キャッシュトラックの映画専門家レビュー一覧

キャッシュトラック

ジェイソン・ステイサムが「リボルバー」以来16年ぶりにガイ・リッチーとタッグを組んだクライム・アクション。現金輸送専門の警備会社に雇われたパトリック・ヒル。ある日、彼の乗ったトラックが強盗に襲われると、犯人たちはなぜか金も奪わずに逃げてしまう。共演は「アウトポスト」のスコット・イーストウッド、「ハドソン川の奇跡」のホルト・マッキャラニー、「ファイナル・プラン」のジェフリー・ドノヴァン。
  • 米文学・文化研究

    冨塚亮平

    ステイサムのアクションが炸裂するお約束の結末に向けて観客の期待をいかにはぐらかすかという点で、仕事を中心とする地味な日常が軽妙な会話と共に描かれる序盤は面白い。しかし、業務の範疇を逸脱する彼の暴力に周囲が疑惑の目を向け始めたと思った矢先に、拍子抜けする早さで彼の潜入行動の背景が懇切丁寧に説明されてしまうせいで、中盤以降は緊迫感が薄れてしまった。同じ事件を何度も語り直す中で次第に真相に近づいていく構成も、目先を変える効果よりはクドさの印象が強い。

  • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰

    降矢聡

    ジェイソン・ステイサムが理由もなく撃ち損じるはずがないわけで、間違いなく裏があると察知させるのは監督の力量というよりもステイサムという俳優のワザだ。だからこそ、裏の事情を描くパートが説明くさくなりすぎているのが残念。また同じく俳優の恩恵、イキがっているが動揺すると途端に情けなくなる俳優代表ジョシュ・ハートネットが、まさにピタリという役どころで、その近年稀に見る情けないやられ方は、銃撃戦の最中に見る者を笑顔にさせてくれてとても良い。

  • 文筆業

    八幡橙

    原題を直訳すれば、「男の怒り」。ジェイソン・ステイサム演じる主人公は一人、静かに怒っている。何に?どうして? 真相は、バラバラに提示される時間軸を手繰るごとに明らかになってゆく。ガイ・リッチーとの名コンビ、16年ぶりに復活! と聞き、まずは往年の軽妙なノリの集団犯罪映画を期待してしまったが、フランスの復讐劇をリメイクした今回は、遊びもほぼなく、至極シリアス。“H”が寡黙なのは当然として、他の面々の個性がもっと弾けてくれたら、胸のすく後味になったかも!?

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