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アカデミー賞4部門ノミネートのデル・トロ新作「ナイトメア・アリー」、本編映像解禁
2022年3月16日本年度アカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートされた、異才ギレルモ・デル・トロの「ナイトメア・アリー」が3月25日(金)より全国公開。このたびブラッドリー・クーパー演じるカリスマ読心術師スタンの誕生の瞬間を捉えた本編映像が解禁された。 1946年に出版された傑作ノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を映画化した本作。ショービジネスでの成功を目指す男の運命を、「シェイプ・オブ・ウォーター」のデル・トロならではの映像美で紡いだサスペンス・スリラーだ。 “善良さと恐ろしい闇を使い分ける俳優” 解禁された本編映像は、カーニバルを取り締まる警察官を「待て!そこを下りろ!強力な電流が来てる」と割り込んで止めるスタン(ブラッドリー・クーパー)の姿から始まる。血相を変えて「どうか賢明な判断を頼みます」と感電ショーの健全さを訴えるスタン。そして優れた観察力で警官の性格を見抜くと、持ち前の話術でいとも簡単にその心を掌握する。それまではジーナ(トニ・コレット)の助手だったスタンが、カーニバル一座のピンチを救ったことで揺るぎない自信を持つ、まさにカリスマ読心術師スタン誕生の瞬間といえる。 スタンは冒頭カーニバルの不安な様子から、後半に見せるショーマンの威容、さらには演技じみた話術で観客を欺く姿まで、誰よりも佇まいを変えていくキャラクターだ。デル・トロは「スタンは人から反応を得るためにウソをつくことを覚えていきます。本当の自分は決して見せません。気まぐれな男で状況に応じて顔を変えるのです」と解説する。そして、演じたブラッドリー・クーパーについては「ブラッドリーの演技は感動的です」と絶賛。「スタンが持つ善良さ、肉体美、天性の優雅さをすべて兼ね備えていると同時に、恐ろしい闇の人物を演じる技能を持っています」と太鼓判を押している。やがてスタンを待ち受ける闇とはいかなるものか、注目が高まる。 Story 野心家の青年スタンが辿り着いたのは、人間か獣か正体不明な生物を見せ物にする怪しげなカーニバルの一座。そこで読心術の達人に技を伝授されたスタンは、“感電ショー”で人気者だったモリーを誘い、ショービジネスでの成功を目指して大都会へ旅立つ。やがてスタンは人を惹きつける才能と天性のカリスマ性を武器にトップのショーマンとなり、豪華ホテルのステージで上流階級の人々から拍手喝采を浴びる日々を送る。だが、心理学博士のリリス・リッターとの出会いが、スタンの運命を大きく変えていく。さらなる野望のその先に待っていた、想像もつかない闇とは──? 「ナイトメア・アリー」 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ルーニー・マーラ、ロン・パールマン、メアリー・スティーンバージェン、デヴィッド・ストラザーン 全米公開:12月17日 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン コピーライト:©2021 20th Century Studios. All rights reserved. 公式サイト:https://searchlightpictures.jp/nightmare_alley 公式Facebook:https://www.facebook.com/SearchlightJPN/ 公式Twitter:https://twitter.com/SsearchlightJPN 公式Instagram:https://www.instagram.com/SearchlightJPN/ ▶︎ 公開中&待機中のアカデミー賞ノミネート作を見逃すな! -
木村拓哉、長澤まさみら出演者5人による、抱腹絶倒のビジュアルコメンタリーは必見!
2022年3月16日大ヒットを飛ばした東野圭吾原作の極上ミステリーが、さらにパワーアップして帰ってきた。「マスカレード・ナイト」(鈴木雅之監督)は、木村拓哉演じる破天荒な潜入捜査官と長澤まさみの真面目すぎるホテルマンが、時に協力し、時にいがみ合いながら、大みそかに起こる難事件に挑む娯楽大作だ。3月16日(水)には、主な出演者が映画を見ながら抱腹絶倒のトークを繰り広げるビジュアルコメンタリーなどが収録された3枚の特典ディスク付きのブルーレイ&DVDが発売される。 潜入捜査官とホテルマンが大みそかに立ち向かう難題は…… 警視庁捜査一課の刑事たちが、潜入捜査官として超一流のホテル・コルテシア東京に潜り込んで難事件に立ち向かうという前作「マスカレード・ホテル」(2019年)は、興行収入46.4億円の大ヒットを記録した。第2弾となる「マスカレード・ナイト」は、捜査官、ホテルマンの配役はそのままに、新たに参加した多彩な俳優陣が宿泊客などの役で入れ代わり立ち代わり登場し、ホテルマンやホテルマンに扮した捜査官に難題を突きつける。それが大みそかのたった1日で起こる出来事というのが肝だ。 発端は、警視庁に届いた匿名の密告状だった。数日前に都内のマンションで起きた殺人事件の犯人が、12月31日にホテル・コルテシア東京での年越しカウントダウン仮装パーティー、通称「マスカレード・ナイト」に現れて、殺人を犯すというのだ。 捜査一課の捜査員がホテルに招集され、再び潜入捜査を行うことになる。一匹狼の刑事、新田浩介(木村拓哉)はフロントクラークに扮するが、以前の相棒だった規律に厳しいホテルマン、山岸尚美(長澤まさみ)はコンシェルジュになっていた。それでも武骨な新田の態度が気になってしかたがない山岸は、何やかやと面倒を見るうち、次第に事件に首を突っ込んでいく。果たして密告者は誰なのか。500人もが仮面で顔を隠して参加している舞踏会の会場で、犯人を見つけ出すことはできるのか。刻一刻と迫りくるタイムリミットを前に、2人の度胸が試される。 アルゼンチンタンゴも披露、木村拓哉の魅力全開 見どころの筆頭は、何と言っても木村と長澤の主役コンビによる意気の合った掛け合いだろう。前作に続いてフロントクラークに扮した新田刑事は、客のわがままにすべて応えるホテルマンの流儀にはなかなかついていけない。ついつい本音をぶちまけるものの、刑事の勘で危機を察知するなど、杓子定規なホテルにとっては非常に得難い存在でもある。 そんな新田は、原作者の東野が木村を当て書きして創作したと語るほどで、まさに木村のはまり役と言えるだろう。今作ではアルゼンチンタンゴを披露するなど、身体能力の高さも発揮し、報知映画賞の主演男優賞にも輝いた。まさに木村の魅力を存分に味わえる作品になっている。 対する長澤演じる山岸は、前作のフロントからコンシェルジュに異動。優秀な山岸は上司の覚えもめでたく、ロサンゼルスの系列ホテルへの出向候補にも上っている。コメディーからシリアスまで幅広い役柄をこなす実力派の長澤だけに、堅物ながらも新田のペースに徐々に引き込まれていく微妙な役どころを巧みに演じ、作品をピリッと引き締める。 さらに2人を取り巻く共演陣の華麗なる演技合戦も一見に値する。前作に引き続き、警視庁サイドで小日向文世、梶原善、泉澤祐希、篠井英介、渡部篤郎、ホテルサイドで東根作寿英、石川恋、鶴見辰吾、石橋凌らが出演。加えて中村アン、田中みな美、石黒賢、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸といった個性的な面々が初登場。謎だらけのストーリーに、よりミステリアスな雰囲気を醸し出す。 前作に引き続き、ホテル内部の豪華な美術セットも見もので、大勢のエキストラを集めて撮影されたカウントダウンの仮装舞踏会は圧巻の一言に尽きる。フジテレビディレクターの鈴木監督は、テレビドラマ「王様のレストラン」「ショムニ」「鹿男あをによし」、映画「GTO」「プリンセス トヨトミ」などを手がけたヒットメーカーで、木村とはテレビドラマ「ロングバケーション」や映画「HERO」などでタッグを組むなど息もぴったり。今作でも、木村が全幅の信頼を寄せていることがうかがえる。 抱腹絶倒の裏話が飛び出すビジュアルコメンタリーも ブルーレイ&DVDならではのお楽しみと言えば特典映像だが、今回は3枚の特典ディスクがついた豪華版も発売。中でも木村、長澤、小日向、沢村、麻生の出演者5人が、映画を見ながらおしゃべりを交わすビジュアルコメンタリーは、本編を見た人だけが堪能できるとっておきの1枚だろう。 ビジュアルコメンタリーとは、映画を頭から最後まで丸々流し、出演者らが画面を見ながら撮影時の裏話や知られざる秘話を語るというものだが、今回は冒頭から少々脱線気味。木村が演じる新田刑事が登場すると、同じ刑事役の小日向が突然、「これ地毛?」と髪形について混ぜ返す。木村が「これはウィッグです」と答えると、「まだ持ってんの?」と畳みかける小日向。「何、ほしいの?」と木村が応じるなど、映画のシーンを離れてどんどん自由なおしゃべりで盛り上がる。 https://youtu.be/AXB3xepeMyY その後も小日向がほとんど映画と関係のない話を振るたびに笑いが起き、木村も「おもしれえんだけど、ちょっとめんどくさいね」「コメンタリーってこんなんじゃねえな」「今、映画見てんの。コメンタリーやってんの」などと突っ込んで、さらに爆笑の渦を呼ぶ。あっという間に2時間9分の本編鑑賞を終えた5人は、みな口々に「楽しかった」を連発。小日向が「これで初めて、撮影時にどう思っていたかを聞いたのがいっぱいあった」と満足そうに話すと、沢村が「普通はもっと聞くんです、それ」とあきれ返るなど、最後まで笑いの絶えない特典映像になっている。 ほかの2枚には、メイキング映像や完成披露試写会などのイベント映像、公開記念のテレビ特番などが収録されていて、お得感は満載。映画を3倍、4倍にも楽しめるファンにはうれしい内容になっている。 文=藤井克郎/制作=キネマ旬報社 「マスカレード・ナイト」 ●3月16日(水)Blu-ray&DVDリリース(同日レンタル開始) Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu ray 豪華版 4 枚組:8,580円(税込) DVD 豪華版 4 枚組:7,700円(税込) <豪華版 特典内容> 【本編ディスク】 ・予告編集(特報/予告編/TVスポット) 【特典ディスク①(DVD)】 ・メイキング映像 本邦初公開の秘蔵映像満載!超豪華キャストそろい踏みの撮影の舞台裏に密着! ・めざましテレビコラボクイズ「仮面とらナイト」 嘘の仮面をつけているのは誰だ?登壇する二人のどちらかが、●●しているフリをしている。あなたは見抜けるか? 出演者:木村拓哉、長澤まさみ、(以下登場順)沢村一樹、木村佳乃、中村アン、勝村政信、博多華丸 【特典ディスク②(DVD)】 ・イベント映像集 完成披露試写会/公開直前イベント/初日舞台挨拶/大ヒット御礼舞台挨拶に至るまで全てのマスカレード・ナイトイベントの模様を完全収録! ・公開記念特番 突然ですがマスカレード・ナイト占ってみました 人気占い番組とコラボ!木村拓哉・長澤まさみ・沢村一樹がフォーチュンウォッチャーとして見守る中、 映画スタッフと超豪華俳優をゲッターズ飯田が丸裸に! 【特典ディスク③(DVD)】 ・ビジュアルコメンタリ― 木村拓哉×長澤まさみ×小日向文世×沢村一樹×麻生久美子が撮影秘話を語り尽くすファン必見のコメンタリー <先着購入者特典> 先着で、対象商品をご予約・ご購入いただきましたお客様に オリジナルA5クリアファイルがついてきます!! (※数量に限りがございます。一部取扱いのない店舗もございます。) ●DVD 通常版 4,180円 (税込) <通常版特典内容> 【本編ディスク】 ・予告編集(特報/予告編/TVスポット) ●2021年/日本/本編129分 ●監督:鈴木雅之 原作:東野圭吾「マスカレード・ナイト」(集英社文庫刊) ●出演:木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、渡部篤郎 ほか ●発売元:フジテレビジョン 販売元:東宝 ©2021 東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会 -
広瀬すず&松坂桃李主演 × 李相日監督の「流浪の月」、場面写真到着
2022年3月16日2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうの小説「流浪の月」が、広瀬すずと松坂桃李をダブル主演に迎え、李相日のメガホンで映画化。5月13日(金)に全国公開される。 誘拐事件の“被害女児”と“加害者”という烙印を背負ったまま生きてきた2人が、事件から15年後に再会して織り成す物語を描く「流浪の月」。広瀬は10歳の時に“被害女児”となった家内更紗(かない さらさ)を、松坂は“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき ふみ)を演じる。 そして現在の更紗の恋人・亮役を横浜流星が、心の傷を抱え続けた文に寄り添う看護師・谷あゆみ役を多部未華子が務め、趣里、三浦貴大、白鳥玉季(子役)、増田光桜(子役)、内田也哉子、柄本明もキャストに名を連ねる。 エモーショナルかつ骨太な作風で知られる李相日監督(「フラガール」「悪人」「怒り」)のもと、数々の名作韓国映画を手がけてきた撮影監督ホン・ギョンピョ(「パラサイト 半地下の家族」「バーニング 劇場版」「哭声/コクソン」「母なる証明」)、世界を股にかけて活躍する美術の種田陽平(「キル・ビル Vol.1」「ヘイトフル・エイト」「フラガール」「悪人」「三度目の殺人」)など、国境を越えた才能が集結した。 場面写真も解禁。世界の片隅で生きてきた更紗と文、彼らに深くかかわる亮と谷をはじめ登場人物らが見せているのは、ぎこちない笑顔、交わらない視線、固く結んだ口元など、緊張感ある姿ばかり。“許されないふたり”の運命を暗示させるかのようで、映画への期待を煽る。 Story 雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗を誘拐した罪で逮捕されてしまう。それから15年。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。更紗のそばには婚約者の亮がいた。そして文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添い……。 「流浪の月」 原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊) 出演:広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子、柄本明 監督・脚本:李相日 撮影監督:ホン・ギョンピョ 製作総指揮:宇野康秀 製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾) 共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS 配給:ギャガ クレジット:(C) 2022「流浪の月」製作委員会 -
行定勲監督らのコメント到着。パルムドール受賞の圧倒的怪作「TITANE/チタン」
2022年3月16日その衝撃でカンヌ国際映画祭をどよめかせ、見事パルムドールに輝いたジュリア・デュクルノー監督の怪作「TITANE/チタン」が、4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国で公開。著名人よりコメントが届いた。 頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれた女性の危険な衝動を描く「TITANE/チタン」。このたびコメントを寄せたのは、行定勲監督、入江悠監督、津田健次郎、綿矢りさ、金原ひとみ、こがけんなど総勢25名の著名人だ。未知なる映画体験に接した彼らの熱狂ぶりが伝わる。 コメント一覧(※順不同、敬称略) 映画監督 行定勲 ジェンダーの境界線をとんでもない発想で凌駕してくる演出と芸術的変質性にやられた。 女性にしか耐えられないような痛みを可視化し、限界まで俳優の肉体と精神を追いつめ美しく昇華させる。 究極に「変」な映画でありながらラブストーリーとしても秀逸である。 映画監督・写真家 枝優花 とにかく内容に関しては「観て!感じてくれ!」なので、これ以上こちらからは何も言いたくない! リアルタイムでデュクルノー監督の脳内を追いかけられる喜び!一緒にスクリーンを駆け巡れるなんて!同じ時代に生きててよかった!ありがとう!! 映画監督 大森立嗣 五感がぶっ飛ばされた! 映画が好きだと一度でも思ったことがある人は、みんな観た方がいい。これが映画だよ。でもガチですごいから、少し気合がいるかも。うう、まだ、頭とお腹がウズウズする 映画監督 入江悠 おそろしい新世紀の扉を、この映画が開けた感がある。あるいは、パンドラの箱か。 どちらにしてもスリリング極まりない未体験の領域だ。 写真家 小見山峻 圧倒的なクレイジーを明媚なカメラワークで流し込み、酔っ払う。この痛快な喉越しは、ここにしかない。 作家 志茂田景樹 まるで大蛇に吞み込まれたような怪引力で画面に引きずり込まれた。 ラストの稀有な衛勢力に近未来の人間社会の罪深い亀裂を想い、束の間、放心した。 作家・マンガ家 小林エリカ 圧倒的な触感と徹底的な混乱をもって欲望と愛に忠実な作品でした。 小説家 綿矢りさ 殺人無双中、最強の"良心"に出会うチタン。痛みの続く荒れ模様のなか、暖かみが芽生える。 作家 松田青子 私たちの身体の延長線上にどんな未知の世界が広がっていて、 どんな“変身”の可能性を孕んでいるのか、この監督はいつも見せてくれる。 小説家 金原ひとみ このとち狂った世界では、狂気だけが救いとなり、狂気だけが希望となる ライター 武田砂鉄 これまで把握していなかった感情を探し当てられた気がして怖い。どうしよう。 文筆家 五所純子 火に焼かれ、金属に侵され、改造される規範という肉体、誕生する異種交配の慈愛、疼きはじめる異物混入の夢。 美術家 会田誠 とんでもないストーリー展開に唖然としっぱなしで‥‥見終わって思ったことは『やっぱりフランスという国はある意味で世界一進んでいるなあ‥‥痛々しいほどに』ということでした。 奇想漫画家 駕籠真太朗 漫画『うる星やつら』のサブキャラである竜之介と父のエピソードを生々しく痛々しくすると本作になるのだな。 漫画家 えすとえむ 数秒先に何が起こるかわからないスリルに翻弄される。 金属、肌、火。凶暴な寓話に散りばめられた異なる質感がやけにリアルでゾワリとした。 漫画家 森泉岳土 「共感したい」というわたしの思惑は無残に切り裂かれた──計算され尽くした血まみれのヴィジョンによって、神々しく。 アーティスト/東京藝術大学デザイン科准教授 スプツニ子! 生物学的機能や家族関係への違和感が、メタフォリカルな表現を通して痛みとして刺さってきた コラージュアーティスト Q-TA 痛くて冷たい、静かで暖かい 痛覚と心に同時に襲い掛かる 過激な奇跡の恋愛映画。 編集者 野村由芽 瞬きするたび、価値観が揺れた。性、身体、善悪、家族……想像もしなかった方法で現代の規範が破壊される戸惑いと解放感。 コラムニスト 山崎まどか ヒロインを蝕む金属が燃える炎に触れて溶解し、変容し、こんなに不可思議で感動的な物語に 昇華していくとは! あまりに思いがけなかった。 キュレーター/東京藝術大学准教授 荒木夏実 どうしようもない欠落を埋めてくれる愛を、人は一生求め続けるんだろう。 たとえそれが妄想の中にしか存在しなくても。 声優 津田健次郎 エンジンの胎動、やがて鋭利な金属が常識や既成ジャンルを突き破る。産声は映画の新たな潮流か。 お笑い芸人 こがけん 共感の枠外から荒々しく魂を揺さぶってくる怪作。これをカルトだと割り切れたなら、どれだけ楽になれただろうか…。 疾走する狂気にかき回され、ねじ伏せられて鑑賞後の感情を未だに整理できない。 もはや、僕の手には負えません! 映画ジャーナリスト 宇野維正 「一体、何を見せられているんだ???」という前半から、やがてこの作品が純愛についての物語であることに気づくまで。 こんな心をかき乱される映画体験は久しくなかった。体調を整えてからご鑑賞を。 ゲームクリエイター 小島秀夫 塚本晋也の「鉄男(1989)」もクローネンバーグの「クラッシュ(1996)」も、産業革命時代の子宮から産まれ墜ちた鬼子による肉体の破壊衝動を描いた。鬼才ジュリア・デュクルノーが取り扱うのは、前世紀の象徴である“鉄屑(Fe)”ではなく、“チタン(Ti)”。本作は、デジタル時代で形骸化した“鋼鉄”の頭蓋から摘出される金属化した愛の“融点”を描く。 © KAZAK PRODUCTIONS – FRAKAS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINEMA – VOO 2020 ▶︎ 「TITANE/チタン」の第1弾記事はこちら -
カンヌ受賞のアスガー・ファルハディ新作「英雄の証明」、著名人コメント到着
2022年3月16日ベルリンとカンヌの両国際映画祭で数々の賞に輝き、「別離」と「セールスマン」で米アカデミー賞外国語映画賞を2度も制した巨匠アスガー・ファルハディの新作「英雄の証明」。その4月1日(金)公開を前に、世界の映画監督をはじめ、ジャーナリスト、作家、ゲームクリエーターなど各界著名人から称賛コメントが到着。新ビジュアルも解禁された。 第74回カンヌ国際映画祭グランプリ&フランソワ・シャレ賞、第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー脚本賞、外国語映画賞などを受賞し、第79回ゴールデングローブ賞非英語映画賞にノミネート、本年度米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストに選出された「英雄の証明」。 倫理観という普遍的テーマの追求にあたり、今回ファルハディが着目したのはSNSやメディアの絶大な影響力だ。振れ幅の大きな主人公の運命を通し、真実の曖昧さや社会に潜む欲望とエゴをあぶり出す、予測不可能なヒューマン・サスペンスに仕立て上げた。 コメントを寄せたのはジョージ・ミラー、ギレルモ・デル・トロ、ルカ・グァダニーノといった映画監督をはじめ、作家の赤川次郎、フリーアナウンサー久米宏、ライター武田砂鉄、ジャーナリスト堀潤、国際政治学者の三浦瑠麗ほか著名な面々。以下に掲出する。 ジョージ・ミラー監督(『マッドマックス怒りのデス・ロード』) 「英雄の証明」は徹底して重層的だ。作品の世界に没頭してしまう素晴らしい映画体験。 登場人物と一緒にいるかのように感じるほど自然に、彼らの個人的な話が普遍的な物語になっていく。世界中どこにいても、この作品で起こる問題を理解できない人はいないだろう。 ギレルモ・デル・トロ監督(『シェイプ・オブ・ウォーター』) 主演アミル・ジャディディの演技は、驚くほど真に迫っている。 ルカ・グァダニーノ監督(『君の名前で僕を呼んで』) 信じられないほど優れた脚本だ。監督が生み出す複雑な登場人物やシチュエーションは「創作の奇跡」といえるだろう。アスガー・ファルハディ監督の作品は、我々の時代のマスターピースだ。 三浦瑠麗(国際政治学者) ファルハディ監督の人間に対するアプローチは信頼がおける。 「セールスマン」はわたしにとって心にくい込んで忘れられない作品だったが、これも忘れられなくなりそうだ。何度も見返すだろう。 西川美和(映画監督) 嫌な予感がする。 金貨を拾った主人公は、思うようにそれを利用できない。しかしそのおかげで取り巻く世界が明るくなっていく──それがすでに、猛烈に恐ろしい。やめとけ。ファルハディの前でその展開はマズい。ろくな目に遭わない!! 終わってみたら、汗びっしょり。イラン固有の背景を舞台にしながら、人間の本質の描写には、世界とミリ単位のズレも感じさせず、SNSに絡め取られる現代の狂騒を容赦無く盛り込んで行く。綿密なストーリーテリングと、最小にして誰にでも伝わる演出。世界のレベルはこれほど自分と違うのかという意味でも、心臓が疲弊します。 武田砂鉄(ライター) 私たちは今、評価が一気にひっくり返る社会を生きている。 この映画に映る、ほぼ全員が困惑している。喜怒哀楽のそれぞれに戸惑いが滲んでいる。 でも、それが、今、この時代を生きる上での前提になっている。 赤川次郎(作家) これは「完全な人間はいない」という単純な真実の物語である。小さな善行、小さな愚行を、SNSがその人のすべてとして色分けしてしまう。同じことをしていないかと自分に問いかける、秀作。 小島秀夫(ゲームクリエイター) ミニマムな日常と、独自の慣習を描き、世界を共感させて来たアスガー・ファルハディ。国際映画人として羽ばたいた彼が原点回帰し、「別離」を凌ぐ才能の“証明”を本作で魅せた!個人が意図せぬうちに“英雄”は量産され、消費され、瞬く間に葬られる。世界の何処にいようとSNSからは逃れられない現代人こそは、ラストでしばらく席を立てないはずだ。 久米宏(フリーアナウンサー) 村上春樹原作の映画では北欧製の赤いクルマが走っている このイラン映画では 主人公はMAZDAに乗っている しばらく観ていると イランなのか日本なのか分からなくなる そっくりなのだ。 佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト) 誰かを吊し上げ、弾劾し、職を奪う行為は日本のSNSでも蔓延している。そういう行為を当然だと思っている人たちにこそ本作を観てほしい。それは人生に取り返しのつかない事態を招くことを。 堀潤(ジャーナリスト) 今、戦争の真っ只中にある。視界に飛び込む「善と悪」との衝突が世界をさらに分断に追い込む。しかし、私は本当に考えているだろうか。知ろうとしているだろうか。みているだけでは翻弄される。みているだけでは私たちも加害者になる。責任を持つのだ。そのために、この映画は今こそ必要だ。 伊藤詩織(ジャーナリスト) 名誉なんて誰かが勝手に与えるラベルでしかない。自分自身に真実に生きる、それが彼の選んだ道なのだ。自分自身に名誉を送るために。 北村道子(スタイリスト) アスガー・ファルハディの脚本は今のメディアの有り様を警告しているリアルな現実である。 宇野維正(映画ジャーナリスト) 他者からの評価が貨幣となる時代の危うさについての巧みなストーリーテリング。扉と窓の描写にこだわりぬく「映像の魔術師」としての芸術性。アスガー・ファルハディはまたしても現代最高の映画作家の一人であることを証明した。 (C)2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinema ▶︎ 「英雄の証明」の第1弾記事はこちら