVmzYhBY0 ■助演男優賞 池松壮亮 「ぼくのお日さま」「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」により https://www.youtube.com/watch?v=W1BAr3cOlIg ■新人女優賞 中西希亜良 「ぼくのお日さま」により ■新人男優賞 越山敬達 「ぼくのお日さま」により ■読者選出日本映画監督賞 三宅唱 「夜明けのすべて」により ■読者選出外国映画監督賞 クリストファー・ノーラン 「オッペンハイマー」により ■読者賞 斎藤環 連載『映画のまなざし 転移』により ベスト・テン選考委員がどの作品に、どの俳優に投票をしたのか? キネマ旬報ベスト・テンの第2位以下の作品ランキングは? そのすべては2月5日(水)に発売となりました『キネマ旬報2月号増刊 2024年キネマ旬報ベスト・テン発表号』に掲載しております。ぜひお買い求めください! ★べスト・テン発表を記念して、表彰式の招待状が付いた「キネマ旬報2月号増刊 ベスト・テン発表号」を一部(以下参照)の書店、映画館、キネ旬オンラインショップにて【数量限定】販売をいたします。この機会にぜひお買い求めください! 招待状付き「キネマ旬報2月号増刊 ベスト・テン発表号」の取扱い映画館 【宮城県】フォーラム仙台 【福島県】イオンシネマ福島 【埼玉県】イオンシネマ越谷レイクタウン 【東京都】新宿シネマカリテ、新文芸坐、アップリンク吉祥寺、ラピュタ阿佐ヶ谷、イオンシネマ板橋、イオンシネマシアタス調布 【神奈川県】イオンシネマ新百合ヶ丘、イオンシネマ港北ニュータウン 【愛知県】イオンシネマ・ワンダー、イオンシネマ大高 【京都府】イオンシネマ京都桂川 【大阪府】テアトル梅田、イオンシネマ四條畷 【岡山県】イオンシネマ岡山 【香川県】イオンシネマ綾川 【福岡県】kino cinema天神 招待状付き「キネマ旬報2月号増刊 ベスト・テン発表号」の取扱い書店 【東京都】紀伊國屋書店新宿店、三省堂書店有楽町店、東京堂書店、ジュンク堂書店池袋店、書泉グランデ、書泉ブックタワー 【神奈川県】有隣堂横浜西口店 ・KINEJUN ONLINE⇒こちら 「第98回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式のLIVE配信はこちらから(チャンネル登録受付中) 【キネマ旬報ベスト・テンとは】 『キネマ旬報』は、1919年(大正8年)に創刊し、現在まで続いている映画雑誌として、世界一の歴史を誇ります。初めてキネマ旬報ベスト・テンの選出を行ったのは、1924年度(大正13年)。当初は、編集同人のみによる投票で、〈芸術的に最も優れた映画〉〈娯楽的に最も優れた映画〉の2部門(外国映画部門のみ)でしたが、1926年度(大正15年)、日本映画の水準が上がったのを機に、現在と同様の〈日本映画〉〈外国映画〉の2部門に分けたベスト・テンに変わりました。戦争による中断があったものの、大正年間から継続的にベスト・テンは選出され続け、2024年度のベスト・テンで98回を数えます。 キネマ旬報ベスト・テンの特徴としては── ■世界的にみても、非常に長い歴史を持つ映画賞であること。 (今回で98回を数える。ちなみに、アメリカのアカデミー賞は2025年で第97回となる) ■ベスト・テンという形で、その年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」を10本、さらに「日本映画」と「外国映画」には読者選出部門を設け、それぞれの10本を挙げるほか、「日本映画監督賞」「外国映画監督賞」「日本映画脚本賞」「日本映画主演女優賞」「日本映画主演男優賞」「日本映画助演女優賞」「日本映画助演男優賞」「日本映画新人女優賞」「日本映画新人男優賞」「読者選出日本映画監督賞」「読者選出外国映画監督賞」「キネマ旬報読者賞」と、その年の称賛すべき作品・映画人を多面的に選び出していること。 ■ベスト・テン及び各賞の選考者は、映画を多く見ている者に厳しく限定され、しかも選考者数が多く(2024年度はのべ136名)、さらにその年齢・所属の幅(映画評論家、ジャーナリストなど)も広いことから、当年の映画界の実勢を反映する、最も中立的で信頼に足る映画賞という評価を受けていること。 以上が挙げられます。