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異才アラン・ギロディの最新作「ミゼリコルディア」など3作を一挙公開
2025年2月21日1990年に短編でデビューし、2001年の第54回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された中編第2作が、ゴダールにその年の“カンヌの最高作”と評されて話題となった異才アラン・ギロディ。セクシュアリティやマイノリティへの偏見や先入観をいなし、愛と欲望を意表を突くストーリーで描いてきた。 [caption id="attachment_46983" align="aligncenter" width="850"] 「ミゼリコルディア」[/caption] 長編は7作を発表してきたが、そのうちカイエ・デュ・シネマでベストテン第1位に選ばれた最新作「ミゼリコルディア」(2024)、賛否沸騰のギロディ流社会派コメディ「ノーバディーズ・ヒーロー」(2022)、ギロディの名を知らしめたスリラー「湖の見知らぬ男」(2013)の3作を、3月22日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開することが決定。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 「ミゼリコルディア」 2024年カンヌ国際映画祭プレミア部門出品/2024年ルイ・デリュック賞/2025年セザール賞8部門ノミネート かつて働いたパン屋の主人の葬儀に参列するため、村に帰ってきたジェレミー。未亡人マルティーヌの家で一泊だけするつもりが、滞在は思いのほか長引く。やがて謎の失踪事件が起き、未亡人の息子ヴァンサン、音信不通だったかつての親友ワルター、奇妙な神父フィリップ、そして村の秘密を知る警官らの思惑と欲望が交錯する──。 監督・脚本:アラン・ギロディ 出演:フェリックス・キシル、カトリーヌ・フロ、ジャック・ドゥヴレ、ジャン=バティスト・デュラ、デヴィッド・アヤラ 2024/フランス/103分/カラー/2.35/5.1/日本語字幕:手束紀子 © 2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Andergraun Films / Rosa Filmes 「ノーバディーズ・ヒーロー」 2022年ベルリン国際映画祭パノラマ部門オープニング作品 独身のメデリックは、ランニング中に売春婦のイザドラに一目惚れして口説くが、嫉妬深い夫に邪魔される。同じ頃、街で大規模テロが発生。メデリックのアパートに突如現れたアラブ系の青年セリム、仕事とプライベートの区別がないフロランス、混乱する近隣住民たち、ホテルフロントの老人と少女らを巻き込み、思わぬ展開に──。 監督・脚本:アラン・ギロディ 出演:ジャン=シャルル・クリシェ、ノエミ・ルヴォウスキー、イリエス・カドリ、ミシェル・マジエロ、ドリア・ティリエ 2022/フランス/100分/カラー/1.85/5.1/日本語字幕:本多茜 © 2021 CG CINÉMA / ARTE FRANCE CINÉMA / AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA / UMÉDIA 「湖の見知らぬ男」 2013年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞&クィア・パルム賞受賞 男性たちの出会いの場となっている湖を、ヴァカンス中に訪れた青年フランク。魅力的なミシェルと出会い恋に落ちるが、ある夕方、喧嘩する二人の人物を目撃する。そして数日後、ミシェルの恋人だった男性が溺死体で発見された。捜査が始まり一帯には不穏な空気が漂うが、恐怖を情熱が上回った瞬間、欲望が迸る──。 監督・脚本:アラン・ギロディ 出演:ピエール・ドゥラドンシャン、クリストフ・パウ、パトリック・ダスマサオ、ジェローム・シャパット、マチュー・ヴェルヴィッシュ 2013/フランス/97分/カラー/スコープ/ドルビーSRD/日本語字幕:今井祥子 © 2013 Les Films du WorsoArte / France Cinéma / M141 Productions / Films de Force Majeure https://www.youtube.com/watch?v=-OeCP_gbz20 配給:サニーフィルム -
洪水世界を猫が旅する「Flow」、日本版本予告編と著名人コメント公開
2025年2月20日「Away」(2019)で注目されたギンツ・ジルバロディス監督が、大洪水に見舞われた世界で一匹の猫と仲間の動物たちが繰り広げる冒険を描き、2024年カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門出品、2024年アヌシー国際アニメーション映画祭4部門受賞、2025年ゴールデングローブ賞アニメ映画賞受賞、2025年アカデミー賞長編アニメ賞・国際長編映画賞ノミネートなどを果たした「Flow」が、3月14日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。日本版本予告編と著名人コメントが到着した。 https://www.youtube.com/watch?v=NNkv8g2u83A 〈コメント〉 物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、命のきらめきと尊厳を見る。その瞳に込められた音なき言葉を、息を殺して聴け。 ──細田守(アニメーション映画監督) 映画は、観る人を乗せる小舟だ。 猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある。 それが、愛らしい動物達の姿で描かれるから、人間は未熟でか弱く健気で、そして、大きな流れの中で色鮮やかに生かされている事に気づかされるのだ。 ──押山清高(アニメーション監督) 多分クリエイターなら皆 ずっとこういう作品を作りたかったと思います。 少なくとも僕は思っていました。 言葉が少なく、でもエモーショナルな物語はちゃんとあるものに憧れがありましたが 『Flow』はその100点みたいな作品でした。 見ている途中ずっとこれを作りたかったという気持ちと、猫達に早くゴハンを食べさせてあげて!と 夢中で見ていました。 ──藤本タツキ(漫画家) 孤独、孤立、分断、差別、飢餓、天災、我々人間界の様々な問題が、人間の居なくなった世界の、動物やあらゆる生命体のあり方がその答えをくれる。 言語や国籍を超え、全ての人類に捧げられたギンツ監督からの美しく愛らしくも鋭利なラブレター。 ──斎藤工(俳優/映画監督) これがアニメとCG映画の流れ(FLOW)が辿り着く、ひとつの到達点だ。動物たちは擬人化されず、台詞もない。ところが、芸術的で、哲学的で、どこまでも社会派なのだ。ただの客寄せ動物映画と侮ってはいけない。本作は、21世紀に流され、漂流する我々人類のFlowchart(フローチャート)そのものだ。 ──小島秀夫(ゲームクリエイター) 成猫になるまえの少し小柄な猫。彼の目に映る雄大な自然。そして天災。 美しい不思議なこの映画は勧善懲悪でもなく 共に方舟に乗って鑑賞している私をうっとりとした世界に導いてくれました。 ──ヒグチユウコ(画家) 美しく描き出されたポストアポカリプスな世界を旅するネコチャンたち……をひたすらカメラで追い続ける85分間。ただそれだけなのに、最後の最後まで目が離せない! 映画『Flow』は、想像により描き出された世界やキャラクターが確かにそこに存在するという根源的な楽しさに満ちた快作です。 吉浦康裕(アニメーション監督) なんて大きい世界なんだろう。 猫の目を通せばウサギだって大きいくらいなのに、こんなに巨大で美しい世界が変貌を止めないことが恐ろしい。 崩れゆく世界で人間なんかじゃ到底辿り着けないようなところまで連れ去られる。猫はそんなつもりはないよと言うかもしれないけど。 ──久野遥子(アニメーション作家・映画監督) 息を呑む美麗な水の表現に畏れを抱き、やがて波のように押し寄せてくる感情に圧倒される。言葉がないからこそ伝わるものがあり、私たちはそれを掬い取らなければならない。日常の中で忘れかけていた「生命」を感じる映画です。 ──浅野いにお(漫画家) 私たちも、予期せぬ冒険の最中にいるのかもしれません。 正しい方角もわからず、けれど常にどこかへと向かっている。 そうしてやがて、自分が何者かを知っていきます。 これは猫の物語ですが、大いなる流れの中にいる人間として、創作者として、 この作品がくれた世界を大切にしたいと思います。 ──loundraw(イラストレーター/アニメーション監督) 映像の美しさ、動物たちのリアルな動きの再現にはもちろん、主人公の猫や他の動物たちの鳴き声、仕草、表情だけで個性や感情がリアルに伝わってくる、その表現力に驚かされました。恐怖や物欲等を抱えた主人公達が成長する姿を言葉を一切使わず伝えられる、素晴らしい作品です。 ──アルトゥル(日本推しラトビア人) 都合のよい擬人化を極限まで廃し、それでいて愛らしくユーモラスに、生命みなぎる動物たちの冒険を活写する。気候危機や絶滅といった恐るべき「現実(リアル)」が迫る今、本作のように現実の動物や自然への想像力を飛躍させる、新時代のファンタジーアニメが必要だ。 ──ぬまがさワタリ(いきものクリエイター) 絵画のようで可愛らしい。 アニメなのに本物の動きで、手に取るように感情が分かる摩訶不思議。 観たら間違いなくもう一度体験したくなる世界への冒険だった。 なんなのだろうこのトキメキは。 言うなれば、アニメの枠からはみ出る芸術体験に、ずっと夢中という感覚かもしれない。 ──伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家) Story 大洪水に見舞われた世界で、旅立ちを決意した一匹の猫。他の動物たちとボートに乗り合わせ、想像を超えた出来事に直面しながら友情を育んでいく。果たして運命を変えられるか? ©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five. 配給:ファインフィルムズ ▶︎ 「Away」のギンツ・ジルバロディス新作。洪水世界を猫が旅する「Flow」 ▶︎ 洪水世界を猫が旅する「Flow」、TAAF2025上映記念でギンツ・ジルバロディス監督×友永和秀が対談 -
再び異世界駅へ──。本田望結×恒松祐里「きさらぎ駅 Re:」特報映像公開
2025年2月19日〈2ちゃんねる〉の投稿から始まった都市伝説を映画化し、話題を呼んだ「きさらぎ駅」(2022)。その3年後の物語を、キャストに再び本田望結と恒松祐里を迎え、引き続き永江二朗のメガホンで描いた「きさらぎ駅 Re:」が、6月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、イオンシネマほか全国で公開される。特報映像が到着した。 異世界にある〈きさらぎ駅〉から帰還した明日香(本田望結)と、取り残された春奈(恒松祐里)。二人は再会したのか、そして列車の向かう先とは──。不穏な物語から目が離せない。 https://www.youtube.com/watch?v=FKyLkKbb09E 「きさらぎ駅 Re:」 出演:本田望結、恒松祐里 監督:永江二朗 配給:イオンエンターテイメント 企画・制作:キャンター 製作:「きさらぎ駅 Re:」製作委員会 ©︎2025「きさらぎ駅 Re:」製作委員会 公式サイト:https://kisaragimovie-re.com/ -
鬱蒼とした森の奥で粗末な小屋に暮らす父と息子。父は少年に「森の外には悪党がいる。森から出てはいけない」と厳しく言いきかせる。オープニングを見て、これは大自然の美しさと厳しさを称え、文明社会を批判するファミリー映画かと思うかもしれない。だがそれは違う。劇場公開時に物議を醸した斬新な視点のディスピア・サバイバル「エム 絶望の世界」が2月19日(水)からレンタルリリースされる。 深い森で暮らす父と息子の絆。そして初めての旅立ち 父は常に猟銃を手放さず何かに怯えている。眠る前には自分に手錠をかける。好奇心旺盛で、広い世界への興味を抑えきれない息子のマルコ(マテイ・シヴァコフ)は父の言いつけを破り、森の奥へ奥へと進む。そこで妖精となった母と出逢えるかもしれないからだ。 ある日、マルコは森の奥にトレーラーハウスを発見して、自分と同じ年頃の少年ミコと出会う。すぐに打ち解け、子供だけの楽しい時間を過ごす。ミコの母も友人との出会いを喜んでくれた。だがある日、マルコは残酷な父の姿を目撃してしまう。なぜ父はそんな酷いことを。孤独になったミコを連れ、父と決別したマルコは森の外へ向かう。そこにあったものは……。 本作の第一の魅力は、少年の成長だ。観客は最初にマルコを演ずる子役・マテイ・シヴァコフの美しさと演技の巧みさに驚くだろう。森の外へ向かう旅の中で、マルコの好奇心や勇気、障害のあるミコへの思いやりが、少しずつ膨らんでいく様子が観客にも嬉しくたのもしい。親と離れた少年たちは、どこへ向かうのか。 少年たちが目にする「絶望の世界」の秘密 父が言っていた「森の外には悪党がいる」とは、未知のウイルスに感染した人間が溢れていることを意味する。森の外はまるで『ウォーキング・デッド』に描かれるような、ウイルスに侵された“生きる屍”が跋扈する世界だったのだ。だから森から出たマルコとミコもすぐ感染者に襲撃される。それでも二人は遠くをめざす。マルコは、どこかにきっと母の姿をした妖精が待っていると信じるから。しかし、外の世界は彼ら少年が想像するよりもずっと残酷で非情な世界だった──。 本作はずっと少年マルコの視点で進行する。マルコが恐怖し、逃亡し、安らぎ、戦う姿を映し続ける。驚くほど巧みなマルコ役のマテイ・シヴァコフの演技は、どのように演出されたものか秘密を知りたくなるほどだ。 少年の視点だから、彼らには眼の前に現れる大人が人間の意識のない存在と分からないし、敵か味方かもわからない。変わり果てた世界の姿も、彼らの視線からすれば恐怖の世界であると同時に、胸を高鳴らせる冒険空間でもある。 ゾンビ映画の一変種でありながら、本作が単なる文明批判に陥っていないのは、自分の眼の前に映る世界のすべてに、希望を見出す子どもたちの無垢な視点があるからだ。現代文明のおかげで彼も生き延びた。ただ、それも残酷な人生の前触れだと本作は描く。 監督が映画に込めた北マケドニアの困難の歴史 監督のヴァルダン・トジヤは1981年、北マケドニアの首都スコピエに生まれ、長編デビュー作「AMOK」(16)は世界中の多くの映画祭に出品され評価された。日本では本作が最初に公開される映画になるが、とても豊かな才能を感じさせる。本作の描かれる大自然の荘厳さ、そしてその映像に重なる音楽も新鮮で意味深い。少年たちの自然な演技には目をみはるが、監督は彼らに残酷な行為も演じさせる。その背景には、出身国の現代史の影響が間違いなくあるだろう。 バルカン半島の中部にあり、ギリシャのほか5カ国に周囲を囲まれた内陸国・北マケドニアには2000年代初頭、コソボ内戦の影響でアルバニア系住民が押し寄せ紛争が起きた。またギリシャ経由で西ヨーロパ先進国をめざす中等や北アフリカからの難民が大量に流入した経験もある。劇中終盤に現れるタカ派政治家の難民排斥演説の残像は、そうした北マケドニア固有の国内事情を反映している。本作に描かれるウイルス感染者は〈外部の人間〉のメタファーなのだ。 本作の完成度の高さに感心した方は、「ハニーランド 永遠の谷」(19)や「スマグラー /不法出国請負人」(15)など近年、目にする機会が増えた北マケドニア映画の秀作を見てみることをお勧めする。そこには内陸の小国独特の政治問題点が巧みに埋め込まれている。それらのあとで再び本作を見返すと、本作が単なるポストパンデミック映画でないことが理解できるはずだ。 「エム 絶望の世界」は単なるホラーではなく、世界の現実を映した映画なのだ。 文=藤木TDC 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=Um5ZhviUrqw 「エム 絶望の世界」 ●2月19日(水)レンタルリリース ●2023年/北マケドニア、クロアチア、フランス、コソボ、ルクセンブルク ●監督・脚本:ヴァルダン・トジヤ ●脚本:ダリヤン・ペヨフスキ ●出演:マテイ・シヴァコフ 、サスコ・コチェフ、アレクサンダル・ニコフスキー、カムカ・トシノフスキー、ボヤナ・グレゴリック・ヴェイゾヴィッチ 、ヴェリカ・ネデスカ ●発売・販売元:プルーク © FOCUS POCUS FILMS
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大森元貴×菊池風磨の暴露系ミステリー「#真相をお話しします」、予告編公開
2025年2月19日2023年本屋大賞にノミネートされた結城真一郎のミステリー小説を、主演に大森元貴と菊池風磨を迎え、豊島圭介監督により映画化した“暴露系エンタテインメント”「#真相をお話しします」が、4月25日(金)より全国公開される。場面写真と予告編が到着した。 借金を抱えて人生どん底の警備員・桐山(菊池風磨)は、ビルの警備室で知り合った鈴木(大森元貴)と、一夜で大金が稼げる視聴者参加型の生配信暴露チャンネル“#真相をお話しします”をきっかけに親交を深めていく。同チャンネルのスピーカー(話し手)たちは驚愕の暴露を続け、やがてチャンスが巡ってきた桐山が「これは僕の身に起こった本当の話です……」と語り始めると、投げ銭はどこまでも増えていくのだった。桐山が喜ぶ中、「次のスピーカーは僕です」と名乗り出たのは鈴木だった。彼は一体何者なのか──。 中条あやみ、岡山天音、福本莉子、伊藤健太郎、栁俊太郎、綱啓永、田中美久、齊藤京子、原嘉孝、桜井ユキ、伊藤英明ら豪華共演陣も要注目。衝撃の“真相”を見届けたい。 https://www.youtube.com/watch?v=IaV9BSpZfzI 「#真相をお話しします」 企画・プロデュース:平野隆 エグゼクティブプロデューサー:大脇拓郎 原作:結城真一郎『#真相をお話しします』(新潮文庫刊) 脚本:杉原憲明 監督:豊島圭介 出演:大森元貴、菊池風磨、中条あやみ、岡山天音、福本莉子、伊藤健太郎、栁俊太郎、綱啓永、田中美久、齊藤京子、原嘉孝、桜井ユキ、山中崇、秋元才加、大水洋介、伊藤英明 制作:ツインズジャパン 配給:東宝 ©2025 映画「#真相をお話しします」製作委員会 公式サイト:https://shinso-movie.jp/