クリス・マルケルの関連作品 / Related Work

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  • アニエスの浜辺

    「落穂拾い」のアニエス・ヴァルダ監督による自伝的ドキュメンタリー。生い立ちや家族、友人、思い出の地、亡夫ジャック・ドゥミ、ヌーヴェル・ヴァーグ、ハリウッド等、彼女自身が語り、過去の作品やインタビュー、心象風景を交えながら現在と過去を繋いでいく。出演はアニエス・ヴァルダ、ジャック・ドゥミ、マチュー・ドゥミ、ジャン=リュック・ゴダール、ジェーン・バーキン、カトリーヌ・ドヌーヴ、ハリソン・フォード、ジム・モリソンなど。まもなく81歳になるアニエス・ヴァルダがベルギーの浜辺に立ち、鏡を並べる指示を出している。その鏡には海やアニエス自身、人影等が映りこむ。振り返ると彼女の人生には、いつも浜辺があった。子供時代を過ごしたベルギーの浜辺に始まり、戦火を逃れて疎開した南フランスの港町セート、夫であるジャック・ドゥミと渡ったアメリカ・西海岸……。自身、家族、友人、そして夫について思いを馳せながら続ける旅は、アニエスの個人史であると同時に、第二次世界大戦、戦後、ヌーヴェル・ヴァーグ、フラワーチルドレン、ウーマン・リヴ……、さながら現代史、そしてフランスの芸術史でもあった。
  • ラ・ジュテ

    近未来、廃墟のパリを舞台に少年期の記憶に取り憑かれた男の時間と記憶をめぐる、静止した膨大なモノクロ写真の連続(通常どおり撮影したフィルムをストップモーション処理している)で構成された、“フォトロマン”と称される短編。95年、のテリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」は本作を原案にしている。特殊上映の形で何度か上映はされてきたが、正式な劇場公開は今回が初めて。監督・脚本・撮影はヌーヴェル・ヴァーグ期、アラン・レネ、ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダら左岸派(ゴダール、トリュフォーらの活動拠点の“カイエ・デュ・シネマ”編集部がセーヌ右岸にあったため、比較してこう呼ばれた)の代表格の映画作家、クリス・マルケル(「ベトナムから遠く離れて」「サン・ソレイユ」ほか)。製作はアナトール・ドーマン。音楽は「脱出者を追え」(54、ジョゼフ・ロージー監督)「プラン9 フロム・アウター・スペース」(59、エド・ウッド監督※ノンクレジット)のトレヴァー・ダンカン。編集は「帰らざる夜明け」「銀行」のジャン・ラヴェル。美術はジャン=ピエール・シュドル。写真はジャン・シアポー。朗読はジャン・ネグロニ。出演はエレーヌ・シャトラン、ダヴォス・ハニッヒほか。
  • 12モンキーズ

    人類絶滅の危機を救うべく、22世紀から現代にやって来た男の姿をスペンスフルに描いた、時間旅行テーマのSF映画。仏の映像作家、クリス・マルケル監督の名作短編「ラ・ジュテ」(62)にヒントを得て、「ブレードランナー」「許されざる者」のデイヴィッド・ピープルズと妻のジャネットが脚本を執筆、監督には「未来世紀ブラジル」「フィッシャー・キング」のテリー・ギリアムがあたった。製作は「どんな時も」のチャールズ・ロヴェン、エグゼクティヴ・プロデューサーはゲイリー・レヴィンソン、ロバート・コスバーグ、ロバート・キャヴァロ。撮影は「バットマン(1989)」「永遠の愛に生きて」のロジャー・プラット、美術は「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のジェフリー・ビークロフト、編集は「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のミック・オーズレイ、衣裳は「テキーラ・サンライズ」のジェリー・ウェイス、視覚効果監修はケント・ハウストンがそれぞれ担当。音楽は「フレンズ」のポール・バックマスターで、バンドネオンの印象的なテーマ曲はタンゴ界の第一人者アストル・ピアソラ、エンドテーマ曲はサッチモことルイ・アームストロングの歌う『ワンダフル・ワールド』。主演は「ダイ・ハード3」のブルース・ウィリス、「バッド・ガールズ」のマデリーン・ストウ、「セブン」のブラッド・ピット。共演は「女神たちの季節」のクリストファー・プラマー、「インディアン・ランナー」のデイヴィッド・モース、「バットマン」のフランク・ゴーシン、「カリートの道」のジョン・セダほか。
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  • 不思議なクミコ

    フランスの映画詩人のクリス・マルケルが、ある日本人女性を材にとったエッセイ・ドキュメンタリー。1964年10月、東京オリンピックに賑わう高度成長真っ只中の日本の姿を、村岡久美子というフランス語を学ぶ20代の女性を通して、久美子の謎/日本文化の謎/女性の神秘を詩的な映像言語で映しだしている。監督・脚本・撮影・編集・ナレーションは「サン・ソレイユ」「アレクサンドルの墓/最後のボルシェヴィキ」のクリス・マルケル。音楽は現代音楽の第一人者、武満徹(96年死去)の作品から、『弦楽のためのレクイエム』。また、折りしも日本で公開中だったジャック・ドゥミー監督の「シェルブールの雨傘」テーマ曲(ミシェル・ルグラン作曲)が引用されている。「トーキョー・メロディー」と“東京タイムスリップ1964/1984:フランス人の見たトーキョー”の題で2本立て公開された。
  • アレクサンドルの墓/最後のボルシェヴィキ

    旧ソビエトの映画作家、故アレクサンドル・イワノヴィッチ・メドヴェトキン(1900~89)の“幽霊”に、フランスの映画詩人クリス・マルケルが宛てた、6通からなるビデオ書簡の体裁をとったドキュメンタリー的映画エッセイ。最初の長編「幸福」(34)が上映禁止にされ、ブルジョワ様式主義との弾圧も受けながら、ソビエト帝国の崩壊する直前の89年に死去するまで共産主義の信奉者をもって任じ、〈最後のボルシェヴィキ〉として死んだ男の生涯を、かつては左翼活動家の政治的映画作家でもあった詩人が検証するなかで、20世紀という時代における映像と政治のせめぎあいが浮かび上がってくる。製作はミヒャイル・クストフ。撮影はHi-8ビデオで、マルケル自身のほか、モスクワでアンドレイ・パシュケヴィッチがカメラを回し、他に現在アメリカに住む旧ソ連のドキュメンタリー映画作家マリーナ・ゴルドフスカヤ(監督作「アルバト通りの家」が95年山形国際ドキュメンタリ-映画祭に出品)、パスカル・オービエ、フランス第三チャンネルの特派員クリチャン・イルーらの撮影した映像も使われ、また生前のメドヴェトキンのインタビュー、メドヴェトキン自身の監督作「幸福」「新モスクワ」(38)などの引用、帝政ロシアや旧ソビエト時代のニュース映像がふんだんに挿入され、ビデオ画面上で複雑な処理を経て何重にも重ね合わされている。音楽はドイツの左翼系作曲家アルフレード・シニートケ。作品は〈最初の手紙〉から〈最後の手紙〉まで六つの部分に分けられ、全編を故メドヴェトキンに宛てたマルケルの手紙の形でナレーションが朗読され、そのあいまにメドヴェトキンとその関係者へのインタヴューが挿入されている。画面に登場してメドヴェトキンについて語るのは映画監督ユーリー・ライズマン(「汽車は東へ行く」)、マリーナ・ゴルドフスカヤ、カメラマンのユーリー・コリアダ、メドヴェトキンの娘ションガラ・メドヴェトキナ、メドヴェトキン映画のスタッフとして編集のソフィア・ブリトゥリアク、メドヴェトキンの作品と同様にスターリン時代にその著書が発禁となった作家イサーク・バーベリの未亡人アントニーナ・ピロジコヴァ、メドヴェトキンの親友だったというアルベルト・シュルト、晩年の教え子だった学生のニコライ・イズヴォロフ(メドヴェトキンの〈映画列車〉時代の作品を発見)とマリーナ・カラシエヴァ、映画史家ウラジミール・ディミトリエフ、ヴィクトル・ディオメン、キラ・パラモノヴァ、そしてジガ・ヴェルトフのカメラマンだったヤーコフ・トルシャンなど。(ビデオ作品)
  • サン・ソレイユ

      ある女性が世界中を旅するカメラマンからの手紙を読むという形式で日本とアフリカを捉えたドキュメンタリー。製作はアナトール・ドーマン、監督・脚本・撮影、編集は「AK ドキュメント黒澤明」のクリス・マルケル、ナレーターはフロランス・ドレー(仏語版)、アレクサンドラ・スチュワルト(英語版)、池田理代子(日本語版)、歌はアリエル・ドンバールが担当。日本語版に関する関係者は、製作を松本正道、翻訳を福崎裕子、台本を原章二と町枝実、台本監督を梅本洋一、演出を野上照代が担当。世界中を旅するカメラマン、サンドール・クラスからの手紙をある女性が読む。それと同時に彼が目撃し記憶した映像が展開される。クラスナは日本とアフリカに惹かれているのだ。まず、カメラはアイスランドの三人の少女を描き出す。続いて函館から青森へ向かうフェリーの中へとワープする。夜明けと共に、都市<東京>へと入ってゆく。こうして日本のスケッチをゆるやかなテンポで映し上げ、やがて、舞台はアフリカへと移ってゆく。ギニア・ビサウの独立の闘士アミルカル・カプラル、彼の遺志をついで大統領となる弟のルイス、そしてクーデターを起こしてルイスを投獄する指令官ニノの映像を次々に甦らせる。そこにヒチコックの「めまい」が挿入される。ムソルグスキーの美しい歌曲が流れる。彼の旅はやがて終りに近づく。
    • AK ドキュメント黒澤明

      自らライフワークと自負する黒澤明監督の日仏合作映画「乱」撮影過程を記録したドキュメンタリー。製作は「乱」のフランス側のプロデューサー、セルジュ・シルベルマン、監督・編集は「サン・ソレイユ」のクリス・マルケル、撮影はフランシス・イヴ・マレスコ、音楽は武満徹、日本語版ナレーションは蓮實重彦が担当。映画は、撮影現場に向かう黒澤明、長いスタンバイに耐えるエキストラ達、俊敏に動きまわるスタッフ、戦場を走る馬、出番を待つ馬等、映画には現われない映画の裏の姿を、捉える。さらに音楽を担当した武満徹の現場での姿、巨額をかけて撮られた合戦の修羅場シーンの全景や、天候不順で撮影中止となって不穏な雰囲気に包まれたスタッフ達の様子などを追う。
    • 告白(1970)

      1950年前半のチェコの〈暗黒時代〉に実際に起きたスランスキー事件(血の粛清)をあばき、人間の自由と尊厳を蹂躙するものを鋭く告発する。製作は「禁じられた遊び」「仁義」のロベール・ドルフマンとベルトラン・ジャバル、監督は「Z」のコスタ・ガブラス、原作はアルトゥール・ロンドン、リーズ夫妻の自叙伝的ドキュメントを「戦争は終った」「Z」のホルヘ・センブランが脚色、「Z」のラウール・クタールが撮影、映画内に出て来るチェコのスチル写真は「ベトナムから遠く離れて」のクリス・マルケル、音響はウィリアム・シベル、編集を「Z」のフランソワーズ・ボノーが各々担当。出演は「仁義」のイヴ・モンタン、「影の軍隊」のシモーヌ・シニョレ夫妻が映画の中でも夫婦役を演じ、その他「ウエスタン」のガブリエレ・フェルゼッティ、ミシェル・ヴィトー、ウンベルト・ラホなど。
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    • ベトナムから遠く離れて

      ベトナム戦争を、このまま傍観することはできない--という意図のもとにアラン・レネ、ウィリアム・クライン、ヨリス・イベンス、アニエス・ヴァルダ、クロード・ルルーシュ、ジャン・リュック・ゴダールら六人の映画作家が、それぞれ自由な立場で、南ベトナム民族解放戦線への連帯意識を表明した作品で、総編集に、「ラ・ジュテ」「美しき五月」のクリス・マルケルがあたっている。また、彼らは“侵略と戦うベトナム人民への連帯感を抱く”映画監督グループでもある。「現地報告」(資料提供)の人たちは、未公開の公文書資料で「ホー・チ・ミン」という本を書いた軍人出身の仏ジャーナリスト、シャン・ラクチュール、フランスの女流記者ミシェル・レイなど著名なジャーナリスト、写真家などで、ナレーションの資料を提供したり、各監督たちが希望する人々に現地にとんでインタビューしたり、自分の経験を語ったりして、この映画の製作に協力している。撮影は「男性・女性」のウィリー・クラント、「冒険者たち」のジャン・ボフティ、「ロシュフォールの恋人たち」のギスラン・クロケ、「修道女」のアラン・ルヴァン、そしてドニス・クレルバル、キュー・タム、ベルナール・ジツェルマン、テオ・ロビシェーらが、この作品の主張にふさわしい視点でとらえている。音楽はミシェル・ファーノ、ミシェル・キャプドナ、ジョルジュ・アペルギスの三人が担当。編集陣には、ジャン・ルーシュの「ある夏の記録」の編集者ジャン・ラウェル、「戦争は終った」のエリック・プリューなど、セーヌ左岸派を中心に精鋭が結集している。アニメおよびタイトルはクリスチャン・クインソン。そして、この映画の製作に参加したものは全部で一五〇名におよぶ。なお、この映画は一九六七年夏に完成し、同年八月カナダのモントリオール国際映画祭で世界初公開が行なわれ、多大な反響をよび、ロンドン映画祭においても、大きな注目をあびた。
    • 地球は燃える

        この映画を製作・監督したアルーン・タジェフは、すでに「火山の驚異」(59)をはじめ多くの火山に関する短篇映画を発表しているが、この作品は一九五九年にベルギーが組織したニーラゴンゴ火山の決死的探険の模様をハイライトに、火山と地底の神秘を描いたものである。この探険隊には日本人としてただひとり、東京大学地震研究所教授下鶴大輔が参加している。解説台本はクリス・マルケル、撮影には監督のアルーン・タジェフほか複数が担当。
      • アメリカの裏窓

        パリ生れのフランス人フランソワ・レシェンバックが監督した現代アメリカのさまざまな姿を描いた記録映画。アメリカ美術館の絵画買付け顧問や美術評論などをやっていて映画にはまったくアマチュアだった彼の長篇第一作である。カメラを担当しているのはレシェンバック自身と、ジェローム・サッター、ジャン・マルク・リッペール、マルセル・グリニョンの四人。音楽を受けもっているのはミシェル・ルグラン。サンフランシスコの金門橋をスタートに、開拓時代そのままの幌馬車の群、ディズニー・ランド、囚人のロデオ、学生のフット・ボール、フラ・フープ競技会、ストリップの学校、カーニバル、ラスベガスの景観など、珍しい風物がつぎつぎと画面に現れる。この映画についてレシェンバックは「私はアメリカ市民の異常な青春、その情熱、その暴力への趣味、そのドラマ、その優しさと奇癖などを描きたかった」といっている。篇中に出てくる「カーニバルの歌」をミシェル・ルグランとクリス・マルケルが作曲している。歌っているのはジューン・リッチモンド。日本語版解説は高橋圭三。製作に当ったのはピエール・ブロンベルジェ。
      • 夜と霧

        ポーランドのワルシャワ近郊にあるアウシュヴィッツ強制収容所を描いた記録映画。第二次大戦中ナチがここでおこなった残虐の数々が、廃墟となった現在のアウシュヴィッツを描いたカラー・フィルムと往時を再現するモノクローム・フィルムの対比によって描き出される。監督は「二十四時間の情事」のアラン・レネ。詩人ジャン・ケイロルが解説台本を執筆している。撮影を担当しているのはギスラン・クロケとサッシャ・ヴィエルニーの二人。音楽を受けもっているのはハンス・アイスラー。製作はエドゥアール・ムシカ。部分イーストマンカラー・スタンダードサイズ。
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