高橋英樹での検索結果

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  • 高橋英樹

    千葉県木更津市の生まれ。市川高校在学中の1961年5月、日活ニューフェイス5期生として日活に入社、8月封切りの小林旭主演「高原児」に端役デビューする。この年の日活は、1月に看板スターだった石原裕次郎がスキー事故で重傷を負い、裕次郎の代役をつとめるはずだった赤木圭一郎が2月にゴーカートで撮影所の塀に激突して死亡するという不運が続いていた。その穴を埋めるべく、デビュー2作目の「真昼の誘拐」61で早くも主演グループに加えられ、4作目の「どじょっこの歌」61では浅丘ルリ子の相手役に起用される。62年からは吉永小百合、浜田光夫と“グリーン・ライン”の名で売り出され、赤木の事故死で製作中止になっていた野村孝監督「激流に生きる男」62の再開にあたって主役に起用される。181cmの恵まれた体躯と甘いマスクを併せ持ち、アクションものと青春ものの両路線を演じ分けられるスターとして頭角を現す。前者では、松尾昭典監督「霧の夜の男」62、牛原陽一監督「激しい河」62、舛田監督「狼の王子」63、古川卓巳監督「海の鷹」63など、後者では舛田監督「ひとりぼっちの二人だが」62、吉村廉監督「アカシアの雨がやむとき」63、西河克己監督「青い山脈」「伊豆の踊子」63などに出演するが、裕次郎、小林旭を継ぐような決定打は出なかった。そんな中、高橋のイメージを一変させる松尾監督「男の紋章」63が、日活任俠路線の口火を切る大ヒットとなり、67年まで計11本が作られる長寿シリーズとなる。しかし、日活時代の代表作は、昭和初期の喧嘩にあけくれる硬派の中学生・南部麒六に扮した鈴木清順監督の傑作「けんかえれじい」66にとどめを差す。日活の凋落が顕著になった68年、NHK大河ドラマ『竜馬がゆく』で武市半平太に扮して、テレビドラマ初出演。同局『鞍馬天狗』69の倉田典膳役、フジテレビ『旗本退屈男』70の早乙女主水之介役も好評で、テレビ時代劇のスターとして脚光を浴びる。69年より日活を退社して、フリーに。山下耕作監督「男の代紋」72、加藤泰監督「人生劇場/青春・愛慾・残俠篇」72、「宮本武蔵」73、三隅研次監督「狼よ落日を斬れ/風雲・激情・怒涛篇」74、野村芳太郎監督「昭和枯れすすき」75などに主演するが、70年代以降の活動は完全にテレビ中心に移行し、88年の山下監督「アナザーウェイ・D機関情報」を最後に映画出演が途絶える。その後は、NHK大河ドラマ『春の坂道』71、『国盗り物語』73、『花神』77、『翔ぶが如く』90、フジテレビ『おらんだ左近事件帖』71、『隼人が来る』72、『ぶらり新兵衛・道場破り』73、『編笠十兵衛』74、日本テレビ『十手無用・九丁堀事件帖』75、『桃太郎侍』76~80、『江戸の用心棒』94・95、『さむらい探偵事件簿』96、テレビ朝日『遠山の金さん』82~86、『三匹が斬る』87~94、『影武者・徳川家康』98、テレビ東京『次郎長三国志』91、『織田信長』94などの時代劇で活躍。現代劇はTBS『6羽のかもめ』74、テレビ朝日『判決』78~80、『京都かるがも病院』86などがある程度だったが、テレビ時代劇の衰退もあって、80年代後半からはテレビ朝日『船長シリーズ』88~02、『十津川警部シリーズ』90~91、『西村京太郎トラベルミステリー』00~、テレビ東京『捜査検事・近松茂道』02~10などの2時間サスペンス出演が多くなる。2011年、湯山邦彦監督のアニメーション「劇場版ポケットモンスター・ベストウィッシュ/ビクティニと黒き英雄ゼクロム・白き英雄レシラム」にゲスト出演。声優としてではあるが、実に23年ぶりに映画作品に参加することになった。テレビドラマはほかに、NHK『春よ、来い』94、『晴れ着、ここ一番』00、『茂七の事件簿・ふしぎ草紙』01~03、『慶次郎縁側日記』04~06、『篤姫』08、『坂の上の雲』09~11、『とめはねっ!・鈴里高校書道部』10、テレビ東京『ハッピー』99・00、『寧々・おんな太閤記』09、日本テレビ『ピーチな関係』99、TBS『サラリーマン金太郎4』04など。74年3月15日、『おらんだ左近事件帖』で共演した女優の小林亜紀子と結婚。一人娘はフジテレビアナウンサーの高橋真麻。

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  • [caption id="attachment_41116" align="aligncenter" width="1024"] 「刺青一代」[/caption] [caption id="attachment_41306" align="aligncenter" width="775"] 「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」[/caption] 鈴木清順生誕100周年を記念したブルーレイボックス シリーズは既に「セイジュンと男たち」と「セイジュンと女たち」の二つが発売されている。日活時代の清順映画を、代表作の数々と共に、これまで見過ごされてきた初期作品と組み合わせてご覧いただこう、という企画意図が斬新。無国籍アクション映画の極北として知られる「殺しの烙印」や過激な女性メロドラマ「河内カルメン」を、登場人物わずか四人の低予算映画「らぶれたあ」や処女作の歌謡曲映画「勝利をわが手に 港の乾杯」と比較しながらお茶の間で見られる時代がついに訪れたのだ。とりわけ後者二本は「たいしたことない清順映画」の典型として識者によって取り上げられてきた物だが、今見ると「歌と声」への清順のこだわり演出がダイレクトで凄い。清順は最初から不思議な映画監督であった。だから日活時代の清順の凄みはむしろこうした、当時の観客や評論家から無視されたジャンル・ムービー(歌謡曲映画や青春スター映画など物語の枠組み重視で、担当監督の名前が軽視されるプログラム・ピクチャー)にこそ現れるとすら言える。 [caption id="attachment_41119" align="aligncenter" width="1024"] 「ハイティーンやくざ」[/caption] [caption id="attachment_41114" align="aligncenter" width="1024"] 「くたばれ愚連隊」[/caption] [caption id="attachment_41121" align="aligncenter" width="1024"] 「浮草の宿」[/caption] そうした意味で今回そのボックス第3弾が「セイジュンと流れ者」と題されリリースされるのは日活映画史的にも有意義である。コンセプト上そこに「東京流れ者」が収録されるのは当然として、既に世評の高い「刺青一代」、「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」、「花と怒涛」の三本、さらに初期作品「ハイティーンやくざ」、「くたばれ愚連隊」、「浮草の宿」三本を加えたディスク全七枚が収録されている。つまり再発見されるべきは後者三本という事になる。 初めて公開される清順「書き直し」脚本の世界 [caption id="attachment_41115" align="aligncenter" width="1024"] 「花と怒涛」[/caption] 本ボックスのもう一つの特色として、監督が所蔵していた撮影用脚本の読解の試みが挙げられる。今回で言えば所在が確認されなかった脚本「浮草の宿」以外の六本から数ページをページ単位で取り上げてブックレットを作成し、写真で紹介(記載)、そこに筆者(上島)がコメントを入れている。日活清順の「脚本に書き直しが多い」とは伝説的に言われてきたものの、その現物が紹介されるのは初めてである。撮影用脚本は時に脚本家を呆然とさせるほどに初稿から直され、例えば「けんかえれじい」では東北の喫茶店に北一輝を座らせて、当時の大御所(脚本家)新藤兼人を怒らせた。脚本を勝手に変えることの功罪(というか罪)については保留とする。一本一本に凝らされた脚本直しの趣向は枚挙に暇(いとま)なし。 しかしまずは「花と怒涛」の余白に記されていた、この文を読んでいただきたい。 「部長よりtel./本がまるっきり違っていると怒鳴って来た/半分しか読んでいない由/つづいて又tel.まとまってる/而し、土方の喧嘩は面白くないという/もとの本は土方の喧嘩がもとで成り立っていた本/それを通しておいて今更土方の喧嘩は面白く/などというのはどうゆうものか。馬鹿にしてやがる」以下延々、怒りの筆鋒鋭く。契約監督の日常がよく分かる。もっとも、こんなに怒られるのは私だけなんだよ、とも監督は後年インタビューで語っている。このような生贄的人物を英語でブラック・シープというが、随所にそうした独特の気配や細部が伺えるのが清順脚本読解の可笑しさなのである。「花と怒涛」は資料から類推するに「関東無宿」に次ぐ大作予算が与えられているのだが、それでもブラック・シープには辛い渡世であろう。 本企画では現行とは異なるエンディングが検討されているのも分かった。そちらのヴァージョンでは主人公の小林旭が中国行の船に乗れず、刑事玉川伊佐男に逮捕されてしまう。この脚本の原作(青山光二とクレジット)の具体的形態はよく分かっていないものの、直しが自由自在なのは明らか。そもそも清順映画を美術面で支えた木村威夫の名前が脚本家の一人として明記されているのが異色である。 アナザー「東京流れ者」キャスト陣 [caption id="attachment_41117" align="aligncenter" width="1024"] 「東京流れ者」[/caption] 今回のセールスの目玉は「東京流れ者」であろう。リストアされてピカピカになった画面が評判を呼ぶのは必至だが、脚本(主要人物リスト)も興味深い。例えば渡哲也を助ける「流れ星の健」には小林旭が想定されている。また主人公の恋人には現行の松原智恵子ではなく園まりが予定されていた。吉田毅が演じたピアニストには山内賢、そして「裏切る親分」には河津清三郎、安部徹、河野秋武、山内明と役柄にマッチしたゴージャス配役がどっさりメモされ、壮観だ。となると最もミスマッチな北竜二で実現したのは不可解とも思える。このキャストにアンチ小津映画的視点を「読む」轟夕起夫の慧眼を今さらだが称えたい。ついでだが江角英明が演じて代表作とした悪役には佐藤慶、その部下の、映画で郷鍈治が扮した田中に野呂圭介を充てる案もあった。かなりイメージが違うものの、これも面白そう。 文=上島春彦 制作=キネマ旬報社   「鈴木清順生誕100周年記念シリーズ ブルーレイボックス」 ●其の参『セイジュンと流れ者』(7枚組)※品番:HPXN-419 価格:33,000円(税込) 【収録作品】 「東京流れ者」[4Kデジタル復元版](1966年/本編82分) 出演:渡哲也、松原智恵子、川地民夫、二谷英明 「刺青一代」(1965年/本編86分) 出演:高橋英樹、和泉雅子、小高雄二、花ノ本壽、松尾嘉代 「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」(1963年/本編88分) 出演:宍戸錠、笹森礼子、川地民夫 「花と怒涛」(1964年/本編92分) 出演:小林旭、川地民夫、松原智恵子、久保菜穂子、高品格 「ハイティーンやくざ」(1962年/本編72分) 出演:川地民夫、田代みどり、杉山俊夫、佐野浅夫 「くたばれ愚連隊」[4K版](1960年/本編80分) 出演:和田浩治、清水まゆみ、小沢栄太郎、禰津良子 「浮草の宿」[4K版](1957年/本編74分) 出演:二谷英明、春日八郎、木室郁子、安部徹、小沢昭一 【特典映像】 ・各ディスクに予告篇・ギャラリーを収録 ※予告篇マスターの現存しない作品は収録されません 【音声特典】 『東京流れ者』音声コメンタリー 鈴木清順監督・川地民夫/聞き手:佐藤利明(娯楽映画研究家) ※2006年収録、既発DVDボックス同作品に収録されていた音声コメンタリーの再収録 【封入特典】  限定ブックレット(全52P装丁/ 清順監督使用秘蔵台本復元ブックレット 解説:上島春彦) 【仕様】  特製アウターケース、ピクチャーディスク ▶其の参『セイジュンと流れ者』ブルーレイBOXの詳細情報 ●発売元:日活 ●販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©日活株式会社
  • [caption id="attachment_38724" align="aligncenter" width="1020"] 「大空に乾杯」[/caption] 吉永小百合の【映画女優デビュー65周年記念企画】の一つとして、「吉永小百合 日活デビュー65周年記念ブルーレイ&DVDシリーズ 『青春と純愛』」と題し、彼女の代表作品が順次リリースされる。その第1弾として吉永小百合&浜田光夫の青春映画コンビが共演した、『純愛ブルーレイボックス』が発売された。 吉永はラジオドラマ『赤胴鈴之助』(57〜59年)の子役から芸能界に入り、59年に松竹映画「朝を呼ぶ口笛」で映画デビュー。翌60年、日活に入社して本格的に女優活動を始めた。今回は15歳で初主演を務めた「ガラスの中の少女」(60年)をはじめ、石坂洋次郎の『寒い朝』を映画化した「赤い蕾と白い花」(62年)、三島由紀夫の同名小説が原作の「潮騒」(64年)、日活時代の彼女にとって最大のヒット作になった感動作「愛と死をみつめて」(64年)、旅客機のCA(当時はスチュワーデス)に扮した「大空に乾杯」(66年)の5作品が収録されている。   [caption id="attachment_38722" align="aligncenter" width="1024"] 「ガラスの中の少女」[/caption] 吉永は日活専属だった時代に79本の映画に出演したが、そのうち40本以上で共演したのが浜田光夫。吉永と浜田は純愛コンビとして1960年代、日活の青春映画で中心的な存在だった。二人は「ガラスの中の少女」で初共演したが、吉永は著書『夢一途』の中で、《バンビのように涼やかな目をした、爽やかな少年だった》と浜田の第一印象を書いている。この作品で吉永は、実年齢と同じく高校に入学したての少女を演じていて、中学時代の同級生で今は小さな工場で働く浜田に、ほのかな思いを寄せる薄幸のヒロインを鮮烈に演じた。   [caption id="attachment_38725" align="aligncenter" width="1024"] 「赤い蕾と白い花」[/caption] これで青春スターとして注目された彼女は浜田を相手役に、「赤い蕾と白い花」では互いの親を付き合わせようとする高校生を、「潮騒」では孤島を舞台に恋に落ちる海女と漁師を、「愛と死をみつめて」では難病に侵されたヒロインと彼女に寄り添う恋人を、「大空に乾杯」では新人CAと恋人の園芸大学の学生を演じ、絶妙のコンビぶりを披露した。 [caption id="attachment_38726" align="aligncenter" width="1024"] 「潮騒」[/caption] 収録された5作品は、吉永が15歳から19歳までの出演作で、女優として輝きを増していく彼女の魅力はもちろんだが、目を見張るのが浜田の達者な演技。吉永が演じるのは、自分の気持ちを相手にぶつけていくヒロインが多いが、その想いを受け止める浜田のぶれない在り様が、どの作品でも印象的。65周年企画に寄せたコメントで、吉永は《不器用な私の直球を巧みなインサイドワークで受け止めてくれた浜やん》と浜田のことを言っているが、浜田光夫という存在がいたからこそ、吉永も感情のままに生きる女性を演じられたことがよくわかる。   [caption id="attachment_38727" align="aligncenter" width="1024"] 「愛と死をみつめて」[/caption] また今回のボックスには特典として、二人の共演作の予告篇を可能な限りHDリマスター映像で収録。その数は36本にも及び、他に特報映像が8本入っている。珍しいのは浜田が失明の危機に陥って、1年後に復帰した「君は恋人」(67年)の特報。吉永をはじめ、日活の仲間が撮影所へ久々にやって来た浜田を笑顔で迎えるという内容で、渡哲也や高橋英樹、宍戸錠などスター総出演の贅沢な特報だ。 文=金澤誠 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年7月号より転載)   吉永小百合 日活デビュー65周年記念 ブルーレイ&DVDシリーズ『青春と純愛』 Blu-ray& DVDの詳細情報はこちら ●吉永小百合&浜田光夫『純愛ブルーレイボックス』(6枚組、約437分) 価格:28,600円(税込) 【収録作品】 「ガラスの中の少女」「愛と死をみつめて」「赤い蕾と白い花」「潮騒」「大空に乾杯」 【映像特典】  吉永小百合&浜田光夫の純愛コンビ共演作品の予告篇36作収録 【封入特典】  封入ブックレット(52P) 【仕様】  特製アウターケース、ピクチャーディスク ●発売元:日活 ●販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©日活