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タブー視されがちな障がい者の性にも踏み込んだ作品「37セカンズ」
2021年12月18日タブー視されがちな障がい者の性にも踏み込んだ作品「37セカンズ」 新型コロナウイルスの感染拡大によって、劇場公開が見送られたり、公開したものの思うように観客動員できずに沈んでしまった映画は少なくない。2020年2月に劇場公開が始まった「37セカンズ」もコロナ禍の影響を受けたものの、強い生命力を宿していた。口コミで話題が広まり、ネットフリックスによる世界配信もあり、広く愛される作品へと育った。(現在Blu-ray&DVDリリース中) 障がいを持つ主人公が繰り広げる刺激に満ちた冒険 23歳になるユマ(佳山明)は、生まれてくる時に37秒間息ができなかったために足に障がいが残り、車椅子が欠かせない生活を送っている。シングルマザーである恭子(神野三鈴)から深い愛情を注がれているが、いつまでも子ども扱いされていることがユマには我慢できない。娘を愛するがゆえに毒親となる恭子、本音を口にできないユマ、ドメスティックな母娘関係を描いた冒頭のシークエンスから、引き込まれていく。 ユマは妄想力を活かした創作漫画が得意だ。エロ漫画誌の編集部に自作の漫画を売り込みに行くが、編集長(板谷由夏)からは「リアルさに欠けるのよね」と厳しい評価を下されてしまう。「(セックス)経験したら、また連絡して」と編集長に言われ、ユマの刺激たっぷりな冒険が始まる。 障がい者の性問題はタブー視されがちであり、女性障がい者の性に踏み込んだ作品は非常に珍しい。米国在住のHIKARI監督にとって、本作は長篇デビュー作。ユマと同じ障がいを持つ佳山をオーディションで選び、生々しい大人の世界に足を踏み入れる姿をドキュメンタリーさながらの臨場感で映し出している。 主演の佳山はまったくの新人ながら、HIKARI監督の演出に応え、果敢な演技に挑んでみせた。佳山自身にとっても、本作への出演は大冒険だったに違いない。佳山は熱演ぶりを評価され、毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。HIKARI監督も新藤兼人賞金賞に選ばれるなど、多くの映画賞に輝いた。 ユマの冒険の先に見えたもの 冒険の数々によって、ユマはさまざまな人たちと出会い、幼い頃に離れ離れになった双子の姉・由香(芋生悠)の存在を知る。父親に引き取られた由香は、障がいを持たずに成長していた。もしも自分が先に生まれていたら、もしも自分が父親と一緒だったら……。もうひとつの異なる人生を夢想するユマだったが、現実の世界に触れたことで、ユマの想像力は以前よりも地に足の着いたものとなる。ユマが冒険によって見た現実世界は、ユマの想像よりもずっとシビアで、そしてずっと美しく輝いていた。 ユマの冒険はやがて終わりを迎える。ユマと恭子との生活は、これからも苦労の連続だろう。でも順撮りで撮影された本作の最後に見せる主人公の明るい表情は、周囲にも大きな変化をもたらすことになる。この母娘の関係性は、これまでよりもずっと開かれたものになるに違いない。 文=長野辰次/制作=キネマ旬報社 「37セカンズ」 ●Blu-ray&DVDリリース中 Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray:¥5,280(税込)DVD:¥4,180(税込) ●2020年/日本/カラー/本編115分 ●監督・脚本:HIKARI ●出演:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、芋生悠、渋川清彦、宇野祥平、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのり、板谷由夏 ●発売元:ラビットハウス・ノックオンウッド 販売元:ポニーキャニオン ©37 Seconds film partners -
【あの頃のロマンポルノ】プロフェッショナル 藤田敏八
2021年12月17日2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、「キネマ旬報」に過去掲載された記事の中から、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げていく特別企画「あの頃のロマンポルノ」。キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時連載していきます。 今回は、「キネマ旬報」1975年9月上旬号より、寺脇研氏による「プロフェッショナル藤田敏八」の記事を転載いたします。 1919年に創刊され100年以上の歴史を持つ「キネマ旬報」の過去の記事を読める貴重なこの機会をお見逃しなく! プロフェッショナル藤田敏八 『野良猫ロック ワイルドジャンボ』(70)、『八月の濡れた砂』(71)での、若者たちを溶かし込んでしまうような、激しい夏の光は印象的だ。日が眩む強烈な光の氾濫の中で、肢体が躍動する。 藤田敏八にとって、夏の思い出は、朝鮮で過ごした少年時代と重なる。半島の乾いた夏だ。父親が朝鮮鉄道の社員だったため、生地の平壌をふりだしに、各地を転々とした。日本人学校だけでなく、現地の子たちと共学の学校に通った土地もある。そこで、さまざまな形での差別を見、子供心にそれを理不尽に感じたという。だが、植民地生活の深刻な部分は、子供たちの耳目に入らないようになっていた。のびのびと、平和な少年時代。朝鮮の夏を、彼は今も懐かしむ。 朝鮮で迎えた13回目の夏、8月15日が来た。特別な感慨は覚えなかった。父は勤務の都合で北部におり、母と弟妹とともに、彼は釡山にいた。食べるため、貨車から大豆を盗んだりしたのを記憶している。自分が家族を守っていかねばならない、という気負いを感じていた。まだ中学2年生の少年には、重すぎる体験だったに違いない。 父親が戻らぬまま、一家は郷里の三重県四日市に引揚げた。地元の中学に編入する。引揚げ者としての疎外感を味わった。やがて抑留されていた父が帰国し、再び家族が揃う。高校は県立四日市高校。あまり本を読んだりしなかった。映画も見ていない。もっぱらスポーツに打込んだ。陸上競技部に属した。チーム競技でなく、個人の筋肉や瞬発力がそのままの形で発揮されるスポーツを選んでいるのが興味深い。その一方では、アルバイトで石鹸の行商などをしていた。 家庭は、ごく普通の小市民生活だった。父親は、まじめな人で、ことさら厳格というわけでもなかった。母親は、教師の経験もある人だったが、教育熱心で口うるさいなどということはなかった。それでも、周囲には、何となく息苦しい雰囲気があった。母方の叔父が県知事や国会議員をつとめる政治家であったりして、そうした権力への志向性が、まわりに色濃かったのだ。これに反撥していた。また、主体性がはっきりしない、三重県人のあいまいな県民性も厭だった。5年余り過ごした四日市の町を、彼は今でも好きになれないという。 “非行少年”ではなかった。闇市に出入りしたようなことはあったけれど、本格的な非行はしていない。“非行少年”というのが、今のように軽いイメージと違う。犯罪者同然に見られている時代だ。 家は、大学なぞ行かなくてもーーだったが、一浪の後、東大に入学し、上京する。将来については、別にどうとは考えていなかった。だから、駒場の教養学部では、バスケット部にはいったりして、普通に学生生活を始めた。学内の駒場寮にいたせいもあり、授業にも良く出席。 2年のとき、合演というサークルで演劇活動を始める。福田善之(劇作家)、渡辺文雄(俳優)などが一緒だった。芝居に、急速に惹かれだす。映画は念頭になく、演劇を志した。戦後の新しい新劇が生まれようとしていた頃だ。夢中になる。 本郷の文学部、仏文学科へ進む。当時は教養から学部へ移るとき試験があり、仏文は人気学科だったから難問だった。同級に石堂淑朗(作家)、井出孫六(作家)、種村季弘(詩人)、そして吉田喜重。ここでは、もう、ほとんど授業には出なかった。 で、その代わり、俳優座の養成所に通っていた。養成所5期生。ここでの同期は矢野宣、平幹二朗、亡くなった木村俊恵ら。かたわらでアナウンス学校にも通った。もし、そのまま俳優の道を歩いていたら、と想像してみるのは楽しい。俳優・藤田敏八。さぞ個性的な性格俳優になっていたろう。監督となっている現在でも、風貌を買われて、しばしば画面に登場するくらいだから。 後に『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』(70)で、成田三樹夫を初めて使ったとき、ボクは養成所で先輩だと言って驚かせたという話がある。 ▲『八月はエロスの匂い』の撮影中の藤田敏八監督 まだ、新劇俳優で食っていくのが難しい世の中だった。役者では生活していけぬ、と思い、どこか就職しようと考えたが、行きたいところは、もう皆、試験が終わってしまっていた。残るは映画会社だけ、というので、日活と松竹に願書を出した。特に映画をやりたかったわけではない。成りゆきのようなものだった。ただ、映画は、養成所時代あたりから、熱心に見るようになっていた。日本映画では木下恵介のファンだった。『女の園』(54)などが印象に残っているという。 結局、知人のいた日活だけを受けた。映画全盛期にはいろうとする頃で、縁故者の推薦制にもかかわらず、800人近い受験者があり、その中から11人が採用された。試験官には中平康や鈴木清順がいた。創作試験のテーマは「窓」。窓のない、密室の物語を作った。合格。昭和30年。前年に製作を再開した新生・日活の3期組だ。他に遠藤三郎、千野皓司がいる。 多摩川撮影所に行くと、いきなり市川崑組『青春怪談』に放り込まれた。助監督の仕事がどんなものなのか、カチンコを鳴らすくらいしか知らなかった。五里霧中。すぐ次には西河克己組、滝沢英輔組--と、息つく間もなく5本、1年目につく。チーフ助監督だった舛田利雄や蔵原惟繕に鍛えられた。 助監督生活は辛く、特に映画をやりたくてはいったわけではないから、いつやめてしまおうか、と考えていた。そんなとき、ブニュエルの『忘れられた人々』を見る。刮目した。映画そのものを見直した。これほどまでみごとに自分のイメージを作り出せるのか、と。初めて、自分の映画を作りたい、という気持になった。 日活多摩川は、若々しい活気に満ちていた。次々と新しい才能が登場していった。助監督として、蔵原組を中心に、多くの作家についた。蔵原惟繕『愛の渇き』(67)の脚本が名高い。 そろそろーーと思っていた昭和42年、監督昇進の話が出た。番組に穴があき、吉永小百合ものの併映作が急遽必要になって、何かないか、ということになったのだ。前々から気になっていた、シナリオ誌所載のひとつの脚本を、企画として提出した。未知の間柄だったが、その作者は、松竹助監督の広瀬襄。そして、封切日に追われるあわただしい撮影。ーーこれが、『非行少年 陽の出の叫び』(67)だ。 評判になり、次に、浦山桐郎ら2監督と共同で『日本の若者たち』(68)というドキュメンタリーを撮る。だが、非公開となる※『にっぽん零年』として2002年に公開。しばらく沈黙が続くが、デビュー作の直後に次回作として準備していた企画が世に出ることになる。『非行少年 若者の砦』(70)。これが、いわゆる日活ニュー・アクションの先駆けとなった。 日活は傾き始め、ダイニチ映配が発足する中で、『野良猫ロック ワイルドジャンボ』(70)。ホリ・プロの歌謡映画を、もののみごとに自分の世界のものにして、若さを描きとった。『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』(71)『野良猫ロック 暴走集団'71』(71)『八月の濡れた砂』(71)ーと続く。 藤田敏八の映画作家としての声望が高まるのとうらはらに、日活は窮地に陥り、ポルノへ転進した。最初、ポルノは撮れない、と思ったという。性表現が100%可能でない限りは、真に性を描けないと考えたからだ。性表現には、0か100かしかないという姿勢だった。 けれど、日活ポルノが当局に摘発され、裁かれる事態が生じたとき、ポルノを作らねばならぬ、と決心した。大きな力で圧してくるものに対し、手むかわずにはいられなかった。『八月はエロスの匂い』(72)『エロスの誘惑』(72)『エロスは甘き香り』(73)。しかし、ポルノはやはり体質に合わず、これらの諸作も、性そのものを主題にすることはできなかった。 ▲『八月はエロスの匂い』より 以後、東宝で『赤い鳥逃げた?』(73)『修羅雪姫』(73)『修羅雪姫 怨み恋歌』(74)。秋吉久美子三部作と言われる『赤ちょうちん』(74)『妹』(74)『バージンブルース』(74)。そして、加藤彰と合作の『炎の肖像』(74)。不評だった「修羅雪姫」シリーズの、錦絵風の明治から現代が浮かび上がってくる感じと、耽美的な画面が印象に残る。 前作から半年余、次回作の予定はないという。現在の日本映画の状況に、少なからず絶望しているという。撮らないことによる自己主張。だが、映画作家は作品でものを言わなければならない。三島由紀夫の「美しい星」など1ダース近くもあるという企画が、作品の形をとることを待ち望みたい。 ニュー・アクションの作品群で連帯の熱さを描いた70年。秋吉久美子を得て、人間の絆の脆さを持ち出すことで連帯に背を向けた74年。時代と自己、自己と時代のかかわりを見つめていこうとする藤田敏八監督、次はどのような状況を掴むのか。 75年、夏。その長身が、なぜか弱々しく見えてしまう。「『新幹線大爆破』のような秀れた映画がヒットしない現実を映画人は自身の痛みとして感じるべきだ」という言葉が忘れられない。 愛称‟パキさん” 。彼ほど同業者中にファンを持つ人も少なかろう。 自作以外の脚本は『愛の渇き』『戦争を知らない子供たち』(73・共作)など。テレビでの仕事はほとんどなく、「颱風とざくろ」「夕陽ヶ丘3号館」などを伺本か演出しているだけだ。 文・寺脇研 「キネマ旬報」1975年9月上旬号より転載 藤田敏八 / ふじた としや 昭和7年1月16日朝鮮平壌生まれ。弟、妹が1人ずつ。終戦で引揚げ、三重県四日市市で中学、高校時代を過ごす。県立四口市高校から26年東大文学都へ。30年日活に入社。助監督として多くの監督につくが,蔵原惟繕、滝沢英輔などに影響を受ける。 「日活ロマンポルノ50周年×キネマ旬報創刊100周年」コラボレーション企画、過去の「キネマ旬報」記事からよりすぐりの記事を掲載している特別連載【あの頃のロマンポルノ】の全記事はこちらから 日活ロマンポルノ50周年企画「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の全記事はこちらからご覧いただけます。 日活ロマンポルノ50周年新企画 イラストレーターたなかみさきが、四季折々の感性で描く月刊イラストコラム「ロマンポルノ季候」 -
【第21回】「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」
2021年12月10日2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げる定期連載記事を、本キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時配信いたします。 衛星劇場の協力の下、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する番組「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の過去の貴重なアーカイブから、公式書き起こしをお届けしたします。(隔週更新予定) ■2015年5月放送 「野外」 どうも、みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショー in日活ロマンポルノ 民俗学入門」今回のテーマは、ズバリ「野外」。 その時、股間がうずいた… 澄み切った青空に浮かぶ、愛と官能の叫び。どこかでヤッている。誰かがヤッている。たった一時の開放感、快楽と化した羞恥心が、俺の股間にこだまする。人はドアの向こう側に何を見出したのか?どこでヤる?外でヤる!その瞬間から新たな歴史が始まる…。 今回の民俗学入門ですけども、どうです?何だか部屋雰囲気変わったでしょ? たぶんポルノ学の助教授から教授に僕が昇格したということですかね(笑)。 今回の作品の『ひと夏の関係』という映画は、1978年水島美奈子さん主演作です。 今回は4本ともテーマが「野外でする」って事です。言うなればアウトサイダーがインサイダー取引をするってことですよね。野に出るっていうのは、当然、外で性行為をするということだとおもいますが、なぜ性行為したいのか今回は分析してみたいと思います。 民俗学入門 今日も元気にイッてきま~す 『野外』の基礎と応用 1965年あたりに、ようやく日本にはラブホテルというものが誕生したといわれます。それまでは「連れ込み旅館」と呼ばれていましたね。若者にとってその響きはとてもオヤジ臭くて嫌だったんでしょう。ラブ&セックスの思想がようやく日本にも入ってきたってことでしょうね。「若者よ、書を捨てて外に出よう!」それが野外の始まりだったんでしょう。要するにアウトドア・セックスの始まりでございます。そもそものアウトドアの始まりは、コレですよね(イラストを出す)。 ピクニックですよね。ピクニックでは、必ず男女が山に向かって「ヤッホー」と叫んでいたでしょ?この時にこの二人の片方の男が、「ヤッホー」叫ぶだけじゃなく、ここにある木とか芝を見て、「できるんじゃないか?」と思ったのが始まりだと考察いたします。 こういうことですよね。(イラストを出す) 草の上に寝転んでとか、木のとこら辺でとか。ここでも出来るんじゃないか?っていうことを多分ピクニック中に思ったんでしょうね。パートナーにも合意を求め、「どうだ青空の下でしてみないか?」これが「野外プレイ」の始まりです。ODSとでも呼びましょうか?「OUTDOOR SEX」ですよね。中には海の岩場でする人もおられるのかも知れませんがね。僕は一度も興味を持ったこともないし、やったこともないですけども。やっぱり自然を愛する人達がつい、行いがちなんでしょうかねぇ。ODS好きの人たちには、マナーの悪さが目立つといいますが。 ついつい広いところでは、気持ちも大きくなってゴミを捨てるような人がいて、マナーの悪さが問われ、アウトドアが廃れたていくんじゃないかと思います。アウトドアも廃れると、街でこっそり人の所有のビルの屋上でやる人もいると聞きます。 公園やカーセックスも考えられますね。外でおやりになる、それは人に見られたくないがゆえに、または見られるかもしれないドキドキが良い人がいるんですよね。いかんですね、犯罪ですよ、それ。いくらわかりあっていてもいけない行為です。さぁ今回、日活ロマンポルノの中でね、この『ひと夏の関係』では、どういうアウトドア・セックスが出てくるかお楽しみいただければと思います。 ■あした天気になあ~れ! 映画で学ぶ『野外』活用術 今回、これまでとりあげた話はほとんど出てきません(笑)。出てくるのは、こういう派手なサングラスをかけた女の人が登場いたします。 ものすごい角ばってデカイサングラスで、志麻いづみさんがされています。こちらが桂たまきさん。どちらも大きなサングラスされています。こういう大きなサングラスで、アウトドアを楽しむということですかね。 スタッフが調べた今回の「野外プレイ」の現場です。調べる必要があるのか?と思ってしまいましたけども(笑)。アウトドア・セックスをテーマにした4本じっくり観てください。 今月の作品を紹介したいと思います。 『ひと夏の関係』1978年製作。水島美奈子さん主演です。 『それゆけ痴漢』1977年製作。山本晋也監督で泉リコさん主演です。 『のけぞる女』1980年製作。風間舞子さん主演。 『令嬢肉奴隷』1985年製作。すずきじゅんいち監督、赤坂麗さん主演です。 どこかに必ずアウトドアのシーンがありますので、楽しみに見てくださいそれではあなたもグレイト余生を! 出演・構成:みうらじゅん/プロデューサー:今井亮一/ディレクター:本多克幸/製作協力:みうらじゅん事務所・日活 ■ TV放送情報 【衛星劇場】(スカパー!219ch以外でご視聴の方) ・『妻三人 肌くらべ』 ・『宇能鴻一郎の濡れて騎る』 ・『新・団地妻 夫婦交換』 ・『スワップ診察室 蜜しぶき』 ・『エロスは甘き香り』 ・『八月はエロスの匂い』 ・『魔性の香り』 ・『団地妻 女の匂い』 【衛星劇場】(スカパー!219chでご視聴の方) ・『妻三人 肌くらべ』(R15版) ・『ピンクカット 太く愛して深く愛して』(R15版) ・『エロスは甘き香り』(R15版) あわせて、衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ♯102」、「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ♯103」を放送! ※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集! 【日活ロマンポルノ】 日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。 日活ロマンポルノ公式ページはこちらから 日活ロマンポルノ50周年企画「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の全記事はこちらからご覧いただけます。 過去の「キネマ旬報」記事からよりすぐりの記事を掲載している特別連載【あの頃のロマンポルノ】の全記事はこちらから 日活ロマンポルノ50周年新企画 イラストレーターたなかみさきが、四季折々の感性で描く月刊イラストコラム「ロマンポルノ季候」 -
クォン・サンウ主演!高卒弁護士と会社をクビになった記者が弱者のために奔走する
2021年12月3日クォン・サンウ主演!高卒弁護士と会社をクビになった記者が弱者のために奔走する クォン・サンウが熱血弁護士に扮するリーガルドラマ『熱血弁護士 パク・テヨン ~飛べ、小川の竜~』のDVDが12月3日よりリリースされる。今年45歳と思えない若々しいクォン・サンウが、弱者のために涙を流し、正義を追求する姿がスカッとしつつも感動する作品だ。 困っている弱者を放っておけない苦労人弁護士 第一次韓流ブームから、『天国の階段』などで元祖モムチャンとして人気のクォン・サンウが、高卒でありながら猛勉強の末に弁護士になった苦労人パク・テヨンを演じるリーガルヒューマンドラマ。クォン・サンウにとっては2018年の『推理の女王2』以来2年ぶりのドラマ出演となる。監督は『ハンムラビ法廷〜初恋はツンデレ判事!?〜』『補佐官』シリーズのクァク・ジョンファン、脚本は実際に記者でもあるパク・ サンギュが担当している。 激しい学歴社会の韓国で、高卒ながらも猛烈な努力をして弁護士になったパク・テヨンは、刑事事件の再審で初めて無罪を勝ち取って一躍、時の人に。家賃を滞納し、スタッフの給与の支払いにも困っていたパク・テヨンはこれでお金の心配をしなくて済む!と喜んだのもつかの間、被告人は貧しく、彼は国選の弁護人だったため、押し寄せたのは貧しくて弁護料を払えない人ばかり。アテが外れたテヨンだったが、そんな中で無実の罪で服役していた若者3人組が再審を依頼してきて、再び冤罪事件と向き合うことに。 男ふたりのブロマンスに思わずキュン!? そんなパク・テヨンの良き相棒となるのが、とある事情で会社をクビになったものの、心に訴えかける文章力の持ち主で記者のパク・サムス。実は彼も学歴コンプレックスを抱えるひとり。S大というと韓国最高峰のソウル大を差すけれど、彼の出身校であるS大は地方のスチョン大で、しばしばバカにされている。そんな、いわば学歴社会的には落ちこぼれのコンビが、弱者のために力を合わせて事件の真相解明に奔走する。ふたりの過去や背景もしっかり描かれていて、行動や発言の理由がわかりやすいのも良い。 緻密な調査と弁論の巧みさが武器のパク・テヨンと、自らの足とペンで真実に肉薄していくパク・サムス。共に正義感に燃えるふたりのバディ&ブロマンスものとしても見ごたえたっぷりで、基本的にはギャースカうるさいふたりだが、時折見せる互いを思いやる、さりげない優しさにキュンとするはず。自らも社会的弱者であり、依頼人の気持ちに寄り添うことができる、タイプの違う熱血漢に共感してしまうこと間違いなし。 パク・サムスを演じるのは映画「藁にもすがる獣たち」(20)などの実力派ペ・ソンウで、33話以降は、実に10年ぶりのドラマ出演になる大物スター、チョン・ウソン(映画「私の頭の中の消しゴム」(04))が演じているのも話題になった。クォン・サンウ&チョン・ウソンが並んでいる構図は第一次からの韓流ドラマファンには感涙ものだろう。 実際に記者でもある脚本家が描く“冤罪の作られ方”!? 彼らが扱う事件はさまざまな事情によって真実が捻じ曲げられ、弱者が泣き寝入りせざるをえなかったものばかり。その真実を暴く過程で、警察の暴力的な取り調べ、仲間内の名誉のことしか考えていない検察の怠惰や隠ぺい体質などが描かれるのがリアル。本職が記者ならではの脚本家の面目躍如。一方で、加害者側にも良心があり、長年、罪の意識に苦しんでいたことがわかる描写も。加害者を一方的に非難するわけではないのが本作が“ヒューマンドラマ”たるゆえん。反面、歪んだ欲望や腐敗しきった倫理観にまみれた検察や判事、警察など、権力者に屈せずに糾弾していく姿も痛快だ。 文=熊谷 真由子/制作=キネマ旬報社 『熱血弁護士 パク・テヨン ~飛べ、小川の竜~』 ●12月3日(金)DVD-BOX1リリース(1話~14話) ●1月7日(金)DVD-BOX2リリース(15話~28話) ●2月2日(水)DVD-BOX3リリース(28話~40話) DVDの詳細情報はこちら ●DVD-BOX1:13,860円(税込) DVD-BOX2:13,860円(税込) DVD-BOX3:11,880円(税込) ●DVD-BOX1特典 【映像特典】次回、チラ見せ 【封入特典】ブックレット(8P) ●DVD-BOX2特典 【映像特典】次回、チラ見せ 【封入特典】ブックレット(8P) ●DVD-BOX3特典 【映像特典】次回、チラ見せ/ポスター撮影/キャラクタープロフィール/メイキング/クォン・サンウインタビュー 【封入特典】ブックレット(8P) ●2020年/韓国 ●出演:クォン・サンウ、ペ・ソンウ(32話まで)、チョン・ウソン(33話より)、キム・ジュヒョン、チョン・ウンイン ●発売元:PLAN Kエンタテインメント 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング ©SBS -
関ジャニ∞・横山裕初主演ドラマ! 天才子役とほんわかアパート暮らし
2021年12月3日関ジャニ∞・横山裕初主演ドラマ! 天才子役とほんわかアパート暮らし 冬の寒い日には、温かい飲み物と一緒に心温まるハートフル・コメディが観たくなる。どこにでもありそうな小さなアパート「アパートの清水」で、一人暮らしをするワケありの5歳児・コタローと、グータラ生活を送る売れない漫画家・狩野のおかしくも優しい毎日を描いたドラマ『コタローは1人暮らし』のDVD&ブルーレイが12月3日にリリースされる。 もしアパートの隣人が、一人暮らしをする5歳児だったら!? 原作は累計140万部突破の人気コミックで今回初の映像化。5歳児が一人暮らし!? そんなファンタジーがリアルに思える、温かく優しい世界が1話約23分・全10話の見やすい形でドラマになった。 ある日、突然、万年床を敷く散らかり放題の狩野進の部屋に、引っ越し挨拶の高級ティッシュ持参で現れた男の子・さとうコタロー。「隣に越してきた“さとう”と申す。以後、お見知りおきを」。子供らしい殿様言葉で、子供らしくないしっかりした挨拶をするコタロー。しかし親の姿はなく、一人暮らしだという。漫画はスランプ中だが人のいい狩野は、そんなコタローが気になってしまい…。 狩野を演じるのは、歌手として、またバラエティでの活躍はもちろん、『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』シリーズなどでの演技の評価も高い関ジャニ∞の横山裕。ドラマ初主演となる本作で、無気力で日々お疲れ気味、でもコタローを気にかけ、一緒に成長していく心優しい青年役を気負わずかっこつけず、脱力感満載で演じている。 一目で見る者の心をキュンとさせるコタローを演じたのは、ドラマ『カンナさーん!』の演技で「天才子役」と絶賛された川原瑛都。笑顔を封印し、強い意志で“1人暮らし”をするコタローのかわいさとけなげさに癒され、泣かされること間違いなし。 このほか、山本舞香、生瀬勝久、イッセー尾形がアパートの住人役、ももいろクローバーZの百田夏菜子と光石研がコタローの生活を支える弁護士役を演じ、コタローの通う幼稚園の先生役で、先日のデビューも大きな話題となったなにわ男子の西畑大吾も出演。後半の第8話からはSexy Zoneの松島聡もコタローの旧友役で登場するなど、華やかなキャストが個性的なキャラクターを魅力的に演じている。 大人と子供が一緒に成長し、日々を大切に暮らしていくこと 5歳児の一人暮らしとも思えぬような、規則正しく丁寧な暮らしをするコタロー。朝起きるとおにぎりをにぎって朝ご飯を食べ、お弁当には大好きな「とのさまん」のキャラ弁を隣人の美月(山本舞香)に作ってもらったり、きちんとゴミ出しもして、幼稚園にも通う。アパートにはお風呂がないので、シャンプーハットをかぶって(猛烈にかわいい!)、銭湯にも通う。そんなコタローを幼稚園へ送り迎えし、一緒に銭湯へ行く狩野。狩野はコタローの言いたがらないことは聞かず、ただ自分が勝手に付いていく風に彼と行動を共にする。狩野自身、幼い頃に両親を亡くし、コタローの一人暮らしの理由が気になっていた。 少しずつ明らかになっていくコタローの過去。記憶の中の悲しそうな母親の顔、彼を探す父親の存在。DV、児童保護施設などの言葉が出てくるが、このドラマは厳しい現実を過度に冷たくも温かくも描かない。自分が生きる現実のなかで、コタローは再び両親と暮らすために「強くなりたい」と一人暮らしを始め、そんなコタローの言葉や生き方に周囲の大人も影響を受けていく。 コタローをかわいがる美月がDV気味な彼氏と別れようとする場面で、コタローの言葉に救われたり、コタローを溺愛する強面の田丸(生瀬勝久)が、別居中の妻になかなか会わせてもらえない息子との関係をコタローの言葉で考え直したり、自分に自信の持てない新任の花輪先生(西畑大吾)が、コタローの言葉で奮起したり。そしてコタロー自身も、それぞれに問題を抱える大人たちに愛されながら、共に日々の悲喜こもごもを過ごし、大人も子供も関係なく一緒に成長していく。5歳児の一人暮らしが実現する、そんな世界こそ本当にあってほしいと思わせられる。 脚本は『のだめカンタービレ』の衛藤凛、演出は『きょうの猫村さん』の松本佳奈。ユーモアのある温かい世界観や人物描写で、物語をテンポよく楽しく見せてくれる。また、毎話「この物語はフィクションです」という注意書きが、いろんな場所や物に提示されたり、コタローの持ち物にさりげなく★マークのものがちりばめられていたり(幼稚園のクラスもほし組!)、作り手のかわいいこだわりを感じるクリエイティブが楽しい。 西畑大吾主演のスピンオフ・ドラマや、かわいすぎるダンス動画も収録! 今回、DVDには本編のほか、コタローが通う幼稚園の新任教諭、悩める花輪先生が、少しずつ先生らしくなっていく姿を描いた西畑大吾主演のスピンオフ・ドラマ『花輪せんせいは半人前!?』も収録。こちらでは、本編では封印されていたコタローの超絶キュートな笑顔(本人いわく「ハリウッドからも声がかかるであろう」)や、本編にも登場する「とのさまんダンス」を現役アイドルの西畑、百田が本気で踊る姿も収録されており、見応えあり! 特典映像では、横山と瑛都君の初顔合わせの瞬間や、瑛都君が西畑と撮影現場のアパートにバースデイ・デコレーションをして横山の誕生日を祝う姿など、楽しいメイキング映像が盛りだくさん。横山が瑛都君に、関ジャニ∞による主題歌「ひとりにしないよ」を聞かせたり、振付を教えて一緒に踊る姿などにも和む。 文=熊坂多恵 制作=キネマ旬報社 『コタローは1人暮らし』 ●12月3日(金)Blu-ray BOX&DVD-BOX リリース(全10話)※レンタル同日リリース Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray BOX:19,800円(税込) DVD-BOX:15,400円(税込) 【特典映像】 ・スピンオフドラマ『花輪せんせいは半人前!?』 ・メイキング ・クランクアップ集 ・制作発表リモート会見 【封入特典】 ・スペシャルブックレット 【早期予約特典】 ・B6クリアファイル ●2021年/日本 ●出演:横山 裕、川原瑛都、山本舞香、西畑大吾(なにわ男子)、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、光石 研、滝藤賢一(友情出演)、峯村リエ、大倉孝二、イッセー尾形、生瀬勝久 ●原作:津村マミ「コタローは1人暮らし」(小学館 「ビッグコミックスペリオール」 連載中) ●脚本:衛藤 凛 音楽:篠田大介 監督:松本佳奈 樹下直美 ●発売元:株式会社テレビ朝日 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング ©津村マミ・小学館/テレビ朝日/ジェイ・ストーム