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ダリが住む街で起きるレストラン革命。「美食家ダリのレストラン」予告編公開
2024年6月27日サルバドール・ダリが暮らす街で起きる《レストラン革命》を描き、2023年マラガ映画祭をはじめ各国映画祭に出品された「美食家ダリのレストラン」が、8月16日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開。場面写真と予告編が到着した。 フランコ政権末期の1974年スペイン。バルセロナを追われた料理人フェルナンドとアルベルトの兄弟は、サルバドール・ダリが住む海辺の街カダケスに辿り着く。迎えたのは海洋生物学者のロラ、そして彼女の父であり、ダリを崇拝してレストラン〈シュルレアル〉のオーナーを務めるジュールズだった。 「いつかダリに当店でディナーを」をスローガンに掲げ、無謀な試みに奔走し続けるジュールズ。その情熱が、フェルナンドの料理に新たな風を呼ぶ──。 https://www.youtube.com/watch?v=09lFTfA__Cw 「正気だけじゃ夢を叶えられない」と語るフェルナンドのモデルは、伝説の三ツ星レストラン〈エル・ブジ〉のシェフだったフェラン・アドリアだ。予告編には、実際にエル・ブジで提供されていたメニューの数々が登場する。愛と芸術が溶け合う物語に注目したい。 「美食家ダリのレストラン」 監督:ダビッド・プジョル 出演:ジョゼ・ガルシア、イバン・マサゲ、ポル・ロペス、クララ・ポンソ 2023/スペイン/スペイン語、フランス語/カラー/115分 原題:Esperando a Dali 映倫:G 提供:コムストック・グループ、ファインフィルムズ 配給:ファインフィルムズ、コムストック・グループ 後援:スペイン大使館 Embajada de España、インスティトゥト・セルバンテス東京 ©ESPERANDO A DALÍ A.I.E. 2022 公式サイト:https://dali-restaurant.com -
『スター・ウォーズ』日本初公開日記念!その誕生の裏側を河原一久が読み解く【全4回―③】
2024年6月26日46年前の1978年6月24日、全米公開から約1年、日本中の映画ファンが待ちに待った「スター・ウォーズ」が日本で初公開(先行上映)された歴史的な日だ。前年の5月に全米公開され、未曾有の大ヒットを記録、その約1年後、日本列島をその熱狂の渦で包み込んだ。その後、映画史に残した足跡、伝説は語るまでもないが、その始まりの前夜にどれだけの物語が存在したのか。 もしかしたら、この伝説はすべて夢となっていたかもしれない── フランスですでに8万部以上を売上げた大ベストセラー、「ルーカス・ウォーズ」。ジョージ・ルーカスの生い立ちから「スター・ウォーズ」誕生までを描いたこのバンド・デシネ(フランス語圏の漫画)からその裏側を読み解きたい。 【全4回ー③】 1回目はコチラから アメリカで人気を博した『フラッシュ・ゴードン』 アメリカでは1934年にアレックス・レイモンドによるSF冒険活劇『フラッシュ・ゴードン』の新聞連載が始まる。当時すでに人気を博していた『バック・ロジャース』に便乗して似たようなコンテンツを送り出そうとしたキング・フィーチャーズ・シンジケートは、エドガー・ライス・バロウズの「火星シリーズ」のコミック化を計画するが、バロウズとの交渉がうまくいかず、最終的に社内スタッフによって新たなヒーローを生み出すという形になった。興味深いことに、この出来事は後年、ルーカスが『フラッシュ・ゴードン』の映画化を考えたときに、同じく権利を取得できなかったこともあって、自分でオリジナルストーリーを考えざるをえなくなったことと奇妙な一致を見せている。 『フラッシュ・ゴードン』は1936年には早くもバスター・クラブ主演の劇場用連続活劇映画が公開され人気を博すことになる。この約30分という長さの短編映画は50年代に訪れたテレビ時代にマッチしたため、そのままの形でテレビ放映され、子ども時代のルーカスはこれに夢中になる。この頃も『フラッシュ・ゴードン』の新聞連載は続いていたが、ライターとしてハリィ・ハリスン、アーティストとしてフランク・フラゼッタなども携わっていたという。 一方、1959年、フランスでは古代ローマ時代のガリア(のちのフランス)を舞台としたコメディコミック『アステリックス』が誕生。1967年にはピエール・クリスティンとジャン=クロード・メジエールによるSFコミック『ヴァレリアンとロールリンヌ』の連載が始まる。この頃ルーカスは南カリフォルニア大学で映画作りを始めたばかりだったが、この時点では娯楽作ではなく、実験的な野心作が彼の関心だった。 大人向け作品に昇華させたメビウスの功績 さて、「大人の鑑賞にも耐えうる作品」というレベルにまで達したコミックやバンド・デシネは、次のステップとして「子ども向け」ではなく、はじめから「大人向け」の作品の創造を目指していく。そんな中、日本で最も知られ、最も功績のあった作家はメビウスだろう。 バンド・デシネの代表的な作家のひとりであるメビウスは1974年にそれまでの低年齢層向けだったものを一気に大人を対象とした雑誌「メタル・ユルラン」を中心メンバーとして創刊(アメリカでは「ヘヴィ・メタル」のタイトルで発行された)。その衝撃と影響は世界に広がり、特に1976年に掲載した『ロング・トゥモロー』はリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」やウィリアム・ギブソンの著作にも影響を与えたことで知られる。 また、メビウスは映画制作の現場にも深く携わり、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が企画した「デューン」に関わり、企画が頓挫したものの、ここで共に関わったダン・オバノン、H・R・ギーガー、クリス・フォスらとは後に「エイリアン」を担当することになる。日本においてメビウスの影響は鳥山明や大友克洋、荒木飛呂彦、浦沢直樹らにも認められるし、手塚治虫はメビウスのファンであることを公言し、彼の来日の際にも尽力している。 中でも宮﨑駿はメビウスの「アルザック」に衝撃を受け、その影響の下「風の谷のナウシカ」を作ったと認めている。一方のメビウスもまた宮﨑の作品に感銘を受け、娘をナウシカと名付け、来日した際には親子でジブリ美術館を訪れている。のちに2人はパリで展覧会を開き、そこではメビウスが描いた「ナウシカ」、宮﨑が描いた「アルザック」が展示された。そしてジョージ・ルーカスその人も多くのコミックブックから影響を受けたこと認めており、その筆頭としてメビウスの名も挙げている。1989年発行のメビウスのアートブックにはルーカスが序文を書いているほどだ。 アートは国境を越え、新しい形に… 実のところ、こうしたアーティストたちによる交流こそが、アート作品の発展と多様化を推進してきたのである。たとえばルネッサンス期のイタリア美術をフランスの画家たちが模倣し、古典主義がロマン派、バルビゾン派などに発展していくと同時に、印象派に始まる新たな時代が幕を開ける。それは産業革命とともにやってきた情報の流通による知的刺激の増加、そしてサロンから異端児扱いされたはぐれ者たちの反骨精神がもたらしたものだった。 そしてパリで酷評された印象派も大西洋を渡り、新大陸アメリカで絶賛されたことで市民権を獲得していったという事実もある。同時期にパリを席巻した「ジャポニズム」、特に浮世絵が与えた影響も然り。アートは国境を越えて刺激を与えあい、融合し、新たな形を生み出していくのである。 前述したようにルーカスは子ども時代に『フラッシュ・ゴードン』や『バック・ロジャース』などに夢中になった。そして商業監督デビュー作「THX-1138」の興行が失敗に終わった後には、「興行的成功こそが監督としての未来を約束する手形となる」ことを痛感し、誰もが共感できる娯楽作の製作に乗り出す。 まずは自らの青春時代を過ごしたモデストでの思い出を「アメリカン・グラフィティ」としてまとめ、記録的大ヒットを成し遂げるが、その製作と並行してルーカスは次に監督しようと考えていたSF娯楽作品のリサーチも始める。その一端は本書にも記述があるジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』で、他にもバロウズの「火星シリーズ」、E・E・スミスの「レンズマンシリーズ」などもあった。フランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』も参考にし、特に高価なスパイスが取引されているという設定を取り入れたことも知られている。 第4回(最終)へ続く…… 【書籍名】ルーカス・ウォーズ 【著者名】ロラン・オプマン 作 ルノー・ロッシュ 画 原正人 翻訳 河原一久 監修 【ISBNコード】978-4-87376-491-7 【判型・頁数】A4判/208頁/書籍 【刊行年月】2024年5月 ▶本の詳細・購入はコチラから -
敵国の難民を救うのか──。デンマーク人一家の信念の物語「ぼくの家族と祖国の戦争」
2024年6月26日敵国の難民を救うか、見殺しにするか──。第二次世界大戦下で信念を貫こうとした一家の物語を、「バーバラと心の巨人」のアンダース・ウォルター監督が描き、デンマークのアカデミー賞(ロバート賞)5部門ノミネートならびに本年度SKIPシティ国際Dシネマ映画祭国際コンペティション部門選出を果たした「ぼくの家族と祖国の戦争」が、8月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。ビジュアルと予告編が到着した。 ドイツ占領下にある1945年のデンマーク。市民大学の学長ヤコブは、敗色濃厚となったドイツから500人以上の難民を受け入れるよう命じられ、妻のリスと共にジレンマに直面する。もし誰もが敵視するドイツ人を救えば、裏切り者扱いされる恐れがある。だが救わなければ、多くの死者が出る。 そんな中、12歳の息子が交流しつつあったドイツ難民の女の子が、感染症を患う。友を救うべきか、国民感情を優先するのか、決断の時が迫る──。 https://www.youtube.com/watch?v=rdXXMhxfvbg ヤコブを演じるのは「アクアマン/失われた王国」に出演したピルー・アスベック、息子役はこれがデビュー作となるラッセ・ピーター・ラーセン。歴史の一ページにスポットを当てた、心揺さぶるヒューマンストーリーに注目したい。 「ぼくの家族と祖国の戦争」 監督・脚本:アンダース・ウォルター 出演:ピルー・アスベック、ラッセ・ピーター・ラーセン、カトリーヌ・グライス=ローゼンタール 2023年/デンマーク/デンマーク語・ドイツ語/101分/カラー/シネスコ/5.1ch 英題:BEFORE IT ENDS 日本語字幕:吉川美奈子 配給:スターキャット 宣伝:ロングライド ©2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S 公式サイト:cinema.starcat.co.jp/bokuno -
広瀬すずが主演を務め、巨匠の根岸吉太郎監督(「探偵物語」「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ~」)と脚本家・田中陽造(「ツィゴイネルワイゼン」「セーラー服と機関銃」)が16年ぶりにタッグ結成。大正時代を舞台に、実在した女優の長谷川泰子、詩人の中原中也、評論家の小林秀雄による出口なき三角関係と壮絶な青春を描いた「ゆきてかへらぬ」が、2025年2月より全国公開される。 まだ女優として芽が出ない長谷川泰子が出会ったのは、のちに不世出の天才詩人と呼ばれる中原中也だった。どこか虚勢を張る二人は惹かれ合い、一緒に暮らし始める。やがて、中也の友人であり、のちに日本を代表する文芸評論家となる小林秀雄が訪ねてきたことで、三人の運命が狂い出す──。 「ゆきてかへらぬ」という題は、病床の中原中也が小林秀雄に託し、中也の没後に刊行された詩集『在りし日の歌』に収められた詩から取られた。まさしく後戻りすることのない青春物語に注目したい。 〈コメント〉 広瀬すず(主演) 今回演じた長谷川泰子は、大正というモダンな時代を自由にというか、必死というのか、無謀に駆け抜けた女性でした。 本当に体力のいる役でした。 根岸監督はこの作品が16年ぶりの長編映画と聞いておりましたが、それを感じさせない程、現場では監督の体力が一番すごかったですね。根岸監督の映画づくりというものを、この目で見て、体感して、とても贅沢でした。 是非、ご期待ください。 根岸吉太郎(監督) 大学で学生に映画を教えたり共に学んだりしているうちに、時があっという間に過ぎ去り16年ぶりの長編映画となりました。「ゆきてかへらぬ」は多くの監督や演出家が映画化したいと望んでいた知る人ぞ知る田中陽造さんの珠玉のシナリオです。これを託され5年の準備期間を経て素晴らしいキャストに恵まれ完成しました。 今回のすずさんは奥深いところで役を捉え、まるで泰子という主人公に憑依したかのようです。誰も見たことのない泰子の「広瀬すず」がここにいます。 大正から昭和へ移る時代を舞台に、ひとりの女とふたりの男の、奇妙な三角関係と真摯で壮絶な青春を描いた作品です。ぜひ、今の時代に青春を送る若者たちに観ていただきたいです。 田中陽造(脚本) 女優と詩人と批評家の、二度と戻れない青春時代を描いた映画です。 40年以上も前に書いた脚本ですが、今の時代に共鳴してくれればと願います。 [caption id="attachment_39302" align="aligncenter" width="850"] 根岸吉太郎監督と広瀬すず[/caption] 「ゆきてかへらぬ」 監督:根岸吉太郎 脚本:田中陽造 主演:広瀬すず 配給:キノフィルムズ ©︎2025 映画「ゆきてかへらぬ」製作委員会 公式サイト:www.yukitekaheranu.jp
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ワン・イーボー主演、ブレイキンでトップを目指す青春ダンスストーリー「熱烈」
2024年6月25日「無名」「ボーン・トゥ・フライ」のワン・イーボー主演により、ブレイキンで頂点を目指す青年の挫折と成長の物語を描いた「熱烈」が、9月6日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。ポスターと予告編が到着した。 身勝手なエースのケビンに逃げられたブレイキンチーム〈感嘆符!〉。その代わりを探すコーチのディンレイ(ホアン・ボー)が目をつけたのが、仕事を掛け持ちしながらプロダンサーを目指すチェン・シュオ(ワン・イーボー)だった。 チームに加わり、夢への第一歩を踏み出したチェン。ところがチームのためにイベントに参加したことで、仲間から「こいつはメンバーじゃない」と罵倒される。さらにケビンがチームに戻ることになり、チェンは解雇の危機にさらされる。 「僕はどうしたら」と涙を流すチェンを、「ケビンを倒すんだ」と励ますコーチ。希望を取り戻したチェンは練習に打ち込み、ついにケビンとの対決を迎える──。 ワン・イーボーが披露するブレイキンは見応えあり。青春のすべてをかけたダンスバトルから目が離せない。 https://www.youtube.com/watch?v=FPf1Hjl2Ib0 「熱烈」 監督:ダー・ポン 脚本:スー・ビョウ、ダー・ポン 撮影:ルイ・ジョン 出演:ワン・イーボー、ホアン・ボー、リウ・ミンタオ、シャオ・シェンヤン、ラレイナ・ソン、ワン・フェイフェイ 2023/中国/中国語/シネマスコープ1:2.35/124分 原題:熱烈 字幕翻訳:神部明世 配給:彩プロ 映倫G ©Hangzhou Ruyi Film Co., Ltd.